出典: 日経
今回のテーマは差異化です。
おもしろいと思った賃貸オフィスを取り上げ、マーケティングに学べることを見ていきます。
✓ この記事でわかること
- 長崎スタジアムシティの賃貸オフィス
- 特徴はオフィスからもサッカー観戦ができること
- その差異化は価値を生んでいるか
- 持続的な差異化をつくるために
よかったら最後までぜひ読んでみてください。
長崎スタジアムシティの賃貸オフィス
この話は、日経新聞の記事を読んで知りました。
ジャパネットホールディングス (HD, 長崎県佐世保市) は2024年に開業予定の 「長崎スタジアムシティ」 に、長崎県では最大規模となる賃貸用オフィスビルを建設する。
入居する企業の従業員がスポーツ観戦やランニング、温浴などでリフレッシュしながら生産性向上を目指す新しい働き方を提案する。
長崎スタジアムシティ全体での賃貸オフィスの位置はこちらです (図のやや左上) 。
出典: スポーツ庁
スタジアムに併設される長崎スタジアムシティ (出典: 出店ウォッチ)
オフィスでは具体的に何ができるようになるかと言うと、
住居用マンションにあるような開放型のベランダを採用し、水辺や山を望むオープンエアで打ち合わせや休息ができるよう工夫する。ベランダや窓からはサッカー場を見下ろせるため、仕事場からも観戦できる。
試合がない日にはサッカー場のグラウンドや観客席を入居者に開放する。スタジアムシティ内の飲食店から料理を持ち帰れるほか、休憩時間に競技場のコンコースを使ってランニングやウオーキングなどができる。複合施設内に温浴施設も設置する予定だ。
仕事の休憩時間にはサッカーの試合を見ることできる (出典: 日経)
差異化からの勝ち筋
提供価値
賃貸オフィスは既に多数の会社がやっています。その中に新規で参入してお客さんから選ばれるためには、他にはない独自性が必要です。
ただし、やみくもに差異化をすればいいわけではありません。他と違いをつくり、その違いがお客さんにとって価値になっていることが大事です。
長崎スタジアムシティの賃貸オフィスの提供価値の特徴を整理してみると、
✓ 提供価値
- スタジアムでサッカーの試合をやっている時はオフィスからサッカー観戦ができる
- 普段はサッカー場のコンコースでウォーキングやランニングができる
- 温浴施設が併設されているので、気軽にすぐに行ける
いずれも一般的な賃貸オフィスにはないものです。
仕事中の気分転換になり仕事に集中できます。また同僚とのコミュニケーションにつながるなど、社内が活性化する価値もあります。
差異化の源泉
今回の事例からもう一歩掘り下げたいのは、差異化をつくっている 「源泉」 です。何を持っている、あるいは何をやっているから差異化につながっているかです。
長崎スタジアムシティの場合は、もともとあったサッカースタジアムの隣にあるという立地です。プロサッカー球団とサッカー場という資産が差異化の源泉となり、オフィス入居の企業や従業員への価値につながっているのです。
学べること
最後にまとめとして、持続的な差異化をつくるために、次のことをチェックポイントにしてみるといいです。
✓ 差異化からの勝ち筋の見極め
- 自分たちが強みと思っていることには、他にはない独自性があるか
- 差異化によってお客さんに価値をもたらしているか
- どういうメカニズムで差異化を実現しているか、差異化の源泉は何か
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