
今回は、TED の審査合格の基準を、三つのポイントで取り上げます。
そこから学べる、私たちビジネスパーソンへの示唆を掘り下げています。
この記事でわかること
- TEDプレゼンの審査合格ポイント (三つ)
- ビジネスへの示唆 (成果物の流通設定)
- 商売の基本フロー 「つくる・売る・使う (使われる) 」
記事の最初に、TED がどんなポイントでプレゼンの良し悪しを見ているかを取り上げます。
記事の後半ではその三つのポイントについて一般化して着想を広げ、ビジネスへの示唆を書いています。
ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。
TED の審査合格ポイント
皆さんは TED のプレゼンをご覧になったことはあるでしょうか?
TED のプレゼンは魅力あるものばかりですが、事前にどのようにプレゼン内容の審査をしているのかを興味深く読める記事があります (2つ目が日本語翻訳記事) 。
- The head of TED reveals the 3-pronged test every speaker's talk must pass | BUSINESS INSIDER
- いつか TED でプレゼンする日のために - 押さえておくべき3つのポイント|BUSINESS INSIDER
では TED の運営側は、どんな基準でプレゼンの中身を判断しているのでしょうか?
判断ポイント (三つ)
記事によれば、 TED が見ているプレゼンのポイント、合格の基準は三つです。
TED プレゼンの善し悪しポイント
- 新たな世界の見方を提供しているか
- 与えられた問題について、より賢い解決策を提示しているか
- インスピレーションを与えているか
TES the 3-pronged test
- The talk should give people a fresh way of seeing the world
- The talk should give people a smarter solution to a given problem
- The talk should be inspiring
この三つのポイントは TED だけではなく、ビジネスへの示唆があります。
ここからは三つそれぞれについて、ビジネスパーソンが何が学べるかを見ていきましょう。
[ポイント 1] 新しい世界の見方を提供
一つ目のポイントは 「何か新しい見方を提供しているか」 です。
自分なりのものの見方、着眼点・切り口・解釈・持論を示せるかです。本質的なイシューをつくれるかが問われます。現実の直視、本質の抽出、そして問題の設定です。
本質まで掘り下げるためには、表面的な起こった事象だけで終わらせません。背後にある構造的な要因 (メカニズム) 、そしてさらに奥にある本質まで掘り下げます。
本質理解までのレイヤー
- 表面的な事象
- 背後にある構造的な要因
- 奥にある本質
[ポイント 2] 問題へのスマートな解決策を提示
二つ目のポイントは、一つ目で設定した問題への解決策の提示です。
ここも自分なりの解決策までどれだけ掘り下げているかです。
問題提起だけではなく、当事者意識を持ち解決策へのオーナーシップを持っていることが問われます。野党ではなく与党での姿勢です。
問題設定と解決策が机上の空論ではなく、実行可能かどうか、そして、次の三つ目のポイントであるインスピレーションを与えるかです。
[ポイント 3] インスピレーションを与える
示した切り口や着眼点、解決アプローチに見ている側・聞いている側が、はっとさせられるかです。
オーディエンスがその場限りで面白かったでは足りないのです。問題設定と解決策に自分も参加したい、何かやってみたいと一人ひとりの行動につなげます。
また、プレゼン内の問題と解決策だけではなく、そこから聞いている側自身のビジネスにこんな転用ができると着想を広げられるかです。
成果物の流通を設計する
ここまで、TED プレゼンの審査合格ポイントを三つ見てきました。
TED プレゼンの善し悪しポイント
- 新たな世界の見方を提供しているか
- 与えられた問題について、より賢い解決策を提示しているか
- インスピレーションを与えているか
いかがだったでしょうか?
より一般化して捉えると、ビジネスへの示唆は 「自分の成果物がどう流通していくかの設計」 です。
成果物の流通設計
- 受け取った人・見た人はどう思うか
- その人はどう使うか (利用シーン)
- 使われた相手は何を思うか・使うか (先の先まで想像)
まずは成果物に対して自分が何を思うかです。次に受け取った相手はどうか、さらに相手の先 (先の先) までをイメージできるかです。
順番は、一人称 (自分) 、二人称 (相手) 、三人称 (先の先) と広げていきます。
この話から着想を広げると、商売の基本フローにつながります。
商売の基本フロー
商売の基本フローとは、「つくる → 売る → 使う (使われる) 」 です。
企業レベルで言えば 「つくる」 とは商品やサービスですが、個人においても当てはまります。成果物をつくることです。そのあとに提供する、そして相手がどう使うかです。
成果物をつくって終わりではありません。誰に提供するのか、その人はどう使うかまで常に想像しておくきます。
この商売の基本フローの 「つくる・売る・使う (使われる) 」 は汎用的なので、覚えておいて損はないフレームです。
まとめ
今回は、 TED プレゼンの審査合格ポイントを取り上げました。
そこから私たちビジネスパーソンへの学びを掘り下げました。いかがだったでしょうか?
最後に今回の記事のまとめです。
TED プレゼンの善し悪しポイント
- 新たな世界の見方を提供しているか [問題設定]
- 与えられた問題について、より賢い解決策を提示しているか [解決策]
- インスピレーションを与えているか
ビジネスへの示唆は 「自分の成果物がどう流通していくかの設計」
- 受け取った人・見た人はどう思うか
- その人はどう使うか (利用シーン)
- 使われた相手は何を思うか・使うか (先の先まで想像)
商売の基本フロー
「つくる → 売る → 使う (使われる) 」 。成果物をつくって終わりではない。誰に提供するのか、その人はどう使うかまで常に想像しておく。