今回のテーマは、マーケティングのブランドです。
✓ この記事でわかること
- サッポロ生ビール黒ラベル THE BAR とは?
- 黒ラベル THE BAR のブランディング
- ブランドの本質とつくられ方
- ブランド構築で大切なこと
おもしろいと思った 「サッポロ生ビール黒ラベル THE BAR」 を取り上げ、マーケティングのブランドに学べることを解説しています。
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
サッポロ生ビール黒ラベル THE BAR
今回ご紹介したいのは、サッポロが展開する 「生ビール黒ラベル THE BAR」 です。
出典: 三井広報委員会
以下は、日経新聞の記事からの引用です。
東京・銀座の地下街の一角にビールバー 「サッポロ生ビール黒ラベル THE BAR」 がある。提供するのはきめ細かい泡立ちが特徴の 「パーフェクト黒ラベル」 など3種類のみ。しかも 「最もビールがおいしい瞬間はその日の1杯目。」 という店舗コンセプトの下、1人2杯までしかビールは注文はできない。
店に足しげく通う自営業の坂本睦夫さん (65) は 「ビールが大好き。ビールにまつわる興味深い話も聞ける」 と笑顔を見せる。「完璧なビール体験のために1杯を大切に飲んでもらいたい」 (柿沼謙太朗マネージャー) といい、500円を払うと1年間限定で専用の棚に自分だけの専用グラスをキープすることもできる。
平日は銀座周辺で働く人が多く訪れ、土日は買い物や食事の前に立ち寄る人が多いという。サッポロビールは19年にこのバーを開業した。心落ち着く瞬間に楽しむビールの醍醐味を、消費者に体験してもらうのがねらいだ。出張イベントでもパーフェクト黒ラベルを積極的に提供する。
ではここからは、「サッポロ生ビール黒ラベル THE BAR」 について、ブランドの観点から掘り下げていきましょう。
ブランドとは何か
黒ラベル THE BAR のブランドを見ていく前に、ブランドとはそもそも何かです。
ブランドの本質
これは私の一言の定義で、ブランドとは 「顧客からの望ましい感情が伴った商品やサービス」 です。
望ましい感情とは、好き、共感、満足感、誇り、憧れ、応援したい気持ちです。これらの感情が深いほど、その商品・サービスは強いブランドです。
ブランドはシンプルな数式で表現できます。足し算で、「商品 + 感情 = ブランド」 です。
ブランドのつくられ方
では続けて、ブランドがどのようにできるのかも見ていきましょう。
結論から先に言うと、商品やサービスに関する何かしらの体験によってブランドはつくられます。
ユーザー体験から感情が伴い、その感情が好ましいものであれば、商品やサービスの価値へのイメージが 「良い記憶」 として頭の中に残ります。1つ1つの体験と感情移入から価値イメージが形成されブランドになるのです。
シンプルにまとめると、ブランドができるプロセスは 「体験 → 感情移入 → 価値イメージ形成」 です。
黒ラベル THE BAR のブランディング
それでは以上を踏まえて、黒ラベル THE BAR をブランドの観点で見ていきましょう。
来店客に提供している体験は、一杯のビールを飲み心が落ち着くひとときです。ビールをゆっくりと味わう贅沢な時間です。
またビールを飲むだけではなく、マスターからビールにまつわる興味深い話が聞けるなど、黒ラベル THE BAR でしかできない体験ができます。
体験からサッポロ黒ラベルへの好ましい感情 (例: おいしい, ビールの味への満足感, 共感, 自分の居場所を得た充実感, 人とのつながりや帰属意識) が生まれます。感情移入によって黒ラベルやサッポロが他にはない独自化された存在となるわけです。
ブランディングで大切なこと
先ほどの日経の記事によれば、黒ラベル THE BAR の取り組みはサッポロのビール事業に貢献しているとのことです。
記事から引用します。
各社がテレビ CM などに多額の広告宣伝費を投入する中、サッポロビールは消費者との直接の接点を増やす手法で地道にビール本来の価値を訴求してきた。黒ラベルのマーケティング担当の斎藤愛子氏は 「『完璧な生ビール』を知ってもらうという一貫したテーマが販促の底流にある」 と話す。
こうした取り組みの成果が販売にも現れている。黒ラベルの缶商品の売上高は21年に20年比 10% 増と7年連続で前年を上回った。市場縮小に悩むビール業界の中でも好調さが際立つ。
ブランドとは一朝一夕でできるものではありません。ブランディングとは、効率一辺倒とは一線を画すものです。
短期的な施策も重要ですが、ブランド構築は中長期で一貫性を持って取り組むことが大事です。
まとめ
今回は、サッポロ生ビール黒ラベル THE BAR からブランドに学べることを見てきました。
最後にまとめです。
ブランドの本質
- ブランドとは顧客からの望ましい感情が伴った商品やサービス
- 望ましい感情とは好き・共感・満足感・誇り・憧れ・応援したい気持ち
- ブランドができるプロセスは 「体験 → 感情移入 → 価値イメージ形成」 。ブランドは顧客の頭の中にできる
ブランディングで大切なこと
- ブランドは一朝一夕でできるものではない。ブランディングとは、効率一辺倒とは一線を画す
- 短期的な施策も重要だが、ブランド構築は中長期で一貫性を持って取り組むことが大事
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