
今回はいただいた質問への回答です。
ブランディングの仕事ができる就職先はどこがいいかを書いています。
✓ この記事でわかること
- いただいた質問
- 就職先を決めるための2つの切り口
- いくつかの候補業種への見解
- 自分ならどうするか?
質問で 「ブランディングの仕事ができる就職先はどこか」 といただきました。答えたのは、候補として書かれていた業界への見解と、もし自分が質問者の立場ならどうするかです。
ぜひ最後まで読んでいただき、お仕事やキャリアへの参考になればうれしいです。
いただいた質問
質問箱の Peing に質問をいただきました。
質問は 「ブランディングの仕事ができる就職先はどこが良いと思いますか」 です。
考えるための2つの切り口
具体的な回答に入る前に、前提をそろえるための切り口を2つです。
ここで言う切り口は、質問者の方が思っていらっしゃる 「ブランディングに関わる仕事とは何か」 の解像度を上げる役割を果たします。
✓ 「ブランディングの仕事に関わる」 への2つの切り口
- ブランディングプロセスの中でどこに携わりたいか
- どの立ち位置で関わるか
切り口の補足
1つ目のブランディングプロセスとは上流から下流のどこを担当したいかです。上流から順番にブランド戦略立案、施策の企画、実行、評価や診断です。
ブランディングと言ってもプロセスの中では様々な仕事があるので、自分が最もやりたい箇所はどこかを明確にするといいです。
2つ目の切り口は 「どの立ち位置で関わるか」 です。ブランドを保有する事業者で当事者としてなのか、それとも外部から第三者的に関わるかです。
以上の2つの切り口をマトリクスにして、候補となる業種のマッピングをしてみると自分の希望やキャリアイメージを整理することができます。
候補先への見解
いただいた質問には、ブランディングの仕事に携われる候補先として3つありました。
✓ 質問内の候補先
- マーケティングリサーチ会社
- 広告代理店
- マーケティング施策支援会社
この3つに、事業会社 (ブランド保有会社) を加えた4つについての私の見解です。
[候補 1] マーケティングリサーチ会社
候補の中では最も第三者的な立ち位置です。というのもマーケティングリサーチ会社は客観的な調査と評価が求められるからです。
ブランディング (顧客の頭の中にブランドイメージを構築する働きかけ) の戦略と施策からの結果としてどうだったかの評価と診断に携われます。ブランディングのプロセスで言うと下流の領域です。
もちろん調査結果からの今後のブランド戦略や施策への提案もできますが、機会は限られます。リサーチ会社がクライアント企業とここまでの関係性が築けているケースは、私の経験からは少ないです。
なお、データ分析について質問内で触れられていましたが、リサーチ会社では分析力は身につきます。ただ、ブランディングまわりの分析機会は限られるというのが私の見解です。
[候補 2] 広告代理店
マーケティングリサーチ会社やマーケティング施策支援会社と比べると、広告代理店は事業者に近い存在です。
ただし広告主のブランドに関わるためには条件があります。電通や博報堂の大手総合代理店に入り、職種もストプラ (ストラテジックプランナー) のポジションにつかなければ広告主のブランディングに直接携われる機会は多くはないです。
ウェブ専業代理店や大手総合でもブランディング戦略に関われなければ、実務で携われる機会は限られます。
[候補 3] マーケティング施策支援会社
マーケティング施策支援の中身にもよりますが、ブランディングのための具体的な様々な支援に携わりたいなら候補になります。
とはいえ施策について企画提案からできるのか、それとも施策はクライアント企業が決めていて、その方針で施策の運用するだけなのかでブランディングを担う立ち位置は変わります。
結局のところでブランディングプロセスのどこをやりかいかで、ブランディング戦略をやりたいならマーケティング施策支援会社ではできる機会は少ないです。
[候補 4] 事業会社
当事者としてブランディングの戦略から施策まで主体的に携わりたいなら事業会社です。
ただし、事業会社に入社してもその会社の規模やマーケティング組織、意思決定プロセス、ブランディングの考え方や取り組み、配属先によって、そもそものマーケティングに関われない可能性もあります。
広告代理店のところで触れたように代理店のストプラ狙いと同様で、事業会社でブランディングの仕事をしたいという希望が叶うかは実力と運の両方が必要です。
自分ならどうするか?
もし私が質問者様の立場ならどうするかを書いておきますね。
結論は事業会社です。商品やサービスのブランディングの責任を若いうちから任せてもらえる会社を選びます。
最大手で有名な会社は P&G です。
P&G は出身者のマーケターは多数いらっしゃり、著名な人の本、他にはインタビュー記事や note で公開されているので参考にします。また、Twitter をやっている方を見つけ DM を送って話を直接訊いてみるようにします。
大手ではなくても例えばベンチャー企業でも、自社のプロダクトやサービスのマーケティングに力を入れている会社を探します。
若いうちからブランドマネージャーになれるか
いずれも共通するのは、ブランディングの上流の戦略立案から下流までを広くやれる機会を見つけます。ブランドへの戦略立案、予算配分、施策の企画と実行、ブランド評価の全部です。
若いうち、例えば入社3年以内からブランドマネージャーになれ、ブランド戦略への裁量権がある環境です。
まとめ
今回はいただいた質問への回答で、「ブランディングの仕事ができる就職先はどこがいいか」 を考えました。
最後に記事のまとめです。
「ブランディングの仕事ができる」 を掘り下げるための切り口
- ブランディングプロセスの中でどこに携わりたいか (ブランドへの戦略立案, 予算配分, 施策の企画と実行, ブランド評価)
- どの立ち位置で関わるか (当事者 or 第三者)
候補先への見解
- マーケティングリサーチ会社は第三者的にブランディング評価と診断に携われる可能性がある
- 広告代理店は大手総合代理店に入り職種がストプラ (ストラテジックプランナー) ならブランディングの仕事ができる
- マーケティング施策支援会社は具体的な様々な支援に携われる可能性はある
- 事業会社は当事者としてブランディングの戦略から施策まで主体的にできる。ただしその会社の環境や配属先による
自分ならこうする
- 結論は事業会社
- ブランディングの上流の戦略立案から下流までを広くやれる機会を探す
- 商品やサービスのブランディングの責任を若いうちから任せてもらえ、3年以内にブランドマネージャーになれる会社を選ぶ