
今回は、ビジネスキャリアについてです。
- 自分のキャリアをどうつくっていけばいい?
- 好きなことをやりたいけど、苦手な仕事もやったほうがいい?
- 働き方の4ステージ 「加減乗除」 とは?
こんな疑問に答える内容でブログを書きました。
この記事は、どんな働き方、ビジネスキャリアをどうつくればいいかを書いています。
キャリアのヒントになると思うので、ぜひ最後まで読んでみてください。
働き方の4ステージ 「加減乗除」
まずご紹介したい本は、組織にいながら、自由に働く。(仲山進也) です。
この本には、「加減乗除」 というフレームで、働き方を4つのステージに分ける考え方が書かれています。

引用:楽天の "自由すぎるサラリーマン" 仲山進也さん、「働き方」 の本を書く――そうだ "発売前" に読書会やろう!|リクナビ NEXT ジャーナル
4つのステージを順にご説明します。
1. 加のステージ
- 仕事でできることを増やす。時間や量をこなす
- 選り好みせずに、苦手だと感じることもやる
- 自分の好きなこと、得意な仕事を見つける段階
- 発散の段階
2. 減のステージ
- 自分の好みではない仕事を減らし、強みに集中する
- 捨てていく段階。好みの仕事以外にも、肩書き、レール、評価、安定に縛られることを捨てる
- 収束の段階
3. 乗のステージ
- 磨いた強みに、別の強みをかけ合わせる
- スキルとスキル、人と人をかけ合わせ、さらに仕事や強みをつくっていく
- 外に出て 「アウェイ試合」 をこなす。外での経験から、自分のスキルを棚おろしする
- 発散の段階
4. 除のステージ
- 全ての仕事がつながっているように感じる
- 違うところで別の仕事をしていても、本質的には同じことを言っている。同じ価値を提供している
- 働き方がより自由になっていく
- (収束というより) 統合の段階
加減乗除で思ったこと
加減乗除のステージで興味深いと思ったのは、以下です。
加減乗除で思ったこと
- 各ステージにおいて、たとえ仕事は同じでも意味合いが異なる
- 増やし続けるのではなく捨てたり減らすことによって、次のステージへ行ける
- 発散と収束を繰り返し、最後は統合されていく (複業から統業へ)
キャリアを 「加減乗除」 で振り返る
ここからは、私自身のキャリアを加減乗除に当てはめてみます。1つの具体例としてご紹介します。
私のビジネスキャリアは、大きくは3つの段階に分かれます。
これまでのキャリア
- 新卒で入社したマーケティングリサーチの会社
- フリーランス (独立)
以下、それぞれで、加減乗除がどう当てはまるかを振り返ってみました。
[振り返り 1] 新卒で入社した会社
加のステージ
入社してすぐは、目の前のことに取り組んでいました。明確なキャリアプランに沿ってというよりも、また好きか嫌いかにかかわらず、仕事を増やしていきました。
残業や休日出勤もいとわずにやっていた時もあり、ここで自分の働き方の基礎ができあがりました。
減のステージ
社内での部署異動もあり、2年目以降から新規事業開発を担当しました。
これ以降は 「減のステージ」 でした。マーケティングとマーケティングリサーチ、新規議場開発とプロジェクトマネジメントに絞られていき、自分の好きなことや得意な領域をやっていました。
[振り返り 2] Google
加のステージ
Google に転職後は、加のステージに戻りました。
それまでのスキルや経験を活かせてはいましたが、一方で Google でやっていくためには、自分のできることの一層のレベルアップが必要だと痛感しました。
自分のやりたいこと以外でも、積極的に仕事を増やしていたのが Google に入ってすぐの頃でした。
減のステージ
Google でも自分のやり方が通用するようになっていき、まわりからの信頼も得られるようになってきました。いくつかのプロジェクトから成功体験が得られ、次第に自分の好きな仕事が増えていったのが次でした。
具体的な強みになっていったのは、
自分の強み
- マーケティング、ブランド戦略やブランディング、消費者インサイト
- マーケティングリサーチ、データ分析
- 国や組織をまたいでのプロジェクトマネジメント、チームマネジメント、ファシリテーション
- 新規プロダクトの開発と立ち上げ
- ネット広告やメディア
また、今思い返すと、この頃から Google 内での昇進や、上司やまわりからどう評価されるかを良い意味でこだわらなくなりました。
