今回はマーケティングです。
「ターゲット課題」 という捉え方と、課題設定の方法をご紹介します。
✓ この記事でわかること
- ターゲット顧客から 「ターゲット課題」 へ
- ターゲット課題の設定方法
- ブランドマネージャーの業務プロセス
- 顧客課題の評価軸
この記事で書いているのは、マーケティングでの顧客課題の重要性と課題設定の方法です。
ブランドマネージャーをターゲット顧客にするケースで、具体的な顧客課題の見極め方と 「ターゲット課題」 の設定方法を解説しています。
ぜひ最後まで読んでいただき、お仕事での参考になればうれしいです。
ターゲット顧客設定では不十分
マーケティング活動の始まりは、自分たちの顧客を定義するところからです。ターゲット顧客の設定です。
ただし、ターゲット顧客設定だけでは十分ではありません。というのは、ターゲット顧客の 「どの課題」 に対応するかが、ターゲット顧客設定だけでは明確ではないからです。必要なのは 「誰の」 「どの課題」 に対応するかの絞り込みです。
つまり、ターゲット顧客からさらに 「ターゲット課題」 まで落とし込むことが大事なのです。
BtoB の具体例で解説
ではターゲット課題の設定方法を、具体的なケースに当てはめて見ていきましょう。
例えば、マーケティングデータを統合したダッシュボードのサービス提供者だとします。
ターゲットとしている顧客像は消費財メーカーのブランドマネージャーです。ブランドマネージャーは担当ブランドの売上と利益に責任を持っている人です。
ここから 「ターゲット課題」 の設定に入ります。
ブランドマネージャーの業務範囲とプロセス
まずは顧客であるブランドマネージャーが関わる仕事を理解するところからです。
何人ものブランドマネージャーに顧客インタビューをして、ブランドマネージャー (ブラマネ) の業務範囲とプロセスが次のように把握できました。
✓ ブラマネの業務範囲とプロセス
- 年間のブランド売上への目標設定
- 売上から逆算した年間ブランの予算策定 (予算確保)
- 売上目標と予算に基づく今シーズンの戦略立案 (春夏と秋冬シーズンでのマーケティング方針)
- 具体的な施策立案と、関係者へのブリーフ (営業部, 広告宣伝部, 広告代理店, 調査部)
- マーケティング施策実施
- 売上予測と施策後の実売上の評価 (目標未達なら早急なリカバリー)
- 各施策の効果検証
ターゲット課題の設定
以上のブランドマネージャーの仕事と役割範囲において、ブラマネの重点課題を理解します。
課題は大きく2つあります。顧客であるブランドマネージャーが明確に認識していることと、認識はしていなかったが、そうだと気づけば早急に検討・対応が必要なことです。
顧客課題の掘り下げという観点では、後者までいかに踏み込めるかがポイントです。
見えてきた複数の顧客課題の中から、自分たちが対応する 「ターゲット課題」 を見極めます。評価軸は次の3つを私はよく使います。
✓ ターゲット課題の評価軸
- 発生頻度が多い
- 発生時の深刻度が深い
- 自分たちがソリューションを提供できて対応できる課題
以上の3つの軸からブランドマネージャーが持っている課題に濃淡をつけ、自分たちは 「顧客であるブランドマネージャーの」 「どこの問題解決のために」 「何の課題に取り組むか」 を明確にします。
これが、今回の記事でお伝えしたかったターゲット顧客からターゲット課題への落とし込み方です。
まとめ
今回はマーケティングについて、ターゲット顧客だけではなく 「ターゲット課題」 まで落とし込む重要性を解説しました。
最後にまとめです。
ターゲット顧客設定では不十分
- マーケティングでは自分たちの顧客を定義するところから
- ただし、ターゲット顧客設定だけでは十分ではない。ターゲット顧客の 「どの課題」 に対応するかが明確ではないから
- ターゲット顧客からさらに 「ターゲット課題」 まで落とし込むことが大事
ターゲット課題の設定方法
- 顧客が明確に認識している課題と、認識はしていなかったがそうだと気づけば早急に検討・対応が必要な課題の大きく2つがある
- 見えてきた複数の顧客課題に濃淡をつける。自分たちは 「顧客の」 「どこの問題解決のために」 「何の課題に取り組むか」 を明確にする
ターゲット課題の評価軸
- 発生頻度が多い
- 発生時の深刻度が深い
- 自分たちがソリューションを提供できて対応できる課題
ニュースレターのご紹介
マーケティングのニュースレターを配信しています。
気になる商品や新サービスのヒット理由がわかり、マーケティングや戦略を学べるレターです。
マーケティングのことがおもしろいと思え、今日から活かせる学びを毎週お届けします。
レターの文字数はこのブログの 2 ~ 3 倍くらいで、その分だけ深く掘り下げています。ブログの内容をいいなと思っていただいた方には、レターもきっとおもしろく読めると思います (過去のレターもこちらから見られます) 。
こちらから無料の購読登録をしていただくと、マーケティングレターが週1回で届きます。もし違うなと感じたらすぐ解約いただいて OK です。ぜひレターも登録して読んでみてください!