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直感について考えます。
エントリー内容です。
- 論理と直感の関係
- 直感の磨き方。磨くための PDCA
論理と直感の関係
勝負哲学 という本で、サッカーの岡田武史氏と、将棋の羽生善治氏が対談をしています。
対談で、論理 (ロジックやデータ) と直感について、次のように語っています。
岡田:データ分析はもはや勝負の前提条件になっていて、それなしではそもそも勝負の土俵に立てないし、むろん相手とも互角に立ち合うことができなくなっています。
しかし、よりやっかいなことには、そのデータも勝利への必要条件ではあっても十分条件ではありません。
(中略)
岡田:直感はロジックを超えるものですが、同時に、ロジックによって支えられているものでもあるんです。
羽生:そうですね。結論としては月並みかもしれませんが、天才的なひらめきも地道な積み重ねなくしては生まれないということでしょう。するどい直感力も日ごろの努力のたまものであるというか。
(中略)
羽生:将棋においてはたくさんの手を読めることも大事ですが、最初に 「いい手はこれだ!」 と絞り込める能力はもっと大切です。直感力は人間のもっている資質の中で、もっとも優れたもののひとつだと思いますね。
岡田:そう。私も理屈を考え抜く苦しみの中をくぐり抜けてきた末の決断は、それがカンにもとづくものであっても大きな間違いはしないという自信があります。また経験を積むと、理屈よりカンを優先する勇気も出てきます。
(引用:勝負哲学)
論理と直感で興味深いと思ったことをまとめると、以下の3つです。
- 論理やデータがないと勝てない。ただし論理だけでは必ずしも勝てるわけではない (論理は必要条件だが、十分条件ではない)
- 直感は論理を超えるもの。同時に、直感は論理によって支えられている
- 直感は論理を積み上げた先にできる。論理や経験から直感が研ぎ澄まされる。経験の層が厚いほど、生み出される直感の精度が上がる
直感の磨き方
直感を磨くためには、どうすればよいのでしょうか?
前提となる考え方は、「直感は論理によって支えられている」 「論理や経験から直感が研ぎ澄まされる」 というものです。大事なのは、自分を高める姿勢です。
その上で、私が考える直感の磨き方は、次の通りです。
- 自分の直感に気づく
- 直感に従って行動する
- 直感を深掘りする
- 直感に従った行動の結果を振り返る
以下、それぞれについての補足です。
1. 自分の直感に気づく
仕事やプライベートの日常生活で、自分の直感を見逃さないようにします。直感が出てきた時に、自分で自分の直感に気づくことが、直感を磨くための第一歩です。
2. 直感に従って行動する
自分の直感に気づいたら、その直感に従って行動をしてみます。直感を尊重するという考え方です。
3. 直感を深掘りする
なぜ自分は直感的にそう感じたのかと、直感に向き合います。
その場ではすぐに自分でも説明できなくても、何が直感の元になっているかを考えます。例えば、なぜ自分はワクワクしたのか、あるいは直感的に嫌だと感じるのかです。
大事なのは、直感の理由がわからなくてもよいので、自分の直感に向き合い深掘りをしてみる姿勢です。
4. 直感に従った行動の結果を振り返る
自分の直感に気づき、直感に従った行動をとってみた結果、どうなったかです。
ポイントは、直感に従って行動したことがうまくいかなかったとしても、直感そのものを否定しないことです。
自分が直感でそう思ったことは、背後には経験や論理があります。何かしらの土台があり、自分なりの裏付けがあるはずです。直感を否定するのではなく、客観的に直感と行動を評価します。
まとめると 「直感を磨く PDCA」
ご紹介した直感の磨き方は、以下の4つでした。
- 自分の直感に気づく
- 直感に従って行動する
- 直感を深掘りする
- 直感に従った行動の結果を振り返る
まとめると、直感を磨くための PDCA です。
- P: 自分の直感に気づく
- D: 直感に従って行動してみる (直感を尊重する)
- C: なぜ直感でそう思ったかを深掘り。直感に従った行動でどうなったか
- A: 自分の直感を理解する。直感と学び次の機会に活かす
最後に
今回は、論理と直感について考えました。
直感とは不思議なものです。時には自分でも思ってもみない着眼点や捉え方、打ち手を与えてくれます。
単なるヤマカンではなく、直感のベースになっているのは、ロジックやデータなどの論理、そして、自分しか持っていない自分がやったことの経験です。論理や経験を積み上げ、その上にくる直感をどうやって磨くかです。