加のステージから減のステージへの移行です。
乗のステージ
Google での最後の半年は、本業以外にも広げていきました。
かけ算になった取り組み
- 社内のスタートアップ起業プロジェクト
- 社外のベンチャー企業への支援
チームの外や会社の外に出たことによって、自分の強みを客観視できる 「外のものさし」 を持つことができました。
より自分の強みが認識でき、また、自分では当たり前のことでも、外に出ると評価されるという経験もしました。
Google を振り返ると
Google での状況をまとめると、「加 → 減 → 乗」 とステージが上がっていきました。
乗のステージに入り、本業以外でもやりたいことが増え、Google を辞め独立する道を選びました。
[振り返り 3] フリーランス (独立)
フリーランスになり、Google 時代からの流れがそのまま続きました。
乗のステージ
いくつかのベンチャー企業と直接契約をし、仕事は経営や事業支援でした。
出だしはよかったのですが、次第にオーバーワークになっていきました。物理的な仕事量以上に、精神的な余裕が少なくなり、生活や仕事の中での余裕がなくなっていきました。
理想は、乗の次のあらゆる仕事がつながって統合していく除のステージに入るとよかったのですが、乗のステージの増やしすぎ、かけ合わせすぎという状態になりました。
減のステージ
自分の仕事を見直し、いくつかを手放しました。加減乗除において 「乗 → 減」 という後退です。
当時は迷いや悩みもありました。しかし、今振り返ると、減らすという選択は正しかったです。
加のステージ
ステージは、一部をさらに下げました。
減らしたことによって余裕が生まれ、新しいことに挑戦することができました。
具体的には、プロダクトマネジメント、CPO (Chief Product Officer) の視点、価値基準や行動指針の策定などの企業の文化醸成です。
乗のステージ
加・減・乗の順番が入れ替わったり、同時並行で進んだことで、フリーランスでの乗のステージで変化がありました。
新しいことに挑戦しつつ、経験やスキルがかけ合わさっていきました。
具体的には、サーバントリーダーシップ、コーチング、ビジネスクリエイター (ユーザー x テクノロジー x ビジネス) です。
除のステージ
本書 組織にいながら、自由に働く。 で、腹落ちしたのは 「除のステージ」 という視点でした。
複数の仕事、異なる相手と仕事をしていても、大局的には同じようなこと、相手への提供価値も同じことをしているという気づきがありました。
A という仕事をしていて、全く別の B でもその時の経験が活かされるという状況です。伝えている内容の本質は同じです。
目指す 「加減乗除」
加減乗除は、最後の除で終わらないというのが自分の理解です。
除の状態にいつつも、より細かい粒度で見れば、
「加減乗」 の同時進行
- 常に新しいことをやっている [加のステージ]
- うまくいかないものは辞める。新しいことを強みにする [減のステージ]
- 新しい強みを既存の強みにかけ合わせる [乗のステージ]
3つが全て同時並行で進んでいて、全体としては除のステージに自分はいることが目指すイメージです。
まとめ
今回は、ビジネスキャリアについてでした。
加減乗除という働き方の4つのステージをご紹介し、自分自身のこれまでのキャリアに当てはめてみました。
ぜひ、ご自身のキャリアを振り返ったり、今の自分はどこなのか、これから何を目指すのかに参考にしてみてください。
最後に今回の記事のまとめです。
働き方の4つのステージは加減乗除
- 加:仕事に選り好みせずに、できることを増やす。自分の好きや得意を模索する
- 減:自分の好みではない仕事を減らし、強みに集中する。肩書き、レール、評価、安定に縛られることを捨てる
- 乗:磨いた強みに、別の強みをかけ合わせる
- 除:全ての強みがつながる。働き方がより自由になっていく
自分のキャリアを 「加減乗除」 で振り返ると、
- 新卒での会社:加と減
- Google:加に戻った。減で強みを磨いていき、辞める半年前には乗へ
- フリーランス:乗から入ったがオーバーワークに。減と一部は加に戻り、乗から除へ
これから目指す状態は、全体としては除のステージにいるが (全ての仕事は根っこではつながっている統業) 、細かい粒度では、加・減・乗を同時並行でやっている
組織にいながら、自由に働く。(仲山進也)