
今回は、カスタマーサクセスについてです。
この記事でわかること
- ガネーシャの教え
- カスタマーサクセスとの共通点
- ビジネスモデルに落とし込む順番
この記事でわかるのは、書籍 「夢をかなえるゾウ」 のガネーシャの教えと、そこからのビジネスへの着想です。具体的には、カスタマーサクセスとビジネスモデルにつなげています。
ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。
ガネーシャの教え
皆さんは、 「夢をかなえるゾウ」 という本を読んだことはあるでしょうか?
夢をかなえるゾウ 3 ブラックガネーシャの教え では、主人公の OL にガネーシャが夢をかなえるための課題を出していくストーリーです。
ガネーシャが主人公に出した課題の1つが、「一度儲けを忘れて、お客が喜ぶことだけを考えてみる」 でした。
この課題に、主人公はどう取り組んだのでしょうか?
以下は、本書からの引用です。
「儲けを忘れる」 と決めて仕事をするのは、かなりの違和感があった。というのも、私たちは仕事の中で、いつも売り上げやノルマを意識するように言われてきたからだ。
でも、思い切ってお金のことを考えないで、「お客さんが喜ぶこと」 だけを考えて仕事に取り組んでみた。
すると次第に違和感は消え、むしろ心が軽くなるような感じがした。自分のやっていることに後ろめたさがないというか、少し大げさに言うなら、自分の仕事を誇れる感覚があった。
この気持ちを忘れずに仕事を続けていけば、今まで以上にお客さんを喜ばせられそうな気がした。
(引用: 夢をかなえるゾウ 3 ブラックガネーシャの教え (水野敬也) )
このガネーシャの課題で思ったのは、カスタマーサクセスに通じます。
カスタマーサクセスとの共通点
カスタマーサクセスは、「顧客の成功は何か」 を定義し、顧客と一緒になって実現していきます。
先ほどご紹介したガネーシャの教えは 、「一度儲けを忘れて、お客が喜ぶことだけを考えてみる」 でした。
お客が喜ぶことを 「顧客の成功」 と捉えれば、ガネーシャの課題はカスタマーサクセスの実践です。
では、カスタマーサクセスを実現するためには、どうすればいいでしょうか?
カスタマーサクセス実現のポイント
私が思うカスタマーサクセスのポイントは、次の5つです。
カスタマーサクセスの5つのポイント
- LTV の最大化
- 短期的には赤字で良い (価値提供が先)
- 買ってもらってからがスタート (売って終わりではない)
- 提供価値を上げ続ける
- 顧客を理解し続ける
ガネーシャの課題に話を戻します。
お客が喜ぶことだけを考えてみるとはいえ、ビジネスである限りは収益を考えなければいけません。
ガネーシャの課題には 「一度儲けは忘れて」 と、「一度」 が入っていることがポイントです。
価値提供が先、収益は後
ビジネスでは、持続的な収益を考える必要があります。
ガネーシャの課題やカスタマーサクセスが教えてくれるのは、時間軸を長く取り 「先に価値を提供し、後から収益を実現する」 です。
つまり、ビジネスモデルに落とし込む順番があるということです。
では、ビジネスモデルはどういう順でつくっていけばいいのでしょうか?
ビジネスモデルのつくり方
以下がビジネスモデルの要素です。仮説を立て検証し、具体化していく流れです。
ビジネスモデルの因数分解
- 顧客の定義 (ターゲット顧客像の具体化, 競合設定)
- 顧客課題
- 解決策 (リソースや組織能力を含む)
- 提供価値
- 収益モデル
5つの要素のうち、ガネーシャの 「一度儲けを忘れて、お客が喜ぶことだけを考えてみる」 に当たるのが、1~4つ目までです (顧客定義から提供価値) 。
自分たちのお客は誰かを定義し、彼ら・彼女らは何に困っているのか、どんなことをしてもらえればうれしいのかを考えます (顧客定義と顧客課題の明確化) 。
そのために自分たちは何をするかの解決策を考え実行し、お客に価値を提供します。
提供価値から、どう収益につなげるかが収益モデルです。
収益モデルは分解ができます。
収益モデルの要素
- 顧客の中で誰から
- どの価値提供に対して
- どのように・どのタイミングで課金ポイントをつくるか
ガネーシャの教えをビジネスにつなげて一言で表現すると、「価値提供が先、収益は後」 です。
まとめ
今回は、夢をかなえるゾウから、カスタマーサクセスとビジネスモデルに着想を広げて掘り下げました。
最後に今回の記事のまとめです。
1.
ガネーシャが主人公に出した課題の1つが、「一度儲けを忘れて、お客が喜ぶことだけを考えてみる」 。課題に取り組んだ主人公は、心が軽くなるように感じ、自分の仕事を誇れる感覚を得た。
2.
ガネーシャの課題はカスタマーサクセスの実践 (お客が喜ぶこと = 顧客の成功) 。
カスタマーサクセスを実現するポイントは、
- LTV の最大化
- 短期的には赤字で良い (価値提供が先)
- 買ってもらってからがスタート (売って終わりではない)
- 提供価値を上げ続ける
- 顧客を理解し続ける
3.
ビジネスでは持続的な収益を考えることが大事。時間軸を長く取り 「価値提供が先、収益は後」 。
ビジネスモデルに落とし込む順番 (仮説を立て検証し具体化していく流れ) は、
- 顧客の定義 (ターゲット顧客像の具体化, 競合設定)
- 顧客課題
- 解決策 (リソースや組織能力を含む)
- 提供価値
- 収益モデル
夢をかなえるゾウ 3 ブラックガネーシャの教え (水野敬也)