
今回は、戦略についてです。
- 「戦略的」 とはどういうことか?
- 戦略とストーリー
- マーケティングの戦略ストーリーとは?
こんな疑問に答える内容を書きました。
この記事でわかること
この記事でわかるのは、戦略についてです。
記事の前半では、戦略的とはどういう状態を言うのか、後半では戦略とストーリーについて掘り下げています。
戦略的なものの見方や考え方は、ビジネスで汎用的なものです。
ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。
戦略的とは何か
いきなりですが、どのような条件であれば 「戦略的かどうか」 が判断できるでしょうか?
私がある方から学んだことで、次の2つが満たされていると戦略的になっています。
戦略的
- 時間軸が長い
- 視点が多い
両方がない場合、つまり考えている範囲の時間軸が短く、戦略の根拠や打ち手の視点が少ないのが 「短絡的」 です。
時間軸と視点で2軸をつくって、もう少し 「戦略的とは何か」 について掘り下げてみます。
時間軸 × 視点のマトリクス
時間軸が長いか、視点が多いかでマトリクスをつくると、次の図のようになります。

戦略的とは、右上です。「時間軸が長い & 視点が多い」 です。
短絡的は左下です。
時間軸と視点のどちらか一方を満たしている場合は、それぞれ 「脆弱的」 か 「近視眼的」 です。
脆弱的とは、視点が少ない場合です。時間軸は長く考えられているものの、考える視点が少ないので根拠が弱かったり、打ち手のロジックが甘くなります。戦略シナリオが脆弱になり、メインシナリオの代替案であるプラン B を持てません。
もう1つの近視眼的とは、時間軸が短い場合です。考えている視点は多いものの、目の前のことにしか意識がいっていません。想定シナリオや打ち手が短期的になものばかりになります。
戦略ストーリー
ここからは、戦略のストーリーについてです。
時間軸の長さで考えたいのは、ストーリーです。
ここで言うストーリーとは、時間的な奥行きです。平たく言えば、戦略シナリオの主な要素について、どんな順番でどういう因果関係を描くかです。
例えば、A と B の要素があったとして、
- A と B は両方同時に起こる
- A が先で B になる
- B が先に起こり A につながる
戦略におけるストーリーのおもしろさは、書籍 ストーリーとしての競争戦略 (楠木建) で興味深く読めます。
これは著者の楠木さんの言葉で、「ビンタをしてから抱きしめる」 のか 「抱きしめてビンタをする」 では、意味合いが全く異なります。
マーケティングでのストーリー
ストーリーという流れや順番を意識すると、戦略のシナリオが具体的に見えてきます。
例えばマーケティング戦略と実行の流れを可視化すると、次のようになります。

このように描くことによって、戦略と施策から目的を達成するために、どんな戦略を取るのか、実行プランはどうなるか、そして KPI 設定にもつながります。
なお、こちらの図を使ったマーケティングの考え方は、別の記事で詳しく書いています。よければ、ぜひ読んでみてください。
まとめ
今回は、戦略についてでした。
最後に今回の記事のまとめです。
戦略的とは
- 時間軸が長い
- 視点が多い

戦略でのストーリーとは、時間的な奥行き。戦略シナリオの主な要素について、どんな順番でどういう因果関係を描くか。
マーケティングでの戦略から実行へのストーリー

ストーリーとしての競争戦略 (楠木建)