
今回は、マーケティングとビジネスキャリアについてです。
- マーケティングの知識をつけたい
- 仕事のスキルをどうやって身につければいい?
- マーケティング思考を応用したスキルや市場価値の高め方
こんなニーズや疑問に答える内容でブログを書きました。
この記事でわかること
この記事でわかるのは、大きくは2つです。マーケティング戦略の考え方とビジネスキャリアのつくり方です。
記事の前半で、マーケティング戦略のフレームをご紹介します。後半で、マーケティング思考を応用して仕事でのスキルやキャリアにつながる自分の市場価値をどう高めるかを解説します。
ぜひ最後まで記事を読んでいただき、仕事やキャリアへの参考にしてみてください。
マーケティング戦略のフレーム
まずご紹介したいのは、マーケティング戦略のフレーム 「戦略 BASiCS (ベーシックス) 」 です。
このフレームはマーケティングや戦略を考える時に汎用性があり、私自身もよく使っています。
戦略 BASiCS
- Battlefield (戦場)
- Asset (独自資源)
- Strength (強み)
- Customer (顧客)
- Selling message (メッセージ)
以下、それぞれについて補足です。
Battlefield (戦場)
- 顧客の頭に浮かぶ選択肢。市場は 「自社商品 + 競合」 で構成
- 市場は売り手側が決めるのではない。顧客視点で市場を設定する
Asset (独自資源)
- 強み (以下の Strength) を実現するための源泉
- 自社で保有する技術や人的資産、特許、提携する外部パートナー、企業カルチャーなど
- 強みが簡単に真似されない独自性があること
Strength (強み)
- 強みとは、お客が競合ではなく自分たちを選ぶ理由
- お客にとっては価値でありうれしさ
Customer (顧客)
- 提供する商品やサービスを価値だと思ってくれる顧客
- 顧客から見ても、この商品・サービスを買いたいと思える。顧客と自社で相思相愛になる関係が理想
Selling message (メッセージ)
- 使い方と価値 (強み) を伝えるメッセージ
- どんなに良い商品で高い価値が提供されるしても、顧客が知らなければ意味がない
マーケティング戦略のフレーム、BASiCS とはうまくハマると、次のようにきれいな流れができます。
戦略 BASiCS
- 戦いやすい市場で [戦場 Battlefield]
- 独自資源を活かし (ノウハウや資産) [独自資源 Asset]
- 差別化された商品・サービスを [強み Strength]
- ターゲット顧客に対して [顧客 Customer]
- わかりやすく価値を伝えられる [売り文句 Selling message]
独自資源と強み
戦略 BASiCS のポイントの1つは、独自資源と強みが分けられていることです。
独自資源と強みをあらためて比べると、以下のようになります。
独自資源
- 強みの源泉になっている資源
- ただし、独自資源の段階ではまだ顧客には価値になっていない
- 主語は自分たちが持っている資産
強み
- 顧客がうれしいと感じること。顧客への提供価値。顧客が選ぶ理由
- 独自資源から顧客への価値に転換されたもの
- 主語は顧客。あくまで顧客が価値だと感じるか
独自資源と強みを分けることによって、次のような良さがあります。
独自資源と強みを分ける効用
- プロダクトアウト (独自資源から発想) とマーケットイン (強みから発想) の両方から考えることができる
- 自分たちの資源がどう有効に活用され、価値につながっているかがわかる
- 独自資源が他社から簡単にマネされるかによって、強みが今後も強みであり続けるのかが見えてくる
- 独自資源は一朝一夕では持てない。中長期で戦略的に自分たちは何を獲得すればよいかを考えることができる
ビジネスキャリアへの応用
戦略 BASiCS の考え方は、個人のビジネスキャリアにも応用できます。
ここからは、独自資源と強みという観点で、仕事のスキルやキャリアアップに当てはめてみます。自分の専門領域やスキルをどう高めるか、キャリアをどうつくっていくかのヒントになればと思います。ぜひ参考にしてみてください。
独自資源と強みを個人のキャリアに当てはめると、次のようになります。
独自資源
- 専門スキル、業務経験、思考力 (論理的思考やクリエイティビティなど)
- 人脈資産
- 体力、集中力
強み
- 自分が仕事相手・一緒に働く人に提供する価値
- 相手とは、お客や取引先の関係者だけではなく、上司・同僚・部下など
- 選ばれる理由 (相手が価値だと思えれば、自分を選んでくれる)
- 例えば、マーケティングの能力や業務経験という独自資源によって、マーケティングの考え方を取り入れたプロジェクトを実行し、相手の業績向上に貢献できること
能力や市場価値の高め方
戦略 BASiCS のポイントの1つは、独自資源と強みを分けて考える点にありました。
自分の独自資産と強み (提供価値) を別々に考えることによって、能力や自分の市場価値をどう高めていけばよいかのヒントが見えてきます。
能力や市場価値の 「現状把握」
- 自分が持っている資産は何かを洗い出す
- その独自資源によって、自分はどんな価値を相手に提供しているか
- 自分が選ばれる理由を認識し言語化する
能力や市場価値の 「高め方」
- 今後、より伸ばしたいスキル、新たに広げたい専門領域は何か (獲得したい独自資源)
- 新しい独自資源は、既存の資源とシナジーはあるか
- 独自資源が強化されれば、より魅力的な価値提供につながるか (独自資源が価値と連動するか)
- 既存の相手にとってより魅力な価値か、それとも新しい相手に刺さる価値か
このように、自分のキャリアにおいても、独自資源と提供価値を連動させながら考えていきます。
考える時の主語を、
- 自分 (独自資源からの発想)
- 主語を相手 (価値からの発想)
独自資源は、持っているだけでは、まだ価値になっていないことに注意が必要です。独自資源を活用し、自分からの提供価値になってこそ、意味のあるものになります。
まとめ
今回は、マーケティングとビジネスキャリアについてでした。
最後に今回の記事のまとめです。
- 戦略 BASiCSとは、
- 戦いやすい市場で [戦場 Battlefield]
- 独自資源を活かし (ノウハウや資産) [独自資源 Asset]
- 差別化された商品・サービスを [強み Strength]
- ターゲット顧客に対して [顧客 Customer]
- わかりやすく価値を伝えられる [売り文句 Selling message]
- 戦略 BASiCS の考え方は、個人のビジネスキャリアにも応用できる。自分の独自資産と強み (提供価値) を分けて考えることによって、能力や自分の市場価値をどう高めていけばよいかのヒントになる
- 自分のキャリアを、「独自資源からの発想」 と 「価値からの発想」 とで交互に変えながら全体の整合性をとっていく。
独自資源は、持っているだけでは、まだ価値になっていない。独自資源を活用し自分からの提供価値になってこそ、意味のあるものになる