
今回は、アドラー心理学と、新しい挑戦についてです。
- アドラー心理学の 「目的論」 とは?
- どんな応用ができる?
- 新しい挑戦への心理的ハードルを下げる方法
こんな疑問に答える内容を書きました。
この記事でわかること
- アドラー心理学の目的論
- 目的論の応用例
- 新しい挑戦への心理的ハードルを下げ方
アドラー心理学は覚えておいて損はない知識です。ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事やキャリアへの参考にしてみてください。
アドラー心理学の 「目的論」
皆さんは、アドラー心理学の目的論をご存知でしょうか?
アドラー心理学の特徴の1つで、アドラー心理学では 「原因論」 ではなく 「目的論」 の立場を取ります。
では、目的論とは何でしょうか?具体例として、飲食店の店員に怒ったというケースで考えてみましょう。
原因論での解釈
- 店員の接客態度が気に入らずに怒った
- 相手が気に入らない → 怒る
目的論での解釈
- 店員に対して、自分のほうが上で店員を従わせたいから怒った
- 怒る → 自分が上だと誇示できる
原因論と目的論、違いのイメージが湧いたでしょうか?
原因論と目的論の違いは、原因論は過去、目的論は未来に目を向けます。アドラー心理学は目的論の考え方です。
皆さんはいかがでしょうか?どちらの捉え方が自然に思うでしょうか?
唯一の正解はなく、どう捉えるか
私が思うに、原因論と目的論でどちらが正しいとか間違っているかよりも、自分がどう捉えるかです。
感情や言動に対して、起こった/起こる要因を過去に見い出すか、未来に目を向けるかです。
アドラー心理学を初めて知った時、目的論の考え方が新鮮でした。人の行動の振る舞いの原因は、常に過去にあると疑うことなく受け入れていた自分に気づきました。
目的論に立てば、未来に目を向けられるのは興味深い考え方です。
それでは、目的論は普段の生活や仕事に何か応用ができるでしょうか?
目的論の応用 (新しい挑戦)
応用例として、新しいチャレンジをする時に当てはめてみます。
皆さんは、「今何か新しい挑戦をしているか」 と聞かれれば、どのように答えるでしょうか?
新しいことを始めたい、挑戦したいと思っているものの、なかなか最初の一歩目の行動に踏み出せない方もいらっしゃるかもしれません。
新しい挑戦への心理的ハードルを下げ行動するために、目的論の考え方が使えます。原因論だけではなく目的論から、行動へのブロッカーになっているものを掘り下げることができます。
では、新しいチャレンジへの心理的ハードルは、どんなものでしょうか?
失敗をしたくない気持ち
一言でまとめると 「失敗をしたくない」 ではないでしょうか。
さらに掘り下げると、次のような心理が行動をブロックしています。
失敗をしたくない心理
- 失敗をすると惨めな気持ちになる
- 自分のことが嫌になる
- 他人に見られる・知られると恥ずかしい
- 取り組んだ時間が無駄に思えてしまう
- 次にチャレンジすることができなくなる (失敗がトラウマになる)
こうした気持ちが先行し行動に踏み出せない、つまり新しく始めたいという思いよりも躊躇の気持ちが強くなり、行動できないわけです。
では、どうすればいいでしょうか?
解釈は自分で選べる
確かに新しい挑戦には失敗は付きものです。むしろ、新しいチャレンジ度合いが大きいほど、失敗は起こります。
どうすればいいかと言うと、失敗への捉え方と解釈を変えればいいわけです。目的論で、失敗が起こった後の心理を変え、失敗が起こることをあらかじめ受け入れると、失敗への不安が行動のブロッカーではなくなります。
それでは、どのように失敗に向き合い解釈を変えればいいのでしょうか?
失敗の捉え方
具体的には、次のような失敗の捉え方です。
失敗への捉え方
- 失敗にこそ学びがあり、自分の成長につながる
- 失敗しても教訓を得て次につなげればいい
- 失敗のプロセスや時間は決して無駄ではない
- 他人がどう思うかは関係ない (大事なのは自分自身がどう思うか)
- 失敗が起こったのは新しいことに挑戦した証拠
いかがでしょうか?
失敗という起こるであろう可能性が変わらなくても、失敗への捉え方は自分で変えることができます。
自分が行動した結果である未来に対して、どう解釈するかは選択できます。選択によって行動を阻害している要因を小さくし、自分で自分行動に導いていくのです。
これが、アドラー心理学の目的論の応用です。
まとめ
今回は、アドラー心理学の 「目的論」 についてでした。
目的論の応用で、新しい挑戦に当てはめました。いかがだったでしょうか?
最後に今回の記事のまとめです。
1.
アドラー心理学では 「原因論」 ではなく 「目的論」 の立場を取る。原因論は過去、目的論は未来に目を向ける。
目的論は、飲食店の店員に怒ったというケースでは、
- 店員に対して自分のほうが上で、店員を従わせたいから怒った
- 怒る → 自分が上だと誇示できる
2.
目的論の応用 (新しい挑戦) 。
新しいチャレンジへの心理的ハードルは 「失敗をしたくない」 。分解すると、
- 失敗をすると惨めな気持ちになる
- 自分のことが嫌になる
- 他人に見られる・知られると恥ずかしい
- 取り組んだ時間が無駄に思えてしまう
- 次にチャレンジすることができなくなる (失敗がトラウマになる)
3.
失敗への捉え方を変える。
- 失敗にこそ学びがあり、自分の成長につながる
- 失敗しても教訓を得て次につなげればいい
- 失敗のプロセスや時間は決して無駄ではない
- 他人がどう思うかは関係ない (大事なのは自分自身がどう思うか)
- 失敗が起こったのは新しいことに挑戦した証拠
4.
新しい挑戦には失敗は付きもの。むしろ新しいチャレンジ度合いが大きいほど失敗は起こる。
失敗という起こるであろう可能性が変わらなくても、失敗への捉え方は自分で変えられる。自分が行動した結果である未来に対して、どう解釈するかは選択できる。