
今回は書評です。
いちばんやさしいグロースハックの教本 - 人気講師が教える急成長マーケティング戦略 という本をご紹介します。
この記事でわかること
- 本の内容
- グロースハックとは何か
- 「アー」 から 「アーラ」 へ (ARRRA モデルの本質)
この記事でわかるのは、グロースハックモデルの What と How です。この本での全体を通して使われている ARRRA モデルについて紐解いています。
ARRRA モデルは、マーケティングで汎用的に使えるフレームです。
ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。
この本に書かれていること
本書を一言で表現すると、グロースハックモデルとは何か、具体的にどうすればいいかが、わかりやすく書かれている本です。
著者が実際に担当しているプロダクトから、具体的な事例でグロースハックのイメージを持てます。
キーフレームは 「ARRRA」 です。
以下は、本書の内容紹介からの引用です。
注目の成長戦略 「グロースハック」 の実践方法が学べる、日本初の体系的な解説書。
業界の第一人者である著者が、自社製品を育てた経験をもとに、すぐに役立つ手法やフレームワークを解説します。製品やサービスを最短で収益化して成長に導くために、製品開発とマーケティングを横断しながら 「成長のエンジン」 を製品に埋め込むグロースハックはどうすれば実行できるのか。
成長段階を5つに分ける 「ARRRA」 モデルや、正しい KPI の設定方法、有効な施策を 「グロースサイクル」 フレームワークなど、自社実践に基づく成長のノウハウを丁寧に解説。
グロースハックとは何か
皆さんは、グロースハックという言葉をご存知でしょうか?
グロースハックとは、プロダクト開発とマーケティングの両方を合わせたものです。

引用: SKILLHUB
グロースハッカーは、プロダクトの成長請負人です。データとテクノロジーを活用し、アイデアを実行して成長を実現させます。
では、具体的にどのようにグロースハックをしていけばいいのでしょうか?
それが本書のキーワードである 「ARRRA モデル」 です。
ARRRA モデル
ARRRA は 「アーラ」 と読みます。
アーラは、「アー」 という海賊指標と呼ばれる AARRR からの派生です。
まずは、こちらの AARRR からの説明です。AARRR は以下の5つの要素があります。
AARRR (海賊指標)
- Acquisition: ユーザー獲得
- Activation: 利用活性化
- Retention: 継続利用
- Referral: 推奨 (他人へすすめたり、レビュー評価・口コミ)
- Revenue: 収益化
では、本書で使われている ARRRA は何でしょうか?
ARRRA は、AARRR で最初にある Acquisition (ユーザー獲得) が最後にくるモデルです。
グロースハックでの打ち手の順番を次のように考えます。
ARRRA (アーラ)
- 利用活性化
- 継続利用 (離脱を防ぐ)
- 推奨
- 収益化
- ユーザー獲得 ← 最後に来る
なぜ、ユーザー獲得の施策が最後なのでしょうか?
ユーザー獲得が最後の理由
ARRRA モデルの特徴は、ユーザー獲得の打ち手を最後にもってきます。
その理由をたとえると、バケツの穴をちゃんとふさいでから水を入れます。
ユーザー獲得は水を入れる行為です。バケツに穴が空いている状態ではなく、水が穴から漏れないよう万全を期してから、新規ユーザー獲得に力を入れるわけです。
価値提供が先
ARRRA モデルで最初に重視するのは提供価値の磨き込みです。ARRRA の最初の2つである Activation (活性化) と Retention (継続利用) を高めます。
ユーザーにとって価値があればプロダクトは使われ始め、継続して利用されます。そして、良いレビュー評価や口コミにつながります。
活性化と継続利用から、つまり、それだけ価値のあるプロダクトにしてから、リファラルと収益化をつくっていきます。
ここまでをやって、ユーザー獲得の施策を重点的にやっていくのです。
ではもう少し、ARRRA モデルについて掘り下げます。
2つの成長と順番
ARRRA モデルが教えてくれるのは、成長するための順番の大切さです。
グロースハックで拡大成長を目指すからと言って、最初からやみくもにユーザー獲得に走ってはいけません。底に穴が空いたバケツに水を入れ続けるようなものです。
成長への布石をしっかりと打ってからです。
あらためて整理すると、グロースハックの順番は、次のようになります。
グロースハックの順序
- 価値提供の実現
- 愛され続けるプロダクトになる
- 収益モデルの確立
- 本格的なユーザー獲得
この順序からわかるのは、グロースハックでの成長には2種類あることです。
2種類の成長
- 価値提供と収益化をつくる 「質的な成長」
- ユーザー獲得による 「量的な成長」
プロダクトの質を上げ、その後に量の成長に舵を切ります。質から量への時間的な順番が大事なのです。
まとめ
今回は、書籍 いちばんやさしいグロースハックの教本 - 人気講師が教える急成長マーケティング戦略 を取り上げました。
最後に今回の記事のまとめです。
1.
この本は、グロースハックモデルとは何か、具体的にどうすればいいかがわかりやすく書かれている。具体的な事例でグロースハックの What と How を学べる本。
2.
グロースハックとは、プロダクト開発とマーケティングの両方を合わせたもの。グロースハッカーはプロダクトの成長請負人。データとテクノロジーを活用し、アイデアを実行して成長を実現させる。
3.
ARRRA (アーラ) モデル
- 利用活性化
- 継続利用 (離脱を防ぐ)
- 推奨
- 収益化
- ユーザー獲得
4.
ユーザー獲得の打ち手を最後にもってくる。最初に重視するのは提供価値の磨き込み。Activation (活性化) と Retention (継続利用) を高める。リファラルと収益化をつくる。
5.
ARRRA モデルが教えてくれるのは、成長するための順番の大切さ。「質的な成長」 から 「量的な成長」 という順序。
- 価値提供の実現
- 愛されるプロダクトになる
- 収益モデルの確立
- 本格的なユーザー獲得 (量的な成長)
いちばんやさしいグロースハックの教本 - 人気講師が教える急成長マーケティング戦略 (金山裕樹, 梶谷健人)