投稿日 2013/11/30

育児には積極的だった夫。でも妻が家を出た理由




もうすぐ娘が生後3ヵ月なので、考えさせられる記事でした。

育児には積極的なつもりだったが… 妻が家を出た理由:日本経済新聞


妻が家を出るまでの経緯


記事はある夫婦の話です。長男が1才になり保育園に預けたタイミングから妻も職場復帰しました。

共働きをするにあたり、2人で決めた夫の役割分担は、子どもの朝の支度と食事の面倒、保育園へ送る、仕事が早く終わった日は入浴も担当、土日はできるだけ育児に参加することでした。

しかし、現実は夫の平日の帰宅時間は21時や22時になることもたびたびで、平日夜の子どもとの入浴はほとんどできませんでした。

一方で同僚と飲みに行くのは、子どもが生まれる前より減らしたとは言え週1ペースでした。休日は月2回のフットサルに参加します。夫は 「育児は十分手伝っているし、仕事のストレスも解消したい。これぐらいのペースの息抜きならば許されるだろう」 と高をくくっていました。

その後どうなったのでしょうか。以下は記事からの引用です。

妻が職場復帰して、半年後の朝。「今日は飲み会で遅くなる」 と伝えた途端、妻が爆発した。「もう無理!このままじゃ今の生活、続けられない!」 。家庭を顧みてくれないことへの不満が、マックスに達したのだ。

しかしその日は、残業続きで疲れていた山崎さんの虫の居所も悪かった。「俺だって疲れているんだ!お前たちのために夜遅くまで働いているんだから、これぐらいいいだろう!?」

「最悪な発言ですよね (苦笑) 。言ってしまってから、『しまった…』と思いました。いくらイラっとしていても、この言い方はまずかった。妻は絶句した後、『もう顔も見たくない』とポツリと。まいったな…と思いながらも、出勤時間が迫っていたので、妻を置いて子どもを保育園に連れて行きました。

そして、その日の夜に家に戻ったら…家は真っ暗、そしてリビングのテーブルに、『出て行きます』との書き置きがあったんです」


なぜ妻の不満が爆発したのか?


最後のシーンで、家庭を顧みてくれないことに妻の不満が爆発しています。なぜそうなってしまったのかの原因を考えてみると、2つあるように思いました。


理由 1: 夫の有言不実行


夫の役割として2人の間で決めていました。子どもの朝の支度と食事の面倒、保育園へ送る、仕事が早く終わった日は入浴も担当、土日はできるだけ育児に参加です。後半の 「仕事が早く終わった日は入浴も担当」 「土日はできるだけ育児に参加」 はあまりできていなかったことが記事から読み取れます。

妻からすると、2人で決めた約束なので当然やってくれるという期待があるのに、現実はできていません。夫がやってくれないので、自分がやることになります。

妻の不満に拍車をかけたのが、夫が役割を果たさない理由の中に、週1の飲み会と月2回の休日フットサルだったことです。妻側が、夫の飲み会やフットサルに相当する家庭外の予定や趣味をどれだけやっていたかは記事には書かれていませんが、妻からすると夫は自分だけ楽しんでいるという不満も溜まっていたはずです。


理由 2: 育児への認識の違い


記事の中で 「育児に参加」 「育児を手伝う」 という表現が出てきます。夫は 「育児には積極的に参加しているつもりでした」 と言っています。

そもそもの話で、育児に参加とか手伝うという表現は、夫の中で 「育児を中心的にするのは妻のほう」 という気持ちがどこかにあったと思います。妻が育児に対してどう認識しているかは記事には書かれていませんが、おそらく参加/手伝うとは思っていないはずです。

妻が持っていた育児への前提として、そもそも参加とか手伝うものではなく、当たり前のこととして自分たちがやるものです。一方の夫は参加するものと捉えています。このボタンの掛け違いが、妻の不満爆発につながったように思います。


問題解決は可能?


どうすれば問題解決になるのでしょうか。結局は2人で話し合うしかないと思いますが、1点目の有言不実行に関しては、現実的にできることとできないことをクリアにすることです。

できない役割を掲げていても妻の不満が溜まるだけなので、役割分担を見直します。夫が飲み会/フットサルへ行くのであれば、妻もそれに相当する息抜きの時間を確保する、などです。

曖昧な役割の見直しも有効です。当初の夫の役割のうち 「仕事が早く終わった日は入浴も担当」 「土日はできるだけ育児に参加」 について、前者は早く終わったら、後者はできるだけ、と曖昧です。これを例えば、平日は3日は夫が入浴を担当、土日のどちらか1日は ◯◯ と △△ を担当する、などのようにわかりやすい役割にします。

2点目の育児への認識の違いは、これを機に夫側が捉え方を変えるか (妻と同じレベルにする) 、認識の違いをお互いが理解し認められるならそれはそれで良いでしょう。

ギャップはあるけど2人でそれを理解し乗り越えられるなら構わないと思います (ただ、この2点目に関しては根が深いように思うので、1つ目に比べると時間がかかるかもしれません。そもそも2人が育児への認識の違いに気づくかもわからないです) 。

日経の記事は続きがあるようなので、2人がどう乗り越えるのかは気になるところです。

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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

ブログ以外にマーケティングレターを毎週1万字で配信しています。音声配信は Podcast, Spotify, Amazon music, stand.fm からどうぞ。

名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。