
今回は働き方と、ビジネスモデルやマーケティングについてです。
この記事でわかること
- お駄賃貧乏とは?
- どうすれば抜け出せる?
- 仕事での創意工夫の因数分解 (= ビジネスモデル思考法)
この記事でわかるのは、「お駄賃貧乏」 とは何かです。そこから掘り下げをして、ビジネスパーソンとして学べることです。
ビジネスモデルのフレームや、マーケティングの顧客理解に着想を広げています。
ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。
貧乏神の幸子さん
夢をかなえるゾウ2 ガネーシャと貧乏神 という本では、ガネーシャに加えて、貧乏神の幸子さんが登場します。
物語全体を通して、幸子さんがすごくいい味を出しています。
おもしろいと思ったのは、貧乏神の幸子さんが主人公に教えた 「貧乏になってしまうパターン」 です。
3つあったのですが、その中の1つが 「お駄賃貧乏」 です。
お駄賃貧乏
では、お駄賃貧乏とは何でしょうか?
以下は、本書の該当箇所からの引用です。
「勤太郎さんは子どもの頃、ご両親から『お使いに行ってくれたらお駄賃をあげる』とか『宿題をしたらお小遣いをあげる』とか言われたことはありませんでしたか?」
「言われたことあったけど、それがどうしたの?」
すると幸子さんはにっこりと笑って言った。「それが貧乏の始まりなんですよ」
幸子さんは続けた。「そういう形でお金をもらってしまうと、『お金』=『嫌な作業をするともらえるもの』という考えを持つようになります。しかも作業をする前からもらえる金額が決まっているので『いかに楽して作業を終わらせるか』ということばかり考える人になるでしょう。
こうして子どもの頃にもらった『お駄賃』が、アルバイトの『時給』になり、会社の『給料』になります。すると給料の範囲内でしか仕事をしませんし、仕事をできるだけ減らそうと考えるので給料が増えることはありません」
(引用: 夢をかなえるゾウ2 ガネーシャと貧乏神 (水野敬也) )
いかがでしょうか?
お小遣いを 「嫌なことや自分がやりたくないことをやれば、お金がもらえる」 と認識してしまうと、お駄賃貧乏につながってしまいます。
お金をもらうのは嫌々やることの対価という認識が、その後に大人になってもアルバイトの時給や仕事での給料も同じように捉えてしまうのです。
これには弊害があり、いかに仕事の時間や業務をやり過ごすかを考えるようになってしまいます。
では、どうすれば 「お駄賃貧乏」 から脱け出せるのでしょうか?
お駄賃貧乏から脱け出す方法
幸子さんは、主人公に次のように説明をします。
再び本書からの引用です。
「──『逆』にすればいいんじゃないでしょうか」
「逆?」
「はい。お金は『嫌な』作業をするともらえるものじゃなくて、『楽しい』ことをするともらえるもの。もらえるお金の量はあらかじめ決まっているのではなくて、お客さんを喜ばせた分だけもらえるもの、という風に」
(引用: 夢をかなえるゾウ2 ガネーシャと貧乏神 (水野敬也) )
お金を、相手を喜ばせた分だけもらえると捉えるわけです。
嫌々に自分が差し出したものに対する対価ではなく、お金は 「相手に価値を提供した分だけもらえる」 と考えるのです。
提供価値とは平たく言えば、喜んでもらえた、楽しんでもらった、感謝してもらえたことです。こうした顧客の嬉しさを実現させた結果として、お金をもらうわけです。
このような認識を持つと、仕事で相手 (お客や同僚) に、どうすれば喜んでもらえるかという創意工夫につながります。
では、創意工夫とは具体的に何をすればいいのでしょうか?
創意工夫の因数分解
仕事での創意工夫を因数分解すると、次のようになります。
創意工夫の因数分解
- 顧客設定 (誰に喜んでもらうか)
- 自分がやること (解決策)
- 提供価値
- 収益モデル (お金をどうやって・いつの時点でもらうかの仕組み)
これらの要素を1つ1つ、具体的に解像度を高く考えて、実行していきます。
ビジネスモデルとマーケティング
創意工夫の因数分解は、事業のビジネスモデルの要素に通じます。つまり、創意工夫とは、ビジネスモデルを考えるということなのです。
ビジネスモデルの要素
- 顧客設定
- 問題定義と解決策
- 提供価値
- 収益モデル
別の見方をすれば、マーケティングにもつながります。
マーケティングでまず大事なのは、顧客理解です。
先ほどの顧客設定をさらに分解すると、次のようになります。
顧客設定の分解
- 顧客像 (どんな人か)
- 顧客課題 (顕在ニーズ, 無自覚なニーズ, 顧客インサイト)
- 競合 (自分たち以外にその顧客を喜ばそうとしているプレイヤー)
原動力は 「相手を喜ばせたい」
これらについて、表面的な理解だけではなくて、いかに顧客本人も気づいていないようなレベルまで掘り下げられるかです。
深掘りしたいという原動力は、相手を喜ばせたいという想いです。
お駄賃貧乏に話を戻すと、お金を 「嫌なことをやったからもらえる」 という認識では、ここまで見てきた創意工夫は生まれません。
お駄賃貧乏から脱するためには、お金とは 「相手を喜ばせた分だけもらえる」 と見方に変えてみましょう。これが、貧乏神の幸子さんの教えです。
まとめ
今回は、貧乏神の幸子さんが教えてくれた 「お駄賃貧乏」 から、ビジネスモデルとマーケティングに着想を広げて考えてきました。
いかがだったでしょうか?
何かキャリアやお仕事での参考になれば嬉しく思います。
最後に今回の記事のまとめです。
お駄賃貧乏
お小遣いを 「嫌なことや自分がやりたくないことをやれば、お金がもらえる」 と認識してしまうと、お駄賃貧乏につながる。
アルバイトの時給や仕事での給料も同じように捉え、いかに仕事の時間や業務をやり過ごすかを考えるようになってしまう。
お駄賃貧乏から脱け出す方法
お金は相手に価値を提供した分だけもらえると考える。相手 (お客や同僚) に、どうすれば喜んでもらえるかという創意工夫につながる。
創意工夫の因数分解 (ビジネスモデルのフレームと同じ)
- 顧客設定 (誰に喜んでもらうか)
- 自分がやること (解決策)
- 提供価値
- 収益モデル (お金をどうやって・いつの時点でもらうかの仕組み)
顧客設定の分解
- 顧客像 (どんな人か)
- 顧客課題 (顕在ニーズ, 無自覚なニーズ, 顧客インサイト)
- 競合 (自分たち以外にその顧客を喜ばそうとしているプレイヤー)
夢をかなえるゾウ2 ガネーシャと貧乏神 (水野敬也)