
今回は、AARRR モデルについてです。
- 海賊指標 「AARRR」 とは?
- 「AARRR × ○○」 で色々と応用してみると
こんな疑問に答える内容を書きました。
この記事でわかること
この記事でわかるのは、マーケティングやプロダクト開発で使う AARRR についてです。
AARRR とは何か、AARRR を応用して活かすためにどんな使い方があるかをご紹介しています。
ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。
AARRR とは
皆さんは AARRR モデルをご存知でしょうか?
AARRR は英語の5つの頭文字からで、顧客を獲得し収益化までの指標です。
AARRR モデル
- Acquisition (顧客獲得)
- Activation (活動の活性化)
- Retention (継続使用)
- Referral (他者への推奨)
- Revenue (収益化)
AARRR は 「海賊指標」 とも呼ばれます。なぜ海賊なのでしょうか?
それは、AARRR が 「アー」 と読め、海賊の掛け声をイメージさせるからです。
もう少し、AARRR を掘り下げてみます。AARRR モデルには時間的な流れがあります。
AARRR の循環
AARRR の獲得から収益化までの流れを可視化すると、次の図のようになります。

ポイントは循環です。2つあります。
AARRR の循環
- 継続が推奨に寄与し、新しい顧客獲得につながる
- 収益化で得られた資金を、獲得・活性化・継続への次の施策に投下する
ここからは、AARRR をさらに掘り下げてみます。
AARRR × 因果関係
5つの各指標について、因果関係で分けるとマーケティング施策やプロダクトテストの評価に使いやすくなります。
例えば Acquisition (獲得) を施策・アクションと結果に分けて因果関係を見ると、次のようになります。
Acquisition の分解 (因果関係)
- 広告経由、検索対応、SNS 発信 [アクション]
- 流入数、登録者数 [結果]
続けて、Activation, Retention, Referral も因果で分解してみます。
Activationの分解 (因果関係)
- リマインド, イベント, チュートリアル等の施策 [アクション]
- コンテンツ投稿やコメント数などの行動数 [結果]
Retention の分解 (因果関係)
- 長期インセンティブの導入 (中身を変えた A/B テスト) [アクション]
- 施策ごとの継続期間 [結果]
Referral の分解 (因果関係)
- ソーシャルボタンの設置、NPS 調査の実施 (NPS は他者への推奨度) [アクション]
- シェアされた内容の中身、NPS 結果 [結果]
AARRR × 量的/質的
次の分解は、量的か質的かです。
例えば Acquisition (獲得) を量と質で分けると、次のようになります。
Acquisition の分解 (量的/質的)
- DAU, MAU [量的]
- ユーザーのヘビー, ミドル, ライトの分布 [質的]
それでは、AARRR の他の指標はどのように分解できるでしょうか?
Activationの分解 (量的/質的)
- 各種の活動量 [量的]
- 活動の中身 (例: プロダクトの価値をより高めてくれる活動, 他のユーザーから支持されたり共感される活動) [質的]
Retention の分解 (量的/質的)
- 休眠期間も含むユーザーであった期間 [量的]
- 有料会員期間などより価値をもたらしてくれた期間 [質的]
Referral の分解 (量的/質的)
- おすすめやシェアをしてくれた回数 [量的]
- 推奨の中身 (より魅力的なすすめ方をしてくれた) [質的]
KPI 指標で未来を見据える
ここまで AARRR への掛け算を、因果関係と量的/質的で掘り下げて考えてきました。
AARRR の使い方に唯一の正解はありません。
大事なのは、状況と目的に応じて使うことです。KPI はあくまで 「ものさし」 です。ものさしを状況の可視化に使い、さらには意思決定にまで活用できているかです。
前者の可視化は、現状分析のファクトまでです。時間軸で見れば過去と現在です。後者の意思決定は、ファクトから解釈や示唆を得ての未来を見据えています。
AARRR に限らず、KPI を使えばどんな未来が描けるか、未来のための次のアクションは何かを考えてみませんか?
まとめ
今回は、海賊指標 AARRR についてでした。
いかがだったでしょうか?ぜひお仕事で AARRR を使えないか、使うとしたら何を可視化し、どんな意思決定に使えるかを考えてみてください。
最後に今回の記事のまとめです。
1.
AARRR モデルは、顧客を獲得し収益化までの流れ
- Acquisition (顧客獲得)
- Activation (活動の活性化)
- Retention (継続使用)
- Referral (他者への推奨)
- Revenue (収益化)
2.
AARRR モデルの循環

- 継続が推奨に寄与し、新しい顧客獲得につながる
- 収益化で得られた資金を、獲得・活性化・継続への次の施策に投下する
3.
AARRR は状況と目的に応じて使う。KPI という 「ものさし」 を、状況の可視化に使い、さらには意思決定にまで活用できているか。
KPI を活用し、どんな未来が描けるか、未来のための次のアクションは何かを考えてみよう。