
今回は、ビジネスモデルについての記事です。
- 靴を履いていない島で靴ビジネスは成立する?
- どうやって答えを出す?
- ビジネスモデルを見極める方法
こんな疑問に答える内容を書きました。
この記事でわかること
- 筋の良いビジネスモデルを見抜く方法
- BtoC でも BtoB でも汎用的に当てはまるビジネスモデルの要素
記事でご紹介する視点を持っておけば、ビジネスモデルを理解したり分析するのに役に立ちます。
ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。
島民が靴を履かない島
皆さんは、「靴を売りにある島に行ったら、島民は誰も靴を履いていなかった。これはチャンスと見るか?それとも靴のビジネスはできないか?」 という質問をご存知でしょうか?
誰も靴を履いていないのだから、それだけ靴を売れるビジネスチャンスと捉えるか、それとも靴は必要とされていない環境で市場性はないと見るかです。
この質問には、どのように答えを出せばいいのでしょうか?
靴ビジネスへの答えを出す方法
ビジネスにできるかは、単にポジティブ思考かネガティブ思考になるのではなく、適切に検証していくことが大事です。
具体的には、次の三段階で見ていきます。
靴ビジネス成立の検証視点
- 靴が価値になるか
- 独自の価値提供能力はあるか
- 持続的な収益モデルを築けるか
以下、それぞれについて順番にご説明していきます。
[検証 1] 靴の価値
靴があることによって、誰のどんな 「不」 を解決するかです。
そして、その不は島民にとってどれくらい根深いものかを把握します。潜在的なニーズなのか、それとも顕在したニーズかです。靴は生活で必須になりそうか、それともオシャレをするようなあれば良い程度のニーズかです。
靴の価値は、具体的にどんな利用シーンでもたらされるかも見極めます。
[検証 2] 価値提供能力の独自性
靴によって新たな価値を提供できそうだと判断できれば、次はその価値を自分たちには提供できる能力があるかです。
要素は2つあり、リソースと価値転換プロセスです。
自分たちが持っている何を使って、どのように価値に変えていくかです。そして、他の人にはできない自分たちならではの要素があるかどうかも重要です。差別化要素です。
価値提供能力が、中長期で持ち続けられるかも重要な視点です。
[検証 3] 持続的な収益モデル
3つ目の段階で見極めるのは、収益を生む仕組みをつくれるかです。
そもそも島民に支払い能力があるかの大前提とともに、「誰から」 「何に対して」 「いつのタイミングでどのように」 課金を生む収益モデルにするかです。
1つ目の 「誰から」 は、利用者と課金対象者を同一にするか、一部にするか (フリーミアム) 、分離するか (例えば広告モデル) があります。
2つ目の 「何に対して」 は、靴に課金をするのか、それとも靴以外のものからお金を取り、靴そのものには課金しない方法もあるかもしれません。例えば、島民の家に別の有料サービスを提供し、そこに靴は無料で提供する方法です。
3つ目の 「いつのタイミングでどのように」 は、靴の売り切りモデルか、分割払いにするか、毎月に低額で靴使用料 (サブスクモデル) とするかです。時間軸で見れば、始めに全額か、後払いとするか、それとも使用期間中に均等に課金をするかです。
答えをビジネスモデルで出す
ここまでを整理してみます。
最初にご紹介した問い 「ある島に行ったら、島民は誰も靴を履いていなかった。これはチャンスと見るか?」 への答えは、ビジネスモデルが成立するかの視点で検証していきます。
ビジネスモデルの要素を分解すると、次のようになります。
ビジネスモデルの要素
- ターゲット顧客
- 競合
- 提供価値
- 価値を提供する能力 (リソースとプロセス)
- 収益モデル
ご紹介した三段階の検証は、これらの要素を1つずつ見ていくわけです。
ポイントは、5つの要素での具体性と一貫性です。5つがストーリーとして語れるくらいの解像度と現実味があるかが、筋の良いビジネスモデルになる条件です。
もちろん、ビジネスを始める前は仮説です。小さく早くテストをまわし、ビジネスモデル仮説を検証していきます。
まとめ
今回は、ビジネスモデルについてでした。
最後に今回の記事のまとめです。
1.
質問 「靴を売りにある島に行ったら、島民は誰も靴を履いていなかった。これはチャンスと見るか?それとも靴のビジネスはできないか?」 には、三段階で答えを出す。
- 靴が価値になるか
- 独自の価値提供能力はあるか
- 持続的な収益モデルを築けるか
2.
三段階の検証は、ビジネスモデルが成立するかの視点で見ている。
ビジネスモデルの要素は、
- ターゲット顧客
- 競合
- 提供価値
- 価値を提供する能力 (リソースとプロセス)
- 収益モデル