
今回は、現状把握についてです。
現状分析の重要性を、戦略をつくることを例に掘り下げていきます。
この記事でわかること
- 現状把握の重要性
- なぜ大切なのか
- 現状理解に終わりはない
ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考になれば嬉しいです。
現状把握から始める
私が仕事で戦略をつくる、例えば、事業戦略やマーケティング戦略、プロダクト戦略、営業戦略で共通してまずやることは、現状把握です。
現状把握から現実を直視し、時には厳しい状況にも向き合うようにします。
本質を見極める
現状分析のポイントは、表面的な事象理解で終わらせないようにします。
どんなものにも大きく分けると、三つのレイヤーで構成されていると考えます。
三つのレイヤー
- 表面的な事象
- 背後にある構造的な要因 (メカニズム)
- さらに奥にある本質
現状把握では事象の理解だけではなく、構造化と、その奥にある本質を見極められるかです。
では改めて、なぜ現状把握が重要なのでしょうか?
現状把握とは前提の理解
物事には必ず前提があります。
前提が変われば、前提という土台に乗っている方針や行動も変わります。
事業戦略に当てはめると、前提とは 「目的」 と 「戦う領域」 です。戦う領域とは、市場に当たります。
事業戦略をつくる時には、三つの観点から環境分析をして前提を把握します。
環境分析
- 顧客
- 競合
- 社内状況
この三つは、3C のフレームです (Customer, Competitor, Company) 。
現状把握から戦略へ
前提となる現状把握が解像度高くできていて、奥にある本質を掴めているほど、戦略と実行プランに落とし込むことができます。
裏を返せば、戦略が煮詰まっている時は、前提である現状把握がまだ甘いということです。
現状分析が深く掘り下げられていると、以下のような筋の良い戦略に繋がっていきます。
筋の良い戦略
- 目的と戦略が一致している
- やらないことが明確
- シンプル
- ストーリーの具体性と一貫性
- ワクワクする、実現できると思える
現状把握に終わりはない
前提となる現状分析は、一度やって終わりではありません。
なぜなら前提は常に変わり得るからです。前提が変われば、それに合わせて早く対応し適応することが必要です。
戦略での前提とは、目的と環境でした。
目的は変えなくて良いか、市場は変わっていないか。こうした問いは、常に持っておくことが大事です。
明らかな環境変化のもっと前、変化につながりそうな兆候をどれだけ掴んでいるかが、戦略家には問われます。
まとめ
今回は、現状把握の重要性を戦略の観点から掘り下げました。
いかがだったでしょうか?
最後に今回の記事のまとめです。
1.
事業戦略やマーケティング戦略など、どんな戦略をつくる時にも共通するのは現状把握から。現状分析から現実を直視し、時には厳しい状況にも向き合う。
2.
現状把握のポイントは、表面的な事象理解で終わらせない。
- 表面的な事象
- 背後にある構造的な要因 (メカニズム)
- さらに奥にある本質
3.
現状把握とは前提の理解。現状把握から本質を掴めていると、戦略と実行プランに落とし込める。戦略が煮詰まっている時は、前提である現状把握がまだ甘い。
4.
前提は常に変わり得るので、現状把握に終わりはない。目的は変えなくて良いか、市場は変わっていないかの問いは、常に持っておく。変化への兆候をどれだけ掴んでいるかが問われる。