出典: 梅体験専門店 「蝶矢」 京都店
今回は、梅酒の体験ができるお店の “梅体験専門店 「蝶矢」 京都店” を取り上げます。
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
梅酒体験ができるお店
ご紹介したいのはチョーヤ梅酒のお店で、“梅体験専門店 「蝶矢」 京都店” です。
出典: 梅体験専門店 「蝶矢」 京都店
特徴は、梅やリキュールを選び、自分で梅酒が作れるお店です。
以下は日経新聞の記事からの引用です。
京都市にある 「梅体験専門店『蝶矢』京都店」 。2組の若い男女が梅と金平糖が入った容器にリキュールを注ぐと、液体が梅の実の表面を伝ってきらり輝く。「わあ、きれい」 と感嘆の声が上がった。
同店はチョーヤ梅酒の社内ベンチャー、CHOYA shops (同) が2018年から運営している。和歌山県産の南高梅 (なんこううめ) など全国各地の梅を使った梅酒作りが体験できる。アルコールが苦手な人や未成年には梅シロップづくり体験を提供する。
出典: 朝日新聞
出典: Walkerplus
梅酒のイメージを変える体験
もう少し、どんな梅酒体験ができるかを記事から見てみましょう。
参加者は梅の種類だけでなく、組み合わせる糖類や酒も選ぶことができる。金平糖や氷砂糖、ジンやブランデーなど形や色が異なる素材を用意し、「映える」 見た目にこだわった。組み合わせは梅酒と梅シロップを合わせて125通り。1度に2 ~ 3種類の梅酒を作る顧客も多い。
兵庫県の20代女性は 「友人のインスタグラムで興味を持った」 と参加理由を話す。予約は2 ~ 3分で埋まるほどの人気ぶり。京都店だけでなく、20年に開業した鎌倉店にも行く顧客も多く、参加者の約 15% がリピーターだ。
「お酒になじみが薄い若い世代にも梅酒づくりや日本の梅文化の魅力を伝えたい」 と CHOYA shops の菅健太郎社長は話す。筒状のガラス容器や白を基調とした開放的な店舗デザインなど細部まで美しさを追求した。東京都の20代男性は 「祖父母の家でつくる梅酒の古くさいイメージが変わった。自分でつくると愛着が湧く」 と話す。
これは過去にあった限定商品ですが、オーロラ梅ソーダという期間限定の梅酒で、このような感じで味だけではなく見栄えの良い梅酒を作れる体験ができます。
* * *
ではここからは、梅酒の体験ショップから学べることを掘り下げていきましょう。
学べること
学びは2つあります。
✓ 学べること
- 利用体験のハードルを下げ、新規客を獲得する施策
- 市場を牽引するトッププレイヤーの気概
では順番に見ていきましょう。
利用体験のハードルを下げ、新規客を獲得する施策
一般的に、梅酒はコンビニで缶チューハイで買って自宅で飲んだり、飲食店で注文して飲むことはあっても、自分で梅から梅酒を作る機会はなかなかありません。
原料となる梅とリキュールを選び、自分で手掛ける楽しさは体験してみないとわからないです。しかしきっかけがなければ、その機会は訪れることはありません。
そこでチョーヤ梅酒の体験ショップです。お店での作っている時のバーベキュー的な楽しさ、できあがりの梅酒の見た目の鮮やかさも相まって、直接の口コミやインスタ等で見たり知れば、自分もやってみたいと思えるものです。
このように、それまではなじみのなかった梅酒について興味を持ち、体験をしてもらい、新規客を獲得する狙いがあるわけです。
一過性で終わっていないのも興味深いです。引用した記事には 「参加者の約 15% がリピーター」 とあり、梅酒作りを一度体験して終わっていないのも良いです。
市場を牽引するトッププレイヤーの気概
学べるもう1つのポイントは、先ほどの記事の引用の最後に書かれていたことです。
CHOYA shops の社長が 「お酒になじみが薄い若い世代にも梅酒づくりや日本の梅文化の魅力を伝えたい」 とコメントしていました。ここにチョーヤ梅酒の市場のリーダー企業としての気概を見ます。
自社商品が単に売れればいいというわけではなく、梅酒の市場全体を見据えています (もっと言えば 「梅体験専門店」 という名前のように梅酒の上位である 「梅」 までを捉えています) 。
梅酒市場が小さくなってしまえば、たとえ市場でのリーダー企業でも、いずれは事業を存続できなくなります。市場が活性化していて、競争企業もいる健全な競争環境があってこそのビジネスです。
そのためには、これからの若い人たちに梅酒のことを魅力に思ってもらい、梅酒の飲用者の裾野を広げていく必要があります (少なくとも裾野の維持をしたい) 。チョーヤ梅酒の体験ショップには、市場を牽引していくトッププレーヤーとしての気概と責務があり、ここも学べることです。
まとめ
今回は梅酒作りが体験できる “梅体験専門店 「蝶矢」 京都店” を取り上げ、学べることを2つに絞って見てきました。
最後にまとめです。
利用機会のハードルを下げ新規客の獲得
- 梅酒作りのバーベキュー的な楽しさ、できあがりの梅酒の見た目の鮮やかさを、直接の口コミやインスタで見たり知れば、自分もやってみたいと思える
- なじみのなかった梅酒について興味を持ち、体験をしてもらい、新規客の獲得につなげている
市場を牽引するトッププレイヤーの気概
- 市場が小さくなってしまえば、たとえ市場でのリーダー企業でも、いずれは事業を存続できなくなる
- これからの若い人たちには魅力に思ってもらい、梅酒の飲用者の裾野を広げていくことが必要
- チョーヤ梅酒の体験ショップには、市場を牽引していくトッププレーヤーとしての気概と責務がある
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