
今回は、ブランドについてです。
- ブランドとは何かをわかりやすく教えてほしい
- 強いブランドの条件とは?
- 自分をブランド化する方法
こんな疑問に答える内容でブログを書きました。
この記事でわかること
この記事でわかるのは、マーケティングでのブランドについてです。
- ブランドとは何か
- ブランドをどうつくるか (ブランド設計図)
- 強いブランドの条件
- 自分をブランド化する方法
マーケティングの仕事に直接関わっていない方にとっても、ブランドの考え方はビジネスで幅広く役に立つ知識です。
ぜひ記事を読んでいただき、仕事やキャリアの参考にしてみてください。
ブランドとは
いきなりですが、ブランドと聞いて、どのようなイメージが思い浮かぶでしょうか?
まず始めに、マーケティングにおけるブランドの定義をご説明します。
私の一言での定義は、ブランドとは 「消費者の好ましい感情が伴った商品やサービス」 です。
好ましい感情とは例えば、好き・満足感・共感・誇り・憧れです。こうした感情移入が起こっている商品やサービスがブランドで、感情が強いほど、ブランドとしても強いものになります。
なぜブランド化が大切な理由
では、なぜブランドになることが大事なのでしょうか?
一言で言えば、ブランド化が大切なのは選ばれるためです。
商品やサービスが好き、共感している、持っていて誇りに思うなどの強い感情が伴っていれば、それだけ買ってもらえたり、使われたりします。つまり、選ばれ続ける存在になります。
ビジネスの観点からは、選ばれるということは稼げるということです。
ブランド設計図
ここからは、ブランドをつくっていく方法を解説します。
意図的に消費者からの好ましい感情移入を起こしてもらうために、ブランド設計図をつくります。
ブランド設計図とは、ブランドピラミッドとも呼ばれ、以下の要素に当てはめていきます。
ブランド設計図
- ブランドコア:ブランドが掲げるビジョン、ミッション。大切にする価値観 (バリュー)
- パーソナリティ:人に見立てた時の性格、人物像
- ベネフィット:ブランドの提供価値。機能的ベネフィットと情緒的ベネフィットがある
- エビデンス:ベネフィットを実現している根拠
- メッセージ:ブランドの端的な説明 (コピーなど)
なお、ブランド設計図の詳細については、別の記事で解説しています。興味のある方は、ぜひこちらも読んでみてください。
強いブランドの条件
では、強いブランドになるためには、どのような条件を満たせばよいのでしょうか?
先ほどのブランド設計図に沿ってご説明します。強いブランドの条件は、突き詰めると次の2つです。
強いブランドの条件
- ベネフィットが魅力的
- 具体性と一貫性
[強いブランドの条件 1] ベネフィットが魅力的
ブランド設計図の要素の中で、最も消費者にとって感情移入を起こさせる要素は、ベネフィットです。
ベネフィットとは、ブランドが提供する価値です。中でも本質的な価値は何かです。
魅力的なベネフィットかどうかは、次の視点で見ることができます。
魅力的なベネフィット
- 顧客が求めている
- 競合より際立っている、または競合にはできない
提供価値は相対的なものです。価値かどうかを判断するのは消費者であり、同じ特徴でも判断する人や比較対象 (競合) によって変わります。
[強いブランドの条件 2] 具体性と一貫性
2つ目の条件は、具体性と一貫性です。ブランド設計図の各要素が具体的かどうか、かつそれぞれの要素でつながっていて一貫性があるかです。
具体的であるかの理由は、ブランディング施策がブレないためです。
また、もし一貫性がなければ施策がちぐはぐになり、消費者にとっても混乱を招きます。
個人のブランド化
ブランドの考え方は、個人にも当てはめることができます。
自分という一人の人間をブランド化するという考え方です。具体的にどのような信用を築くのかは、仕事やキャリアに直接影響します。
自分自身のブランド設計図をつくっておけば、仕事を選ぶ時、部署異動や転職などのキャリアの節目において、自分のブランド設計図が判断基準になります。
自分という人間への具体性と一貫性がブランド設計図に落とし込まれていれば、悩んだり迷いが少なくなるのです。
自分をブランド化する方法
ここからは、ブランド設計図を個人に当てはめてみます。
以下は、具体例として、ブランド設計図をつくってみたものです。
ブランドコア
- 全ての人が人生を通して学び続け、お互いに成長しあっている社会 [ビジョン]
- 自分の経験やスキルを公開し、学びと学びの場や機会を提供する [ミッション]
- 常に新しいことに挑戦する、謙虚でいる、ギブファースト [大切にする価値観]
パーソナリティ (見られたい人物像)
- 誠実で真摯に取り組む
- 思考能力や言語化能力が高い
- 小中学校の恩師のような人
ベネフィット
- 自分の能力を伸ばしてもらえる
- 新しい挑戦をしようと自分も思える
- 困った時に気軽に相談でき、もやもやが解決する
エビデンス
- コンサルタントやメンターとして実際に複数の企業や経営者を相手にビジネスをしている
- 専門スキルを活かして独立して個人で稼いでいる
- 大学での非常勤講師、セミナー、ソーシャルメディアでも定期的に自身の学びや経験を発信している
メッセージ
- 理想の未来を実現するために、自分自身も常に学習を続け強みを磨き、社会に還元する
ブランド設計図という判断基準
ブランド設計図は、例えばで考えてみました。以上のような自分自身のブランド設計図があれば、仕事やキャリアでの判断基準になります。
自分がやるべきこと、やらなくてよい、やるべきでないことへの指針になります。
やるべき
- 価値観に沿っている
- ベネフィットやエビデンスを強化できる
やらなくてよい
- 必ずしも自分の強みにつながらない
- 弱みを補強するが、大して強みの強化にならない
やるべきでない
- 価値観に反する
- パーソナリティのイメージと逆 (ブランドとしての信頼低下になってしまうこと)
まとめ
今回は、ブランドについてでした。
ブランドとは何か、ブランド設計図を解説し、後半では応用として自分をブランド化する方法をご説明しました。
自分自身をブランドと見立てた時に、どのようなブランドになるかをブランド設計図をつくってみると、きっと仕事やキャリア形成に役に立つと思います。ぜひやってみてください。
最後に今回の記事のまとめです。
- ブランドとは 「消費者の好ましい感情が伴った商品やサービス」 。好ましい感情とは、好き・満足感・共感・誇り・憧れ。
ブランド化が大切なのは選ばれるため。強い感情が伴っていれば、それだけ買ってもらえたり、使われ、選ばれ続ける存在になる
- ブランド設計書
- ブランドコア (ブランドのビジョン・ミッション・価値観)
- パーソナリティ (人に見立てた性格)
- ベネフィット (機能的・情緒的な価値)
- エビデンス (ベネフィットがなぜ実現できるか)
- メッセージ (ブランドのことを端的に伝える表現)
- 強いブランドの条件は、
- ベネフィットが魅力的 (顧客が求めている、かつ競合が同じようにできない)
- 具体性と一貫性 (ブランド設計図が具体的、各要素で一貫性がある)
- ブランドの考え方は、個人にも当てはめることができる。
自分自身のブランド設計図をつくっておけば、仕事を選ぶ時、部署異動や転職などのキャリアの節目において、自分のブランド設計図が判断基準になる