
今回はコーチングからのビジネスへの応用です。
この記事でわかること
- コーチングの本質
- マーケティングへの応用 (顧客理解)
- ファシリテーションへの応用
記事の前半ではコーチングの本質とは何かを掘り下げます。後半は、コーチングの考え方とアプローチをマーケティングと足リテーションに応用しています。
ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。
コーチングの本質
私が以前に会社員だった頃にコーチングの研修を受けたことがあります。
研修で印象的だったのは、コーチングで大事なのは 「いかに我慢できるか」 でした。では我慢をするとは何でしょうか?
コーチをする相手に 「答え」 を教えないことの重要性です。コーチングで大事なのは、答えを直接相手に伝えるのではなく、相手に自分で答えを出してもらいます。
私が考えるコーチングのポイントは次の三つです。
コーチングの本質
- 答えは相手の中にある
- 相手にズバリの答えを教えない
- 傾聴によって引き出す
ではここからは、コーチングの考え方とアプローチをビジネスに応用してみます。具体的にはマーケティングとファシリテーションです。
まずはマーケティングから見ていきましょう。
マーケティングへの応用
マーケティングで大事なことは顧客理解です。
私はマーケティングは顧客理解に始まり、顧客理解に終わると考えます。顧客理解で終わるとは、マーケティング施策によって自分たちの仮説が正しいかどうかが分かり、それはつまり自分たちの顧客理解が正しかったどうかの答え合わせだからです。
マーケティングの顧客理解に、コーチングの考え方がヒントになります。
自分たちが知りたいマーケティングの 「答え」 は、相手である顧客の中にあると捉えます。
顧客インサイトの見出し方
答えとは例えば顧客インサイトです。
マーケティングの文脈でのインサイトとは 「人を動かす隠れた気持ち」 です。顧客自身が普段は意識していないが、そうだと気付かされれば行動や時には習慣すらも変える奥にある感情です。
顧客インサイトという 「答え」 は、顧客が持っています。しかし、顧客自身を無自覚なので、直接顧客に聞いても明確には答えられません。
ではどうすればいいでしょうか?
地道な顧客との対話や観察からです。マーケターが勝手な想像だけでつくったりせず、直接相手に教えてもらうのではなく、顧客理解のプロセスからマーケターが自分で見出すものです。
では次に、コーチングのファシリテーションに応用してみましょう。
ファシリテーションへの応用
ファシリテーターの役目は何でしょうか?
私の一言は、ファシリテーターとは 「触媒者」 です。
ファシリテーターの役割 (触媒者)
- 会議の参加者から意見や思いを引き出す
- 場を活性化させ、議論を可視化する
- 納得感のある合意形成に導く
コーチングのポイントは三つでした。
コーチングのポイント
- 答えは相手の中にある
- 相手にズバリの答えを教えない
- 傾聴によって引き出す
一つ目の 「答えは相手の中にある」 をファシリテーションにつなげると、会議の参加者が皆、何かしらの答えを持っていると考えます。
二つ目のポイントである 「相手に答えを教えない」 は、ファシリテーターには論点の答えや結論が見えていたとしても、参加者に伝えるのはヒントや示唆までです。答えを出すのは当事者である参加者です。
三つ目の 「傾聴から引き出す」 も、ファシリテーターに求められるあり方です。ファシリテーターは誰よりも発言者のことを傾聴します。発言を受け入れ、発言をしてくれた相手に感謝を示します。
まとめ
今回はコーチングと、ビジネスへの応用としてマーケティングとファシリテーションを取り上げました。
いかがだったでしょうか?
最後に今回の記事のまとめです。
コーチングの本質
- 答えは相手の中にある
- 相手にズバリの答えを教えない
- 傾聴によって引き出す
マーケティングへの応用
- 自分たちが知りたいマーケティングの 「答え」 は、相手である顧客の中にある
- マーケターが勝手な想像だけでつくったりせず、直接相手に教えてもらうものではない
- 顧客との対話と観察を通して顧客を理解し、マーケターが自分で見出す
ファシリテーションへの応用
- 会議の参加者から意見や思いを引き出す
- 答えを出すのは当事者である参加者。ファシリテーターはヒントや示唆まで
- 発言者のことを傾聴する。発言を受け入れ、発言をしてくれた相手に感謝を示す