
今回は、書評です。
結果を出すリーダーはみな非情である という本を取り上げます。
- どんなことが書かれている本?
- 結果を出すリーダーとは?
- リーダーシップを磨く方法
こんな疑問に答える内容でブログを書きました。
この記事でわかること
この記事でわかるのは、
- 結果を出すリーダーはみな非情である に書かれている内容
- 結果を出すリーダーになるためには
- リーダーシップを磨くためにどうすればよいか
ぜひ記事の内容も参考に、この本も読んでみてください。
この本に書かれていること
この本の内容を一言で言えば、リアリズムと合理主義に徹するリーダーシップです。
読者ターゲットは30代のビジネスパーソンで、会社でのポジションは課長や部長クラスです。ミドルリーダーが、これからさらに一皮むけるために、どんな能力や経験を積めばよいかが書かれている本です。
以下は、この本の内容紹介からの引用です。
明治維新も第二次大戦後の復興も、革命の担い手はいつの時代も、企業でいえば課長クラス、ミドルリーダーだ。日本も今の混迷期を脱するには、ミドルリーダーの踏ん張りが欠かせない。
社長も含めて上司はコマとして使い、最大の成果を上げる--。自分がトップのつもりで考え行動するリーダーシップの鍛え方とは?
結果を出し続けるために、常に地道な説得を続ける。論理で判断し、情緒的直感では判断しない。実行力はどのように磨くべきか。
産業再生機構の現場トップとしてカネボウの再建などを手がけた男による、「悪のリーダーシップ論」 。
読んで考えさせられたこと
この本を読んで考えさせられたのは、次のことです。
読んで考えさせられたこと
- 現実直視
- 本質理解
- 決断
- 逃げない
- 論理と感情
以下、それぞれについてご説明します。
[考えさせられたこと 1] 現実直視
リーダーに問われるのは、まずは現実に対して正面から向き合うことです。
特に有事において、現実直視ができるかどうかが大事です。
リーダーがどんなビジョンを描き、何を考え、どんな振る舞いをするかは、いずれもリーダー自身が目の前の現実をどう捉えているかが出発点です。
事実や現場での事象からどんな意味合いを抽出するかの大切さを、この本を読んであらためて考えさせられました。
[考えさせられたこと 2] 本質理解
見定めた現状から、どのような本質を捉えるかです。
問題が起こった時に、目に見える事象の背後にあるメカニズムを紐解き、さらに奥にある本質を見極められるかどうかが、問題解決に大きく影響します。
人や組織の本質は何かも、リーダーには問われる視点です。人の良い面だけではなく、性悪説な一面、あるいは弱さや怠惰の部分にも目を向けることです。
本質というリアルをつかめるかどうかが、合理主義を追求するリーダーシップに求められます。
[考えさせられたこと 3] 決断
リーダーに必要な力の1つは、決断力です。
中でも、リーダーにしかできない意思決定ができるかです。リーダー以外のメンバーにはできない判断を、リーダーが最後は決断することです。
決断とは、選ばない選択肢を捨てることです。何かを決めるにあたって難しさがあるのは、選ぶよりも捨てるほうです。つまり、戦略的な思考と行動が求められるのがリーダーです。
この本で印象的だった表現に、「引き算の思考」 があります。
意味は、決断を 「あれもこれも」 と積み上げる足し算ではなく、「あれかこれか」 でどちらかを捨てることです。戦略とは捨てて、残したほうに集中することです。先に捨てる決断がきます。
[考えさせられたこと 4] 逃げない
決断力以外にも、リーダーに求められる力は意志力や実現力です。
たとえ困難な状況であっても目の前の現実から逃げず、意志を貫けるか、そしてやり遂げられるかどうかです。
自分ごととして捉え、自分の言葉や決断に覚悟と責任を持つのがリーダーです。
[考えさせられたこと 5] 論理と感情
この本で書かれているのは、リアリズムと合理主義に徹するリーダーシップです。
ただし、論理やロジック一辺倒でよいというと、そうではありません。論理と感情、人の合理と非合理の両方に向き合うことが大切です。
むしろ非合理な部分、人の感情、人間関係のドロドロしたところなど、単純に論理だけでは片付かないことに目を向け、リーダーとして何を感じるかです。
人や問題の合理と非合理の狭間で悩み、考え、そして、矛盾することに自分なりの折り合いをつけて、なんとかやりくりをしていくのです。
こうした人や組織の表と裏について、実体験がありマネジメントした経験が、リアリズムに徹することができるリーダーシップにつながります。
まとめ
今回は、結果を出すリーダーはみな非情である という本をご紹介しました。
リーダーの役割、リーダーシップとは何かをあらためて考えされた一冊でした。
最後に今回の記事のまとめです。
- この本の内容を一言で言えば、リアリズムと合理主義に徹するリーダーシップ。
読者ターゲットは30代のビジネスパーソンで、会社でのポジションは課長や部長クラス。ミドルリーダーが、これからさらに一皮むけるために、どんな能力や経験を積めばよいかが書かれている
- 読んで考えさせられたことは、
- 現実直視:現実に正面から向き合い、意味合いを見い出す
- 本質理解:事象の背後にあるメカニズム、さらに奥にあるものごとの本質を捉える
- 決断:リーダーにしかできない意思決定をする。選ばないほうを捨てる ( 「あれもこれも」 ではなく 「あれかこれか」 )
- 逃げない:困難にも現実から逃げず、意志を貫き、遂げる
- 論理と感情:論理一辺倒ではなく、論理と感情、人の合理と非合理の両方に向き合う
結果を出すリーダーはみな非情である (冨山和彦)