今回のテーマはデータの価値化です。
おもしろいと思った企業向けサービスを取り上げ、データをどうやって価値にするかを見ていきます。
✓ この記事でわかること
- 子育ての悩みを分析できる企業向けサービス 「家族ノート」
- データの有効活用に立ちはだかる3つの壁
- 3つの壁を乗り越えた家族ノート
- 学べること
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
家族ノート
ママリという子育て中のママへの情報サイトがあります。
子育ての悩みを可視化
今回ピックアップしたいのは、ママリ内の検索や Q&A データを分析できる家族ノートという企業向けのサービスです。
出典: コネヒト
家族ノートは日常生活の中で行っているママリ利用者の検索や Q&A のデータを分析に使います。一般的なアンケート調査では掘り下げきれないリアルな声や気持ちを知ることができます。
出典: コネヒト
家族ノートを活用すれば、企業は自社商品やサービスが子育てで必要とされている時期や、競合商品の購入理由などの把握につながります。
ここから例えばターゲット顧客の関心推移を分析し、購入検討時期に合わせた広告配信やキャンペーン企画などの販促への参考情報に使えます。
出典: コネヒト
データの価値化
家族ノートの商品開発での意味合いは 「既存のサービス (ママリ) で蓄積してきたデータの有効活用」 です。データという資産を別のところで価値に変えたわけです。
今まではユーザー (子育て中のママ) はママリを使うことで検索や Q&A の機能から、その時その時で役に立っていました (BtoC ビジネス) 。データを体系化してデータベースとして構築し、企業向けの BtoB のビジネスとして新しく横展開されたのが 「家族ノート」 です。日経新聞によれば家族ノートの利用料金は月額30万円からとのことです。
価値化への3つの壁
一般的な話としてデータは保有しているだけでは宝の持ち腐れです。使われずに保管されているだけのデータは保存にコストがかかるので負債とも言えます。
データは活用し価値につなげてこそです。今回ご紹介した家族ノートから学べるのはまさにここです。
家族ノートはデータを価値にするために次の3つの壁を乗り越えました。
✓ データの価値化への3つの壁
- 機会発見の壁
- 価値提供の壁
- 収益化の壁
機会発見の壁
順番に家族ノートに当てはめていくと、1つ目の 「機会発見の壁」 は子育て中の親の本音は企業はなかなか知る機会がないことです。企業の顧客理解に制約がある課題にビジネスチャンスを見出しました。
価値提供の壁
2つ目の 「価値提供の壁」 とは把握した顧客課題を自分たちが保有するデータからどうやって問題解決するかです。
家族ノートの場合はすでに運用していたママリ内のユーザーの検索や Q&A のデータから、企業が子育てで知りたいこと、悩みを分析できるサービスをつくりました。
収益化の壁
3つ目の 「収益化の壁」 は家族ノートは利用料として月額30万円からという価格設定にしています。データから収益を生む仕組みができています。
収集したり保有するデータからどう価値に変えるかについて、家族ノートから学べる 「データの価値化への3つの壁」 は覚えておいて損はないフレームです。
✓ データの価値化への3つの壁
- 機会発見の壁
- 価値提供の壁
- 収益化の壁
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