
今回は、顧客目線についてです。
データ分析の目的設定から着想を広げ、どうやって顧客目線になるかを書いています。
この記事でわかること
- データ分析の目的設定
- 顧客目線になる方法
- 視野を広げ、視点を増やそう
記事は二部構成です。
最初に、データ分析の目的設定について取り上げます。そこから、顧客目線になるとは何か、どうすれば顧客目線になれるかの方法をご紹介しています。
ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。
データ分析の目的設定
最初にご紹介したい本があります。データ分析の教科書 です。
この本に書かれていて興味深いと思ったのは、データ分析の目的設定です。
具体的には、目的設定を5つの要素に分解します。
データ分析の目的設定
- 誰に対して
- 目的 (その人は何のためにアクションをするか)
- 何 (アクションは何か)
- 具体的には (そのアクションの具体的内容)
- 最初の第一歩 (アクションの中で最初にやるべきこと)
特に印象に残っているのは、3つ目から5つ目です。
データ分析の受け手のアクションを具体的に想定するだけではなく、最初の第一歩として何をやるかまで解像度を上げています。
この話を一般化すると、顧客目線にどうすればなるかにつががっていきます。
ではここからは、顧客目線について掘り下げていきましょう。ポイントは、相手の利用シーンを描くことです。
顧客の利用シーンを描く
顧客目線になるためには、相手の利用シーンから考えていきます。
データ分析に限らず、自分の成果物や提供物を受け取る相手がどのように利用するかを描くといいです。
利用シーンは、5W1H を使って具体的にイメージをします。
利用シーンの構成要素
- 誰が
- 誰のために
- いつ
- どこで
- 何のために (目的)
- どう使うか
顧客目線になる時に特にポイントになるのは、「誰のために」 です。
顧客の先を想定する
顧客にとっての 「誰のために」 とは、 「顧客の顧客」 に当たります。
顧客にはその先に向き合っている相手がいます。自分たち (自社) から並べると、以下のようになります。
自社 → 顧客 X → 顧客 Y
顧客 X は直接の取引先、顧客 Y が 「顧客の顧客」 です。
自分たちが直接取引をしてるのは、顧客 X だけだったとしても、顧客 X にとっての顧客 Y 、つまり自分たちの先の先までをイメージできるかです。
顧客 Y について、顧客 X と同じ目線で見た時に、顧客目線になれるのです。この構図は、カスタマーサクセスにもつながります。
カスタマーサクセスからの考察
顧客 X にとっての成功とは、顧客 Y に価値を提供することです。
カスタマーサクセスの観点で考えると、自分たちの顧客 X の先にいる顧客 Y がまず成功し、その結果として顧客 X も成功します。そして、その後に自社も成功するという順番です。
カスタマーサクセスでは、まずは顧客の成功を一緒になって導いていく、巡り巡って自分も成功すると考えます。
ここまで、顧客目線とは何かを考えてきました。
では、どうすれば顧客目線になれるのでしょうか?
顧客目線になる方法
ここまでの話を踏まえると、顧客目線になるためには視点を増やし、視野を広げるといいです。
視野には、2つあります。1つは空間的な視野、もう1つは時間的な視野です。
空間的な視野を広げることによって自社ではなく、顧客 X 、さらにその先の顧客 Y (顧客の顧客) まで広げていきます。
時間的な視野とは、時間軸によって自分たちの施策や成果物がどう流通し、使われていくのかを考えていきます。
先ほどのカスタマーサクセスで言うと、後ろから成功を実現させていく時間展開です。まずは顧客 Y が成功する、その次に自分たちの直接の顧客である X 、巡り巡って、自分たちの成功です。
まとめ
今回は、顧客目線について掘り下げてきました。
いかがだったでしょうか?
最後に、今回の記事のまとめです。
1.
顧客目線になるためには、相手の利用シーンから考えていく。自分の成果物や提供物を受け取る相手がどのように利用するか。
2.
利用シーンの構成要素
- 誰が
- 誰のために
- いつ
- どこで
- 何のために (目的)
- どう使うか
3.
顧客の先を想定する。自分たちが直接取引をしてるのは、顧客 X だけだったとしても、顧客 X にとっての顧客 Y (自分たちの顧客の先) までをイメージする。自社 → 顧客 X → 顧客 Y。
顧客 Y について、顧客 X と同じ目線で見た時に、顧客目線になれる。
4.
顧客目線になるためには視点を増やし、視野を広げる。
空間的な視野を広げることによって自社ではなく、顧客 X 、さらにその先の顧客 Y (顧客の顧客) まで。時間的な視野も広げ、まずは顧客 Y が成功する、その次に自分たちの直接の顧客である X 、巡り巡って、自分たちの成功を実現する。
データ分析の教科書 (高橋威知郎)