「粗食のすすめ 新版」が考えさせられる本だったのでご紹介。
本書での主張を簡単に書くと、「FOODは風土から。肉食中心のおかずをたくさんとる欧米型辺中の食生活よりも、日本人の体質に合うのはお米を中心とした食生活である」。
お米を中心にした食事とは、(できれば)玄米や胚芽米などの精製されていないお米とみそ汁を中心に、季節の副菜を1品、あとは漬物です。
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投稿日 2013/06/29
最終更新日
明日で6月が終わるので、2013年もちょうど半分の折り返しです。
今年は自分にとって大きな変化が2つあった年でした。1つは子どもを授かったこと (9月に生まれる予定です)、もう1つは転職です。
10年後に振り返って見ても、2013年は人生の分岐点の1つになった年になるだろうなと思っています。
■ 奥さんの妊娠と転職の共通点
奥さんの妊娠と転職には共通点があります。自分一人ではコントロールできない領域が相対的に大きいということです。
子どもの話では、妊娠しているのは奥さんなので、例えばお腹の赤ちゃんの成長に対して自分ができるのは間接的な貢献になります。性別の役割なのでどうしようもないのですが、妊娠期間中の育児での自分の役割は、あくまで妊婦である奥さんのフォローです。
転職については、新しい環境になり、はじめはわからないことだらけでした。
2ヶ月くらいたった今でもまだまだ見えていないこともあり、自分でコントロールできない領域も前職の時と比べると多いと実感しています。日々試行錯誤で、たくさんのハードルを超え続けている感じです。
制約の中で自分にできることは何か、自分が活かせる場所はどこか (比較優位の視点) 。今まで以上に考えるようになりました。
自分がコントロールできるかどうかで大事なのが、どこまでがコントロールできる or できないかを認識することです。そして、どうすればコントロールできる領域を増やしていけるかです。その一方でできない領域については、できないのを前提に自分ができることに集中することです。
この考え方は、「7つの習慣」にでてくる第1の習慣「主体性を発揮する」です。
生き方として、自分がコントロールできることとできないこととを区別し、自分のコントロールできること (本書では「影響の輪」と表現しています) に集中するという習慣です。主体性を持つとは、人間として自分の人生に対する責任をとること、自分の行動に対する責任です。
「主体性を発揮する」は、7つある習慣の中で一番影響を受けている考え方です。
■ 刺激と反応の間には選択の自由がある
第一の習慣に出てくる話で印象的だったのが、「刺激と反応の間には選択の自由がある」でした。
何かが自分に起こったという刺激に対して、自分の感情反応は1つではない、つまり、刺激 → 選択 → 反応と、刺激と反応の間には「選択の自由」を持っている、という考え方です。
例として、発車間際の電車に乗ろうとして目の前でドアが閉まり乗り損ねたとします。
1つの選択は、「今日はついてないな」とマイナスの反応で考えてしまうことです。乗り遅れた → 運が悪い、という気持ちになるかもしれません。
別の選択は、「次の電車はすぐ来るし、発車間際の電車より空いているかもしれない、待ち時間も有効に使おう、乗り遅れても数分の差で大したことない」と起こったことに前向きに考えてみることです。
電車に乗り遅れたという出来事 (刺激) に対して、自分がどういう気持ちを持つか (反応) には選択肢があるのです。
どうせ選ぶなら意識してポジティブな反応をします。1つ1つは小さなことでも、積み重なると大きいです。自分の身に何が起こるかではなく、それにどう反応するかです。
自分がコントロールできない刺激に対して、自分の反応は選べる (コントロールできる) 、選択の自由があるのです。
■ 人生はスーパーマリオ
今はできないことでも、1つ1つクリアしていく。クリアする度にまた新しいチャレンジが始まる。この話をうまく表現しているのが、ソフトバンク・孫さんの「人生はスーパーマリオ」です。
弟である孫泰蔵氏は、かつて起業したばかりの頃、資金繰りや社内の人間関係に苦しみ人生のどん底にあったと言います。そんな時に兄である孫正義氏から以下の話を聞いたそうです。
自分自身の考え方の1つに、これまでの「今」の積み重ねが今の自分をつくっている、いかに毎日きちんと生活するか、を大切にしたいというものがあります。過去の積み重ねが今で、今を重ねていくことで未来になる、全ての「今」を積み重ねたのが自分の人生であり、常に「今」というこの瞬間をいかに生きるかが大事、という考え方です。
