今回は戦略とマーケティングの話です。
✓ この記事でわかること
- 子どもの虫歯予防サービス 「キシリトールラムネ」 とは?
- 保育園・幼稚園限定のサブスク
- ロッテの 「キシリトールラムネ」 の戦略
- 習慣をつくる仕組み
- 幼児期からの早期ブランド形成
この記事を読んでいただきたいと思うのは、商品やサービスの企画、マーケティングのお仕事をされている方です。
ロッテの保育園・幼稚園向けのビジネスをご紹介するので、自社商品やサービス開発、マーケティングのヒントになればうれしいです。
ロッテの子ども向け虫歯予防サービス
今回ご紹介したいのはロッテの 「キシリトールラムネ」 です。
子どもの虫歯を予防することを目的にした、保育園や幼稚園向けのキシリトール配合ラムネの定期販売サービスです (公式サイトはこちら) 。2021年5月にニュースリリースが出ました。
出典: ロッテ
キシリトールラムネの戦略
キシリトールラムネの取り組みは、戦略の観点から興味深いです。
具体的には2つで、
✓ キシリトールラムネの戦略
- 習慣をつくる仕組み
- 幼児期からの早期ブランド形成
では順番にご説明しますね。
習慣をつくる仕組み
1つ目におもしろいと思ったのは、商品を日常生活の中に組み込み、自然と食べてもらえる習慣化にまでできる仕組みがあることです。
キシリトールラムネは、保育園や幼稚園専用にあえて限定しています。定期便でサブスクとし、ラムネを幼児でも取りやすい専用サーバーを無料で提供しています。ここに習慣をつくる仕組みがあります。
出典: ロッテ
例えばの利用シーンをイメージしてみましょう。
子どもたちが保育園・幼稚園でお昼ご飯やおやつを食べ、食後に歯磨きやうがいをしたら、先生は子どもたちに 「キシリトールラムネを食べていいよ」 とご褒美のようにキシリトールラムネを使えます。アメとムチの文字通りのアメの役割です。
子どもたちにとっては、専用サーバーはガチャガチャみたいでおもちゃで遊ぶように自分でラムネを取り出す楽しさも合わさり、喜んでラムネを食べようとするはずです。無理にキシリトールを取らせるわけではなく、毎日がんばらなくても継続ができ、自然とキシリトールを取れ虫歯予防として習慣化できます。
保育園や幼稚園という集団生活の中に組み込まれ、自社商品を消費してもらい、習慣になる仕組みができていきます。このアプローチは効果的でうまいです。
幼児期からの早期ブランド形成
キシリトールラムネは保育園や幼稚園に向けたサービスで、幼児期からロッテの自社商品を食べてもらえます。
子どもにとっては 「ラムネ」 であって、ロッテの商品を食べている認識はないかもしれません。しかし、例えば専用サーバーには 「キシリトールのロゴと文字」 が入っているので、子どもたち本人は無自覚でも、ロッテ商品のユーザー体験を小さい子どもたちに提供できます。
こうした1つ1つの体験が良い記憶、今回で言えばお友達や先生と一緒に食べたり自分の虫歯予防をしてくれるという楽しい記憶ができます。良い記憶の総体として頭の中に価値イメージができ、ブランドが形成されるわけです。
幼児期からの早期ブランド体験という意味でも、キシリトールラムネのビジネスは興味深いです。
学べること
最後に、キシリトールラムネの取り組みから学べることを整理してみましょう。
✓ 学べること
- 習慣にする仕組み化
- ユーザー体験タイミングの早期化
- ブランド体験設計
この3つから、自社の商品やサービスのアイデアにつなげるために、次のような問いかけをしてみるといいです。
✓ キシリトールラムネからの問いかけ (学べること)
- 自分たちの商品やサービスを習慣のように使ってもらうためには、どのような仕組みや工夫をすればいいか [習慣にする仕組み化]
- 初めて商品・サービスに触れて体験できる機会を、今よりももっと早いタイミングで提供できないか [体験タイミングの早期化]
- その体験は良い記憶になり、商品やサービスの価値イメージとブランド形成につながるか [ブランド体験設計]
まとめ
今回は、ロッテの子どもの虫歯予防サービス 「キシリトールラムネ」 を取り上げました。
最後にまとめです。
ロッテの 「キシリトールラムネ」
- 子どもの虫歯を予防することを目的にした、保育園や幼稚園向けのキシリトール配合ラムネの定期販売サービス
- 定期便でサブスクとし、ラムネを幼児でも取り出せる専用サーバーを無料で提供
[戦略 1] 習慣をつくる仕組み
- 子どもたちは、専用サーバーをガチャガチャのおもちゃで遊ぶようにして自分でラムネを取り出せる楽しさも合わさり、喜んでラムネを食べようとする
- 毎日がんばらなくても自然とキシリトールを取れ虫歯予防ができる。商品が日常生活の中に組み込まれ、自然と食べてもらえる習慣化にまでできる仕組みがある
[戦略 2] 幼児期からの早期ブランド形成
- 幼児期からロッテの自社商品を食べてもらえる
- お友達や先生と一緒に食べたり、自分の虫歯予防をしてくれるという楽しい記憶ができる
- 1つ1つの良い記憶が総体として頭の中に価値イメージができ、ブランドが形成される
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