
今回は、本質理解についてです。
この記事でわかること
- 子育てで大切な三つのこと
- 本質理解への抽象化
- 顧客インサイトへの応用
この記事で書いているのは、どうすれば本質理解に迫れるかの着眼点です。
子育てをヒントに着想を広げ、本質理解とそこから顧客インサイトを見出す方法を掘り下げています。
ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事やキャリアへの参考になると嬉しいです。
子どもを理解するための三つのポイント
まず最初にご紹介したい本があります。
0歳児から5歳児 行動の意味とその対応 - 見えてますか?子どもからのシグナル です。
この本には、子どもの行動が何を意味するかを理解するための3つのポイントが書かれています。
1. 子どもの一面ではなく両面を見る
- 子どもの気になる一面だけを見るのではなく、行動の裏面も考える
- 例えば、落ち着きがない子は、裏を返せば好奇心が強いと言える
2. 目に見える姿だけが真実ではない
- 子どもの行動には必ず理由がある。その行為の意味や心の理由を考える
- 単に行動をやめさせるだけでは逆効果
3. 子どものだけの問題とせず、まわりとの関わりを考える
- 子どもの問題行動は、まわりの大人との関わりで起きていることが多い
- 子育ては子どもと親が一緒に育ち合うことである
では、この三つを一般化すると、どんな意味があるでしょうか?
本質理解への着眼点
子育てから学べる三つのことは、抽象化すると本質理解への着眼点です。
本質理解への着眼点
- 視点を多くする (子どもの一面ではなく両面を見る)
- 奥にある構造を把握する (目に見える姿だけが真実ではない)
- 視野を広くする (まわりとの関わりを考える)
[着眼点 1] 視点を多くする
子どもの一面だけではなく両面を見るように、物事の二面や多面を見るようにします。
例えば、メリットとデメリット、楽観と悲観、自分の視点と相手の視点、そして、世の中全体を見る視点です。
[着眼点 2] 奥にある構造を把握する
物事の表面的な事象や現象だけではなく、その奥をどれだけ掘り下げられるかです。
物事を見る時に、大きく三階層で捉えるといいです。
物事の三階層
- 表面的な事象
- 背後にある構造要因 (メカニズム)
- さらに奥にある本質
[着眼点 3] 視野を広くする
子どもを見る時には子どもだけではなく、まわりとの関係性を見ます。
これを抽象化すれば、広い視野です。
視野には二つの要素があり、空間的な視野と時間的な視野です。空間的な見る領域を広く取り、さらに時間軸を長くします。
もう一つ意識したいのは、視座の切り替えです。視野を広くするために俯瞰した高い位置から見る 「鳥の目」 、一方であえて現場などをしっかりと見る 「虫の目」 です。
では、ここからは本質理解の応用として、マーケティングに当てはめて見ていきましょう。
顧客インサイトを見い出す (マーケティングへの応用)
マーケティングで大事なのは、顧客理解です。
表面的な顧客理解で終わらず、いかに本質まで見極められるかです。本質のレイヤーにあるのは、顧客インサイトです。
顧客インサイトを見い出すときのポイントは、ここまで見てきた物事の本質に迫る着眼点が当てはまります。
顧客インサイトを見い出す着眼点
- 建前と本音 (視点を多く)
- 奥にある無自覚な気持ち (背後にある構造)
- まわりとの関係 (視野を広く)
[ポイント 1] 建前と本音
顧客を理解するために対話をできたとしても、顧客の発言は建前な内容になりがちです。
建前とともに、どれだけ本音に迫れるかです。
人は本質をズバッと突かれると、時には気恥ずかしいと思ったり、気分を害したりもします。それくらい奥にある本音と、建前の両方からインサイトを掘り下げます。本音と建前のギャップにもヒントがあります。
[ポイント 2] 奥にある無自覚な気持ち
顧客が口にする言葉は、既に顕在化したニーズや不満です。自分で認識ができ、言語化できているからです。
一方の顧客インサイトとは、もっと奥にある本人も自覚していない気持ちです。普段は意識していませんが、そうと気づかされれば行動につながる感情です。
物事の三階層で 「事象・構造・本質」 とあったように、人の言動にもこの三つのレイヤーを意識して見ていくといいです。
[ポイント 3] まわりとの関係
顧客が置かれた状況を広い視野から観察し、理解していきます。
例えば、自分たちの商品・サービスが、顧客の生活・ライフスタイルの中でどんな役割を担っているかです、環境との調和、どのような関係性を持っているかを広く捉えます。
時間軸も長くとります。
短い期間だけではなく、過去から現在、そして未来までをどんな関係性で変化があったのかを見ていきます。
まとめ
今回は、子育てに学ぶ本質理解の着眼点をご紹介しました。
いかがだったでしょうか?
最後に今回の記事のまとめです。
子どもの行動が何を意味するかを理解するポイント
- 子どもの一面ではなく両面を見る
- 目に見える姿だけが真実ではない
- 子どものだけの問題とせず、まわりとの関わりを考える
本質理解への着眼点
- 視点を多くする (子どもの一面ではなく両面を見る)
- 奥にある構造を把握する (目に見える姿だけが真実ではない)
- 視野を広くする (まわりとの関わりを考える)
顧客インサイトを見い出す着眼点
- 建前と本音 (視点を多く)
- 奥にある無自覚な気持ち (背後にある構造)
- まわりとの関係 (視野を広く)