
今回は、成果物での価値の出し方です。
- 成果物やアウトプットをつくる時の落とし穴とは?
- カスタマーサクセスから学べること
- 提供価値を高める方法
こんな疑問に答える内容を書きました。
この記事でわかること
この記事でわかるのは、仕事での成果物の価値をどうやって高めるかです。
つくり手が陥りがちな落とし穴をご紹介し、カスタマーサクセスとの共通点から、どうすれば相手に価値を出すかを掘り下げています。
ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。
成果物のゴールとスタート
いきなりですが、普段のお仕事では、どのような成果物を求められているでしょうか?
例えば法人向けビジネスであれば、顧客への提案書などの商談資料、社内向けには報告書があります。
これらの成果物は、つくり手のゴールは成果物をつくり終えることです。一方で、成果物の受け手はどうでしょうか?
受け手にとってはレポート等の成果物をもらうところがスタートです。渡されてから、中身のレビューや成果物を使って次のプロセスに進んでいきます。
何を意味するかと言うと、つくり手のゴールが 「受け手にはスタート」 という不一致です。
つくった先を見据える
つくり手の側が自分の視点で見ている限り、つくり手のゴール設定は成果物をつくって渡すところです。
しかし成果物が価値を出すのは、受け手が実際に使った後です。つくり手がここまで考えていないと、価値を生む成果物にはつながりません。
大切なのは、自分の成果物が、誰にどう使われるかを想定しながらアウトプットをすることです。
では、何をイメージしながら成果物をつくっていけばよいのでしょうか?
具体的には、次のようなユーザーストーリーです。
成果物のユーザーストーリー
- 誰が
- どういう状況で (文脈)
- 何のために
- どう使うか
- それによって得られる価値
成果物をつくり、相手に渡した先のシーンを具体的に描きます。利用シーンを背景や受け手の目的も含めて見ていき、そこにどんな価値を生んでいるのかを想像します。
描いたユーザーストーリーの解像度が高いほど、自分はどんな価値を成果物から生んでいるのかがイメージできます。
逆から考えれば、提供価値を実現するために、どんな成果物をつくればよいかが見えてきます。
成果物をつくって渡した先まで見据えることは、カスタマーサクセスの考え方に通じます。
ここからは、カスタマーサクセスから学べることを掘り下げていきます。
カスタマーサクセスから学べること
カスタマーサクセスとは、日本語にそのまま訳すと 「顧客の成功」 です。
商品やサービスを売って、あるいは契約をしてもらって終わりではありません。むしろそこからがスタートです。目指しているのは顧客の成功であり、顧客が買ってくれるのは成功のためです。
この意味で、商品やサービスは目的のための手段にすぎません。
商品やサービスをどう使ってもらい、ずっと利用されるか、価値を提供し続けられるかです。顧客の成功を支援し続けることにより、顧客にとってなくてはならないもの、もはや手放せない存在になります。
この対価として継続的な課金が生まれます。リテンションモデルという収益モデルが成立するのは結果としてであり、本質は提供価値の維持と向上から、顧客の成功の実現です。
成果物の話に戻すと、つくり手が目を向けたいのは、「受け手の成功」 です。
自分がつくるアウトプットは、誰の・どういう成功を支援するものなのか。ここを成果物をつくり出す前の設計段階から意識し、相手の成功を目的にするとよいです。
カスタマーサクセスの考え方は、営業やマーケティングだけではなく、ビジネスで汎用的に活かせます。
まとめ
今回は、成果物の価値の出し方について、カスタマーサクセスの視点も入れながら掘り下げました。
最後に今回の記事のまとめです。
成果物のつくり手のゴールは成果物をつくり終えること。一方の受け手はレポート等の成果物をもらうところがスタート。つくり手のゴールが 「受け手にはスタート」 という不一致がある。
成果物が価値を出すのは、受け手が実際に使った後。大切なのは、自分の成果物が、誰にどう使われるかを想定しながらアウトプットをすること。ユーザーストーリーを描く。
- 誰が
- どういう状況で (文脈)
- 何のために
- どう使うか
- それによって得られる価値
描いたユーザーストーリーの解像度が高いほど、成果物が生む価値をイメージできる。逆から考えれば、提供価値を実現するために、どんな成果物をつくればよいかが見えてくる。
つくり手が目を向けたいのは、「受け手の成功」 。自分がつくるアウトプットは、誰の・どういう成功を支援するものなのか。ここを成果物をつくり出す前の設計段階から意識し、相手の成功を目的にするとよい (カスタマーサクセスから学べること) 。