
今回は、「経営的負債」 を取り上げます。
- 後から災いをもたらす経営的負債とは?
- 個人に当てはめるとどうなる?
- 経営的負債を防ぐ戦略的思考とは?
こんな疑問に答える内容を書きました。
この記事でわかること
- 経営的負債とは何か
- 個人のレベルで経営的負債を当てはめるとどうなるか
- 経営的負債にならないための戦略的思考
経営的負債の考え方は、経営者だけではなく、個人のレベルで見てもビジネスパーソンに広く通じます。
ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事やキャリアへの参考にしてみてください。
経営的負債とは
まずご紹介したい本があります。
HARD THINGS - 答えがない難問と困難にきみはどう立ち向かうか という本には、経営的負債という考え方が書かれています。
経営的負債とは、その場しのぎの短期的な経営判断により、後々に大きな災いの元になるものです。
この本では、経営的負債の具体例が3つ紹介されています。
経営的負債
- 1つの役職に2人をつける
- 他社からの社員の引き抜き対抗策で不相応な報酬を与える
- 実績管理やフィードバックプロセスがない
これらが、スタートアップ企業での典型的な経営的負債だとします。

引用: 学びデザイン Official Site
経営的負債は、個人にも示唆を与えてくれます。
では、個人のレベルで経営的負債を当てはめると、何があるでしょうか?
個人に当てはめた経営的負債
経営的負債とは、一時的な短期的判断です。その場しのぎの意思決定が、後々に災いとして返ってきます。
私が思う個人に当てはめた経営的負債は、次の3つです。
個人に当てはめた経営的負債
- やる / やらない判断の先送り
- リスクを取らない (安易に楽な方を選ぶ)
- 小さなウソで誤魔化す
以下、それぞれについて順番にご説明します。
[個人の経営的負債 1] やる / やらない判断の先送り
意思決定には、大きく2つがあります。
決定後は後戻りのできないもの、決定後もやり直しができるものです。ちなみに Amazon では、それぞれ 「Ⅰ型」 と 「Ⅱ型」 と呼ばれます。
Ⅰ型は慎重に決め、Ⅱ型は迅速に意思決定をします。
特にⅡ型は、やるかやらないかの判断は、なるべくその場でやっていきます。意思決定が後になると、その分だけ行動に移るのが遅れます。遅れた時間だけ機会損失になるのです。
過ぎた時間は取り戻せません。一時的な判断の先送りが、後の災いにつながりかねません。
[個人の経営的負債 2] リスクを取らない (安易に楽な方を選ぶ)
2つ目の経営的負債は、リスクを取らないことです。
リスクとは不確実性です。リスクの向き合いで大事なのは、むやみに怖れないことです。
何かに新しく挑戦するために、リスクを取ります。リスクは、自らを変化させる、外部環境の変化に適応するために必要なものです。リスクを適切に取れば、失敗と学び、そこからの成長の機会が得られます。
私が大切にしている考え方があり、それは 「今難しいほうを選べば、後から楽になる。今楽なほうを選べば、後から難しくなる」 です。
後から難しくなる状況とは、時には災いとなって返ってきます。
[個人の経営的負債 3] 小さなウソで誤魔化す
3つ目の個人レベルでの経営的負債は、小さなウソでの誤魔化しです。
ちょっとしたウソでその場をやり過ごすことは、やがては大きなウソになっていきます。
最初の1つは些細なウソであったとしても、ウソにウソを重ねていくと、後からは取り返しのつかない状況になりかねません。
ウソはいずれバレます。発覚して自分の信用を失うだけではなく、まわりにも迷惑をかけます。
小さなウソで逃げるという短絡的な判断は、後から災いになります。
経営的負債を防ぐ戦略的思考
ここまで、個人のレベルに当てはめた経営的負債を見てきました。
あらためて経営的負債とは、一時しのぎのための短期的な経営判断です。結果として、後々の大きな災いの原因になります。
では、経営的負債を防ぐためには、どうすればいいのでしょうか?
経営的負債の判断は、短絡的なものです。短絡的を分解すると、見ている時間軸が短く、考えている視点が少ないことです。
経営的負債を持たないためには、これらを逆にするとよいです。時間軸を長く見て、視点を多くするわけです。これは、戦略的にものを考え、行動するということです。

まとめ
今回は、経営的負債について取り上げました。
最後に今回の記事のまとめです。
1.
経営的負債とは、その場しのぎの短期的な経営判断により、後々に大きな災いの元になるもの。
- 1つの役職に2人をつける
- 他社からの社員の引き抜き対抗策で不相応な報酬を与える
- 実績管理やフィードバックプロセスがない
2.
個人に当てはめた経営的負債
- やる / やらない判断の先送り
- リスクを取らない (安易に楽な方を選ぶ)
- 小さなウソで誤魔化す
3.
経営的負債の判断は短絡的なもの。見ている時間軸が短く、考えている視点が少ない。経営的負債を防ぐために、戦略的にものを考え行動する。時間軸を長く見て、視点を多くする。
