
今回は、戦略的思考についてです。
- 戦略的思考を鍛える 「What if 思考」 とは?
- 戦略的か短絡的か
- 問題設定と解決シナリオはセットで考え抜こう
こんな疑問に答える内容を書きました。
この記事でわかること
この記事でわかるのは、戦略的思考の鍛え方です。
What if 思考をご紹介し、具体例からどうすれば戦略的になれるかを掘り下げています。
戦略的なものの見方や考え方は、ビジネスで汎用的に使えます。ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事での参考にしてみてください。
What if 思考
皆さんは、What if を考えることは、普段からされているでしょうか?
What if 思考は、「もし ~ なら」 と仮定を積み重ねていきます。色々なシナリオをつくっておき、代替案を用意しておくことにつながります。
戦略が1つしかないという状況は、もしその戦略が成り立たないとすると立ち往生していまいます。戦略家に求められるのは、常に複数の代替案 (プラン B) を持っておくことです。
では、What if 思考はどのように使えばよいでしょうか?ここからは、What if の使い方の具体例を見てみましょう。
What if の具体例
皆さんがお仕事で関係している事業は、どのようなものでしょうか?
What if の例として、「もしその事業がなくなるとしたら、どうなるだろうか」 を考えてみましょう。
この問いを掘り下げるために、さらに次のように質問を分解します。
事業がなくなるシナリオへの問い
- どういう状況になれば事業がなくなるか
(市場、競合、自社のどこが要因か) - どのくらいの時間軸で起こるか
1つ目の問いは、どれだけ視野を広げ、視点を多く持てるかです。考えるフレームで 3C (顧客, 競合, 自社) 、5 force (売り手, 買い手, 既存の競合, 代替, 新規参入) を使うとよいでしょう。
2つ目の問いは時間軸の長さです。短期的な見立てだけではなく、長く時間を取って What if を考えます。
戦略的か短絡的か
そもそもですが、戦略的とは何でしょうか?
戦略的とは、時間軸が長く、かつ多くの視点で見ていることです。
時間軸が長いか、視点が多いかでマトリクスをつくると、次の図のようになります。

戦略的とは、右上です。「時間軸が長い & 視点が多い」 です。
一方の左下は短絡的です。
時間軸と視点のどちらか一方を満たしている場合は、それぞれ 「脆弱的」 か 「近視眼的」 です。
脆弱的とは、視点が少ない場合です。
時間軸は長く考えられているものの、考える視点が少ないので根拠が弱かったり、打ち手のロジックが甘くなります。戦略シナリオが脆弱になり、メインシナリオの代替案であるプラン B を持てません。
もう1つの近視眼的とは、時間軸が短い場合です。
考えている視点は多いものの、目の前のことにしか意識がいっていません。想定シナリオや打ち手が短期的になものばかりになります。
問題と解決をセットで考え抜こう
What if 思考の例に話を戻します。
先ほどの例 「もし事業がなくなるとしたら」 は、問題設定での What if です。
問題に対する解決や対応シナリオも、時間軸と視点を意識するとよいです。時間軸が短ければ近視眼的、視点が少なければ脆弱的です。
問題発見と解決シナリオの両方で、「もし ~ なら」 を考え抜きます。この地道な知的過程が、戦略的思考を鍛えるトレーニングになります。
まとめ
今回は、戦略的思考を鍛える What if 思考についてでした。
いかがだったでしょうか?
普段のお仕事でも、仮説を意識して考えるようにすると、自分の関係する事業や業務への理解が深まります。このプロセスが、皆さんご自身の戦略的思考を鍛えてくれます。
最後に今回の記事のまとめです。
1.
戦略的とは、時間軸が長く、かつ多くの視点で見ている。

2.
What if 思考は、「もし ~ なら」 と仮定を積み重ねていく。色々なシナリオをつくっておき、代替案を用意しておくことにつながる。
3.
What if の例は、「もしその事業がなくなるとしたら、どうなるだろうか」
- もし事業がなくなるとしたら
- どういう状況になれば事業がなくなるか (市場、競合、自社のどこが要因か)
- どのくらいの時間軸で起こるか
4.
問題発見と解決シナリオの両方で、「もし ~ なら」 を考え抜く。地道な問いと答えの知的プロセスが、戦略的思考を鍛えるトレーニングになる。