
今回は2つのテーマの掛け合わせです。マーケティングとコーチングです。
✓ この記事でわかること
- コーチングの3つのポイント
- マーケティングでの顧客理解の重要性
- コーチングとマーケティングの共通点
- 顧客理解のヒント
マーケティングの顧客理解のヒントを、コーチングから掘り下げています。
ぜひ最後まで読んでいただき、お仕事での参考になればうれしいです。
コーチングの3つのポイント
コーチングとは何かを理解するために、ティーチング (Teaching) と比べると理解がしやすいです。
ティーチングとは教えることです。対してコーチングの肝は相手に教えないことにあります。大事なのは、コーチを受ける側が自分で答えに気づいたり、答えをつくり出すことです。
そのためにコーチは何をするかと言うと、質問と傾聴で相手から引き出します。前提となるのは答えは (コーチを受ける) 相手の中にあります。
以上のコーチングのポイントをまとめると、
✓ コーチングの3つのポイント
- 直接の答えを相手に教えない
- コーチングを受ける側が自分で答えを見出す
- コーチがやることは質問と傾聴で引き出す (答えを見出すサポート)
* * *
コーチングの考え方やアプローチはマーケティングへのヒントになります。ここからは、マーケティングをコーチングの観点から掘り下げていきましょう。
マーケティングの本質
コーチングとマーケティングを見ていく前に、前提となる 「マーケティングでの顧客理解の重要性」 について説明させてください。
そもそものマーケティングとは何かですが、私の一言の定義はマーケティングとは 「顧客から選ばれる理由をつくる活動全般」 です。
顧客から選ばれ続けるからこそ事業は存続できます。顧客から選ばれるのを偶然に頼るのではなく、意図を持って選ばれる確率を高めるのがマーケティングの役割です。
マーケティングでの顧客理解
選ぶという行為の主体者は顧客です。
自分たちが選ばれるために大事なのが顧客理解です。顧客はどういう状況で、どのような目的で、他の何と比較して、どんな選択基準で選ぶかです。顧客を深く理解できているからこそ、「選ばれる理由」 をつくれるわけです。
ここにマーケティングの難しさと醍醐味の両方があります。
「選ばれる理由」 を顧客から直接教えてもらえるケースは稀です。ニーズとして明確に顕在化している場合を除き、顧客は自分の 「選ぶ理由」 や 「選んだ理由」 は言ってくれません。
その理由は以下です。
✓ 顧客から直接答えを教えてもらえない理由
- そもそも顧客自身が理由を自覚できていない
- 顧客は気づいても言葉で説明できない
- 他人には言いたくない・知られたくない (例: 生々しい本音だから言うのが恥ずかしい)
顧客の奥にある本音は、顧客自身がはっきりと人に説明できるほど認識できていません。この状況で 「顧客から選ばれる理由」 をつくるために、赤の他人であるマーケターが顧客のことを本人以上に理解することが必要があるのです。
コーチングから顧客理解のヒント
ではマーケティングの顧客理解のヒントを、コーチングから見ていきましょう。
前半で掘り下げたコーチングのポイントは以下の3つでした。
✓ コーチングの3つのポイント (再掲)
- 直接の答えを相手に教えない
- コーチングを受ける側が自分で答えを見出す
- コーチがやることは質問と傾聴で引き出す (答えを見出すサポート)
ここからマーケティングでの顧客理解へのヒントが見えてきます。
✓ コーチングから顧客理解のヒント
- 答え (選ばれる理由) はマーケター自らが見出す (顧客から直接教えてもらうものではない)
- 顧客の本音は、時には顧客自身が気づいていないが相手の中にある
- マーケターは答えへの気づきやヒントを得るために顧客に質問し傾聴、観察をする
マーケティングの顧客理解のヒントは、コーチングにあります。
まとめ
今回はコーチングとマーケティングを掛け合わせて、マーケティングでの顧客理解の方法を掘り下げました。
最後に記事のまとめです。
コーチングの3つのポイント
- 直接の答えを相手に教えない
- コーチングを受ける側が自分で答えを見出す
- コーチがやることは質問と傾聴で引き出す (答えを見出すサポート)
マーケティングでの顧客理解
- マーケティングとは 「顧客から選ばれる理由をつくる活動全般」 。顧客から選ばれるのを偶然に頼るのではなく、意図を持って選ばれる確率を高める
- 顧客を理解し 「選ばれる理由」 をつくる。ただし 「選ばれる理由」 を顧客は直接教えてくれない
- 理由は3つ。① そもそも顧客自身が自覚できていない、② 顧客は気づいても言葉で説明できない、③ 他人には言いたくない・知られたくないから
コーチングから顧客理解のヒント
- 答え (選ばれる理由) はマーケター自らが見出す (顧客から直接教えてもらうものではない)
- 顧客の本音は時には顧客自身が気づいていないが、相手の中にある
- マーケターは答えへの気づきやヒントを得るために顧客に質問し傾聴、観察をする