お客さんの心をつかむのは難しいと感じたことはないでしょうか?
今回は、「うちれぴ」 という家族のごはんサポートアプリがどのように購買、利用、価値提供を一体化してユーザーの心をつかんでいるのかを見ていきます。
商品やサービスを売って終わりにせず、買って使ってもらい役に立ち、商品が本当に価値を生んでいるかまで見届けることでのお客さん目線から、マーケティングの可能性を広げていきましょう!
家族のごはんサポートアプリ 「うちれぴ」
出典: PR TIMES
ご紹介したいのはサッポロホールディングスが提供する 「うちれぴ」 です。うちれぴは家族のごはんサポートアプリです。
家にある食材をアプリに登録し、今ある食材から作れるレシピや買い足す食材候補を AI が提案してくれます。日々の献立や買い物を考える手間が減るだけではなく、余った食材を使い切ることができ家計も助かるコンシェルジュのようなアプリです。
機能を整理すると、
✓ うちれぴの機能
- スマートレシート連携。買ったものがアプリ内に反映される
- レシピ帳。自動調理家電のホットクックのレシピ情報が見られる
- ごはんトーク機能。家族のコミュニケーション促進
3つ目の 「ごはんトーク機能」 を補足すると、家族のコミュニケーションが弾むための機能です。
うちれぴのレシピで作った料理を食べた後に、家族への感謝や感想をシェアし合うチャット機能です。「おいしかった!」 「今度はあれがたべたい!」 といった食事にまつわる会話がアプリ内で自然と生まれます。
うちれぴで注目したいのは家族とのコミュニケーションを促し、家事負担の軽減と食の楽しさ・喜びを生み出すことを目指していることです。
学べること
では 「うちれぴ」 から学べることを掘り下げていきましょう。
うちれぴのマーケティング視点での本質
結論から先に言うと、うちれぴの特徴は 「購買、調理、価値提供までの一気通貫」 にあります。
マーケティング視点で興味深いのは、うちれぴは商品を買った先の使い方と提供価値まで理解できることです。うちれぴのユーザーが何を買い、食材をどう使うか、どのように役に立ったかまでです。
- 買う: レシート情報から何を買ったか
- 使う: レシピから食材をどう料理したか
- 役に立つ: ごはんトーク機能から家族でどんな価値をもたらしたか
商品はどう役に立っているのか
売り手は商品を売ることを目指しますが、買い手にとって商品を買うことはスタートです。商品を売って終わりというのは売り手目線にとらわれている状態です。
お客さんは商品を買い、必要な時に使い、使うことで役に立つなどの便益を得ています。役立つなどの価値があることがお客さんにとっては大事なわけです。
売ることに主眼を置いている売り手、買った後に使い役に立って初めて価値を実感する買い手。どこを見ているかの着眼点や景色には売り手と買い手の間で少なからずギャップがあります。
ギャップを埋めにいくのは売り手です。売る側が買い手目線になるために 「売って終わりにしていないか」 「買う、使う、役に立つまで理解しようとしているか」 に意識を向けることが必要です。
マーケティングで大事なのはどんな価値を提供することで、結局のところはお客さんの役に立っているか。マーケターとして持っておきたいのは商品が本当に価値を生んでいるかまでを見届ける姿勢です。
まとめ
今回は家族のごはんをサポートするアプリ 「うちれぴ」 を取り上げ、マーケティングに学べることを見てきました。
最後に学びのポイントをまとめておきます。
✓ 商品を買ってもらった先までお客さんを理解する
- 商品を売って終わりというのは売り手目線にとらわれている状態。買い手にとって商品を買うことはスタート
- 見ている景色で売り手と買い手の間で少なからずギャップがある
- 売り手は買い手目線になり、商品を買って使ってもらい、商品が本当に価値を生んでいるかまで見届けよう
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