出典: カルビー
今回のテーマは 「お客さんへの価値のつくり方」 です。
おもしろいと思ったスナック菓子の 「じゃがりこ」 のパッケージデザインを取り上げ、マーケティングに学べることを見ていきます。
✓ この記事でわかること
- じゃがりこのフタに 「メモ欄」 が登場
- 背景は女子高生の4割がやっていたこと
- 利用シーンからの機会発見と価値提供
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
「じゃがりこ」 の新デザイン
カルビーが 「じゃがりこ」 のニュースリリースを出しています (リリースはこちら) 。
じゃがりこのフタのところに 「メモ欄」 を新しく付けるとのことです。
出典: カルビー
メモ欄を付けた背景についてリリースから見てみましょう。
1995年に発売以降、お子様から大人まで親しんでいただいているロングセラーブランド 「じゃがりこ」 は、女子高生がかばんに入れて持ち歩けるような、箱やカップ入りのお菓子を作ろうと開発された商品です。
昨今、感謝の気持ちやお祝いの気持ちを伝えるために手軽に購入できるお菓子を渡すことが定番化しています。当社が約2万人を対象にアンケート調査を実施したところ、2 ~ 3か月に1回以上、カジュアルギフトを贈る人の割合は 32.6% でした。
贈ったことのあるカテゴリーとしては、「コンビニやスーパーで購入できる菓子・スイーツ・アイス」 が多くの世代で高く、特に女子高生では 57.8% もの人が贈ったことがあると回答しました。さらに、アンケートに回答した女子高生の 44.1% が過去に 「じゃがりこ」 を 「あげたことがある」 と回答し、女子高生が1年以内にあげたお菓子の中で最も多かったのが 「じゃがりこ」 でした。
「じゃがりこ」 を選ぶ理由として、お菓子の容器にメッセージ・イラストを書き込めることや、近くのお店で購入できることが挙げられました。
今回のパッケージデザインのリニューアルはカルビーも力を入れています。「あげりこ」 という名前にして、特設サイトも用意しています (こちら) 。サイトではメモ欄に書くメッセージのおもしろい例がいくつも紹介されています。
女子高生の利用シーンをヒントに
注目したいのは、メモ欄を作る着想がアンケート調査の結果からだったことです。
先ほどのリリース内の該当箇所をもう一度引用すると、
特に女子高生では 57.8% もの人が贈ったことがあると回答しました。さらに、アンケートに回答した女子高生の 44.1% が過去に 「じゃがりこ」 を 「あげたことがある」 と回答し、女子高生が1年以内にあげたお菓子の中で最も多かったのが 「じゃがりこ」 でした。
「じゃがりこ」 を選ぶ理由として、お菓子の容器にメッセージ・イラストを書き込めることや、近くのお店で購入できることが挙げられました。
じゃがりこを自分が食べるだけではなく、相手に贈るという女子高生の利用シーンから着想を得たのです。
学べること
今回の話からの学びを一般化すると「お客さんの利用シーンにビジネス機会を見出し、価値を提供しよう」 です。
商品やサービスの利用シーンには提供者である売り手がまだ気づいていない使われ方があったりします。そこにはお客さんが自然発生的に生み出している価値があります。
じゃがりこの場合はスナック菓子を自分が食べる以外にお互いに贈り合っていて、じゃがりこはカップの形をしているのでメッセージを入れやすいという理由からも贈り物として選ばれていました。
じゃがりこにメモ欄を入れた 「あげりこ」 を新しく出した意味は、メモ欄を新しく用意することで自分たちが意図していなかった利用からの価値を 「意図的な提供価値」 に変えたことにあります。
マーケティングや商品開発への学びとして残しておきたいことです。
まとめ
今回は 「じゃがりこ」 にメモ欄が入るという話から、マーケティングに学べることを見てきました。
最後に学びのポイントをまとめておきます。
✓ 利用シーンからの価値提供
- 商品やサービスの利用シーンには、売り手がまだ気づいていない使われ方、お客さんが自然発生的に生み出している価値があったりする
- お客さんの利用シーンを観察し、想定外の使われ方を見つけた時はチャンス。見出したビジネス機会から価値提供につなげよう
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