今回は書評です。
ご紹介する本は、リベンジ・ホテル (江上剛) です。
✓ この記事でわかること
- 本書の概要
- おもしろく読めた着眼点2つ
- ① 現場と経営が一体となった事業再生
- ② ホスピタリティのあるマーケティング
単行本で480ページある小説ですが、1/3 くらいから先は一気に読めました。今回は リベンジ・ホテル という本を 「ビジネスに学べること」 というテーマでご紹介します。
この本に書かれていること
ビジネス小説で、倒産寸前のホテルを立て直す物語です。主人公は新卒でホテルに入社した花森心平です。
お客に選ばれ、地域の住民から愛され、ホテルがなくてはならない存在になるために、様々なアイデアと打ち手からホテル事業を再生していくストーリーです。
以下は本書の内容紹介からの引用です。
就職氷河期、大学卒業目前になっても就職が決まらない 「ゆとり世代」 の花森心平 (しんぺい) 。
自信もない、根性もない、もちろん内定もない。そんな心平が入社したのは、支配人も逃げだす破綻寸前の老舗ホテル。売却を持ちかける銀行に 「俺が立て直す!」 と啖呵を切った新入社員に奇跡は起こせるのか。
おもしろく読める着眼点
この本は、次の2つの視点からおもしろく読めました。
✓ おもしろく読めた着眼点
- 事業再生
- マーケティング
では順番にご説明しますね。
事業再生
小説のストーリーの設定は、ホテル経営状態が苦しく、メイン取引先の銀行からは突然の融資返済を求められる状況でした。銀行からはホテル事業をたたみ、売却まで迫られます。
ホテルの従業員はやる気が見られず、事業や経営が不振であることへの危機感もありません。
このような状況で主人公はまわりを巻き込み、ホテルを立て直すために時には無茶な行動をとります。新しく着任したホテル支配人は現場を尊重し、現場メンバーとともに事業再生を図っていきます。
小説のストーリーはホテルですが、内容を抽象化すれば不振事業の再生を現場と経営陣が一体になってどう進めていくかの話で、ここに学びがあります。
事業再生で学べたことを整理すると、次の通りです。
✓ 現場と経営が一体となった事業再生
- 経営と現場で現状と危機意識を共有する
- 皆で目指したいあるべき理想像を描く
- 大切にしたい価値観と行動指針を明確にする
- お客に喜んでもらうためには、地域社会になくてはならない存在になるためには、できることは何かを考える (顧客中心の外向き姿勢)
- オンリーワンになる独自化を実現する
- できない理由ではなくできる理由を見つけ、アイデアをまずはやってみて小さく始める
- 社内の今ある資源 (人・モノ・ノウハウ) だけではなく、地域社会やお客との共創で価値をつくる
マーケティング
この本 リベンジ・ホテル は、マーケティングやブランドの観点からも興味深く読めました。
✓ マーケティングへの学びの着眼点
- お客に自分たちはなぜ選ばれるのか
- 顧客視点に立ったホスピタリティとは
- オンリーワンになる方法 (他がやっていない価値提供)
- 目の前の 「個客」 に喜んでもらう
- 弱者だからこそできる打ち手 (強者と同じことをしない)
まとめ
今回は小説の リベンジ・ホテル を取り上げ、ビジネスに学べることをご紹介しました
最後にまとめです。
本書の概要
- 倒産寸前のホテルを立て直すビジネス小説
- お客に選ばれ地域の住民から愛され、ホテルがなくてはならない存在になるために、様々なアイデアと打ち手からホテル事業を再生していくストーリー
おもしろく読めた着眼点
- 現場と経営が一体となった事業再生。理想を描き顧客中心の外向き姿勢から、地域とお客との共創しホテルを立て直していく
- ホスピタリティのあるマーケティング。自分たちが選ばれ続けるために、顧客視点での打ち手から価値を提供し、目の前の 「個客」 に喜んでもらう
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