
今回は、ビジネスモデルと個人のキャリアについてです。
- 競争優位をつくる3つのポイントとは?
- ビジネスモデルはトータルで考える
- 個人のキャリア・働き方への応用
こんな疑問に答える内容を書きました。
この記事でわかること
この記事で書いているテーマは、
- 競争優位
- ビジネスモデル
- 個人のキャリアや働き方への応用
ビジネスモデルという事業戦略のつくり方から、個人のレベルで学べることをご紹介します。
ぜひ記事を読んでいただき、お仕事やキャリアへの参考にしてみてください。
競争優位をつくる3つの視点
事業や企業の競争優位を築くためには、何がポイントになるでしょうか?
具体的には、次の3つを考えていくことになります。
競争優位をつくる3つの視点
- 顧客の獲得と維持
- 資源の確保
- 価値提供のプロセス強化
以下、それぞれについて順番にご説明します。
[競争優位の構築 1] 顧客の獲得と維持
1つ目は集客です。
自分たちにとっての顧客は誰かを定義するところからです。
集客は2つに分解でき、新規顧客の獲得と、リピート客やロイヤル顧客の維持があります。
顧客を定義し、この後にご説明する提供価値と併せて考え、顧客をあえて絞ることが大事です。もし自分たちが価値を提供できる相手ではないと判断すれば、その相手には断ることも必要になります。
[競争優位の構築 2] 資源の確保
ここで言う資源とは、顧客への提供価値に元になるものです。
具体的には、人、モノ、金 (資金や予算) 、情報、技術、文化 (価値観や行動様式) 、他社とのパートナー関係です。これらの資源を顧客への価値に変えます。
資源の確保とは、平たく言えば 「何を持つか」 です。
[競争優位の構築 3] 価値提供のプロセス強化
3つ目の視点は、価値提供のプロセスをどうつくるかです。
顧客は誰かを定義したように、その顧客にとって本質的な価値は何かを定義します。
先ほどの資源を使い商品やサービスを開発し、商品・サービスを使ってもらうことにより顧客に価値を提供します。
価値提供のプロセスとは、「何をやるか」 です。
以上の3つの視点 (顧客, 資源, 価値提供) に、どう収益を得るかを併せて考えることによって、ビジネスモデルをつくっていきます。
ビジネスモデルにする
ビジネスモデルをつくるために、先ほどの3つの視点に利益の観点を加えます。
具体的には、次のような論点があります。
収益モデルの論点
- 誰から収益を得るか (全ての顧客 or 一部の顧客)
- 何で収益を生むか (全ての提供価値 or 提供価値の一部)
- 収益発生のタイミング (価値提供と同時 or 提供前 or 提供後)
カッコ内の組み合わせで、同じ提供価値でも収益モデルは変わります。
収益モデルの例
- 一部のロイヤル顧客が使うサービスのみ課金。課金タイミングは前払い
- 無料で使える機能と、有料で使える機能を分ける。課金タイミングは有料機能を利用した時
ここまで、競争優位をつくる視点、ビジネスモデルをどう設計するかをご紹介しました。
ここからは、個人にどう応用できるかを掘り下げます。
個人キャリアへの応用
競争優位やビジネスモデルの考え方は、個人のキャリアにも当てはめることができます。
競争優位とビジネスモデルの要素
- 顧客の獲得と維持
- 資源の確保
- 価値提供のプロセス強化
- 収益モデル
自分を1つの会社や事業に見立てるという、経営者目線を持つことにもつながります。
[個人への応用 1] 顧客の獲得と維持
個人の観点でも、顧客は誰かを明確にすることが大事です。
営業職の方にとっては文字通りの顧客がいますが、直接にお客とやりとりをしていなくても、一緒に仕事をしている相手を顧客に見立てるといいです。例えば、上司や同僚です。
自分の仕事を通して価値を提供する相手です。新しく広げようとしているか (顧客の獲得) 、優良顧客として中長期で関係性を築いているかです。
[個人への応用 2] 資源の確保
資源の確保を個人のレベルに当てはめると、次のようなものを普段から得たり、磨きます。
資源の確保
- 専門スキルや経験
- ビジネスセンス
- 人脈
- 自分に投資するお金
- モチベーションやエネルギー
- 価値観や行動指針
価値を出すための心技体です。常にメンテナンスをし、錆びつかないようにしておきます。
[個人への応用 3] 価値提供のプロセス強化
スキルや経験は、持っているだけではまだ価値にはなっていません。
資源を価値に変えてこそ、資源は意味のあるものになります。
個人のレベルでも考えたいのは、どこで・誰に・どうやって価値を届けるかの価値提供プロセスです。
同じ資源でも、働く業界や所属組織が違えば提供価値も変わります。相手に応じて、どんな価値提供プロセスをつくるかは意識しておきたいことです。
[個人への応用 4] 収益モデル
自分がやっている仕事での提供価値で、何から収益を生んでいるかも考えてみるとよいです。
会社に勤めている方であれば月収として一括で得られますが、仮想的に収益モデルを想定してみると、自分自身を会社に見立てる経営者目線を持つことができます。
例えば、今やっている仕事は
- 直接収益を生んでいるのか、それとも間接的なのか (何で収益を生むか)
- 後から収益を得ているのか、それとも前払いか (収益発生のタイミング)
まとめ
今回は、競争優位とビジネスモデルから、個人のキャリアや働き方への応用を考えました。
最後に今回の記事のまとめです。
競争優位をつくる3つの視点
- 顧客の獲得と維持
- 資源の確保
- 価値提供のプロセス強化
収益モデルの論点
- 誰から収益を得るか (全ての顧客 or 一部の顧客)
- 何で収益を生むか (全ての提供価値 or 提供価値の一部)
- 収益発生のタイミング (価値提供と同時 or 提供前 or 提供後)
[個人への応用 1] 顧客の獲得と維持
自分の仕事を通して価値を提供する相手。
新しく広げようとしているか (顧客の獲得) 、優良顧客として中長期で関係性を築いているか。
[個人への応用 2] 資源の確保
専門スキル・経験、人脈、自分に投資するお金、モチベーション、価値観や行動指針など。
常にメンテナンスをし、錆びつかないようにしておく。
[個人への応用 3] 価値提供のプロセス強化
どこで・誰に・どうやって価値を届けるかの価値提供プロセス。
資源を価値に変えてこそ、資源は意味のあるものになる。
[個人への応用 4] 収益モデル
自分がやっている仕事、提供価値の何が収益を生んでいるかを考える。
仮想的に収益モデルを想定すれば、自分自身を会社に見立てる経営者目線につながる。