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1166回目のブログ更新です。
今回は、タイトルの通り PDCA の P を変えた別のサイクルをいくつかご紹介します。
いずれも、私が大切にしたいと思っている 「xxx からの実行と振り返りのサイクル」 です。
このエントリーで読んでいただきたい内容は、以下です。
- PDCA の P を変えてみる
- DCA の重要性
- PDCA の弊害と対策
PDCA の P を変えてみる
PDCA の P は Plan (計画) です。
今回ご紹介する P を別のものに置き換えたサイクルは、次の4つです。
- HDCA
- SDCA
- QDCA
- IDCA
以下、それぞれについて解説します。
HDCA (Hypothesis → DCA)
- H は Hypothesis (仮説) 。仮説を実行し、検証から次に活かす
- 仮説とは仮の答えであり思い込みと紙一重。検証されて、時には仮説は反証されてこそ意味がある
- 仮説を考えた時点でどうやって検証するかも同時に考えるとよい
SDCA (Strategy → DCA)
- S は Strategy (戦略) 。戦略を実行し、戦略の何がうまくいき、何が機能しなかったかを検証し改善する
- 戦略は立てた時点ではまだ仮説である。実行されてこそ戦略は意味がある
- 逆に言えば、どんなに美しい戦略であっても、現場で採用されない、あるいは実行できない机上だけの理論は絵に描いた餅である
QDCA (Question → DCA)
- Q は Question (問いかけ) 。相手に直接答えを言うのではなく、問いかけをして行動につなげる
- リーダーシップやマネジメントでは、相手に命令や強要するのではなく、問いかけによって自分の頭で考えてもらい、行動を促す
- 行動したことは振り返り、経験や学びを棚卸しする。学びを自分の知識や知恵に変え、次に活かす
IDCA (Intuition → DCA)
- I は Intuition (直感) 。直感力を鍛えるために、普段から直感的に思ったことを自分の直感を信じて行動してみる
- 例えば、直感的にわくわくしたことはすぐに行動してみる、嫌だと思ったことは辞める・断る
- 直感で感じたことは、その時点では自分でも 「なんとなく」 としか理由が言えない。直感からの行動は、その後でどうなったかを検証するとよい
DCA の重要性
ここまで、P を別のものに置き換えた考え方をご紹介しました。4つあり、
- 仮説
- 戦略
- 問いかけ
- 直感
いずれも大事なのは、実行に移し、実行の結果がどうなったかの振り返りから次につなげることです。アクション数を増やすこと、行動しっぱなしで終わらずに振り返りの時間を持つとよいです。
行動後の内省から、機能したことと失敗したことはそれぞれ何か、行動から経験を得て、学びを知見にします。得られた知を抽象化しておけば、別のことに横展開できたり応用できます。
PDCA の弊害と対策
PDCA サイクルは、日本のビジネスパーソンにはお馴染みのフレームです。日頃から耳にしたり、自分でも口にする機会が多い方もいるでしょう。
PDCA は個人や組織を成長させる方法ですが、一方で弊害もあります。最初の P の Plan に時間をかけすぎることです。
計画を完璧にしようと捉えてしまうと、議論のための議論が続き、なかなか実行に入れません。最初に計画検討が始まってから実行までに時間がかかると、その間に外部環境は変化し計画の前提が変わってしまいます。
前提が崩れたのであれば計画から見直すべきですが、そうとは気づかずにせっかく立てたのだからと計画を実行に移してしまいます。これでは PDCA は機能しません。
PDCA の P は Plan (計画) というよりも、Prototype (試作品) と捉えるのが良いです。まだ未完成のベータ版で、実際に試してみる、使ってみることを優先します。初期段階で完成度を上げるよりも、実行に移しフィードバックから改善をします。
まとめ
今回は、PDCA サイクルの P を他のものに変えたフレームをいくつかご紹介しました。具体的には以下の4つです。
- HDCA: H は仮説 (Hypothesis) 。仮説を実行し検証する
- SDCA: S は戦略 (Strategy) 。戦略は実行して初めて価値がある
- QDCA: Q は問いかけ (Question) 。相手に答えを直接言うのではなく問いかけをし、自分で考えたことを行動してもらう
- IDCA: I は直感 (Intuition) 。直感力を鍛えるために直感を信じて行動してみる
PDCA も含めて、大事なのは DCA です。行動し、さらに行動からの振り返り、得られた学びを次に活かすことです。
PDCA の Plan を完璧な計画にしなければいけないと考えてしまうと、実行までに時間がかかりすぎる弊害があります。計画よりもプロトタイプ (試作品) と捉え、早く実行に移しフィードバックを得て検証し、次に活かすと良いです。