
今回は、戦略についてです。
この記事でわかること
- 書籍 ストーリーとしての競争戦略 から学んだこと
- 「業界の競争構造」 の見極め方
- 競争優位のつくり方
- 「戦略的」 の意味
戦略的なものの見方や考え方は、ビジネスで汎用的なスキルです。
ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。
書籍 「ストーリーとしての競争戦略」 から学んだこと
まず最初にご紹介したい本があります。
この本、ストーリーとしての競争戦略 - 優れた戦略の条件 は、競争戦略をストーリーの観点で興味深く読めます。
色々な気づきが得られますが、学びの1つは 「業界の競争構造」 と 「競争優位」 を分けて考えることです。
では、業界の競争構造と競争優位とは、それぞれどのようなものでしょうか?
業界の競争構造
5W1H で考えるとわかりやすいです。
業界の競争優位とは、Where と When です。「どこで」 「いつ」 戦うかです。
どこで [Where]
自分たちが参入する市場はどこなのか、活動する環境により競争構造は違ってきます。有利な地形なのか、それとも自分たちには不利なのかです。
競争構造は、5 Force のフレームを使うと見えてきます。5つは、売り手、買い手、(直接の) 競合、新規参入者、代替プレイヤーです。
いつ [When]
When の要素も、競争構造を決めます。その市場にいつ参入するかです。
プロダクトライフサイクルで言えば、導入期、成長期、成熟期、衰退期に分かれます。
他の切り口は、キャズム理論があります。どのような顧客が優勢を占めるかで、イノベーターやアーリーアダプター、アーリーマジョリティ、レイトマジョリティ、ラガードです。
以上の 「業界の競争構造」 は、自分たちがその環境でどう活動するかの前提条件になります。
こうした制約条件の下で、競争優位をつくっていきます。では、どうすれば競争優位をつくれるのでしょうか?
競争優位
競争優位の要素は、What と How です。
What とはリソースです。
自分たちが持っている戦力で、人・モノ・金・情報・知的財産などの有形/無形の経営資源です。
How は 価値提供プロセスです。
保有リソースをどうやって活用し、顧客への提供価値を実現する方法です。組織能力、事業のバリューチェーンです。
What と How をつなげるストーリー
書籍 ストーリーとしての競争戦略 が強調しているのは、What や How などの戦略の構成要素が、ストーリーでつながっていることの重要性です。
各要素がバラバラの 「静止画」 ではなく、戦略が 「動画」 になっていることです。
誰に (顧客) 、どんな本質的な価値提供をし、それを実現するケイパビリティを確立し、そしてどのような収益モデルがつくるかです。これらに具体性と一貫性があり、「人に話をしたくなるような面白いストーリー」 になっているかです。
戦略的とは何か
どうすれば、ものごとを戦略的に見たり考えたりできるのでしょうか?
ポイントは2つです。戦略的とは、時間軸が長く、視点が多いことです。
これを図にまとめると、以下のようになります。

まとめ
今回は、戦略についてでした。
最後に今回の記事のまとめです。
1.
書籍 「ストーリーとしての競争戦略」 から学んだことの1つは、 「業界の競争構造」 と 「競争優位」 を分けて考える。
2.
業界の競争優位とは、「どこで (Where) 」 「いつ (When) 」 戦うか。自分たちが、その環境でどう活動するかの前提条件、制約条件。
競争優位は、リソース (What) と、価値提供プロセス (How) 。What や How の戦略の構成要素がストーリーでつながり、具体性と一貫性があることが重要。
3.
戦略的とは、時間軸が長く、視点が多いこと。

ストーリーとしての競争戦略 - 優れた戦略の条件 (楠木建)