マリオは様々な制約の中で、敵と戦ったり時には逃げながらもピーチ姫救出というゴールに向かっていきます。自分にできることは何か。2013年の後半も、チャレンジし勝負していきたいと思っています。
※ 関連エントリー
リスクテイク→変化→成長という方程式
刺激と反応の間には「選択の自由」がある
人生はスーパーマリオ
インテージを退職しました
転職して1ヶ月を振り返る
父親になるということ
奥さんの妊娠と転職の共通点から考える2013年の後半戦
明日で6月が終わるので、2013年もちょうど半分の折り返しです。
今年は自分にとって大きな変化が2つあった年でした。1つは子どもを授かったこと (9月に生まれる予定です)、もう1つは転職です。
10年後に振り返って見ても、2013年は人生の分岐点の1つになった年になるだろうなと思っています。
■ 奥さんの妊娠と転職の共通点
奥さんの妊娠と転職には共通点があります。自分一人ではコントロールできない領域が相対的に大きいということです。
子どもの話では、妊娠しているのは奥さんなので、例えばお腹の赤ちゃんの成長に対して自分ができるのは間接的な貢献になります。性別の役割なのでどうしようもないのですが、妊娠期間中の育児での自分の役割は、あくまで妊婦である奥さんのフォローです。
転職については、新しい環境になり、はじめはわからないことだらけでした。
2ヶ月くらいたった今でもまだまだ見えていないこともあり、自分でコントロールできない領域も前職の時と比べると多いと実感しています。日々試行錯誤で、たくさんのハードルを超え続けている感じです。
制約の中で自分にできることは何か、自分が活かせる場所はどこか (比較優位の視点) 。今まで以上に考えるようになりました。
自分がコントロールできるかどうかで大事なのが、どこまでがコントロールできる or できないかを認識することです。そして、どうすればコントロールできる領域を増やしていけるかです。その一方でできない領域については、できないのを前提に自分ができることに集中することです。
この考え方は、「7つの習慣」にでてくる第1の習慣「主体性を発揮する」です。
生き方として、自分がコントロールできることとできないこととを区別し、自分のコントロールできること (本書では「影響の輪」と表現しています) に集中するという習慣です。主体性を持つとは、人間として自分の人生に対する責任をとること、自分の行動に対する責任です。
「主体性を発揮する」は、7つある習慣の中で一番影響を受けている考え方です。
■ 刺激と反応の間には選択の自由がある
第一の習慣に出てくる話で印象的だったのが、「刺激と反応の間には選択の自由がある」でした。
何かが自分に起こったという刺激に対して、自分の感情反応は1つではない、つまり、刺激 → 選択 → 反応と、刺激と反応の間には「選択の自由」を持っている、という考え方です。
例として、発車間際の電車に乗ろうとして目の前でドアが閉まり乗り損ねたとします。
1つの選択は、「今日はついてないな」とマイナスの反応で考えてしまうことです。乗り遅れた → 運が悪い、という気持ちになるかもしれません。
別の選択は、「次の電車はすぐ来るし、発車間際の電車より空いているかもしれない、待ち時間も有効に使おう、乗り遅れても数分の差で大したことない」と起こったことに前向きに考えてみることです。
電車に乗り遅れたという出来事 (刺激) に対して、自分がどういう気持ちを持つか (反応) には選択肢があるのです。
どうせ選ぶなら意識してポジティブな反応をします。1つ1つは小さなことでも、積み重なると大きいです。自分の身に何が起こるかではなく、それにどう反応するかです。
自分がコントロールできない刺激に対して、自分の反応は選べる (コントロールできる) 、選択の自由があるのです。
■ 人生はスーパーマリオ
今はできないことでも、1つ1つクリアしていく。クリアする度にまた新しいチャレンジが始まる。この話をうまく表現しているのが、ソフトバンク・孫さんの「人生はスーパーマリオ」です。
弟である孫泰蔵氏は、かつて起業したばかりの頃、資金繰りや社内の人間関係に苦しみ人生のどん底にあったと言います。そんな時に兄である孫正義氏から以下の話を聞いたそうです。
泰蔵、辛いやろ。苦しかろう。ばってん、お前は今いい経験をしよるとぞ。その苦労や経験は必ず実となって今後お前の人生に絶対に役に立つ。
人生はスーパーマリオみたいなものだ。
最初に1面を始めたときを考えてみい。ザコキャラのノコノコにすぐやられるし、雲に乗ることもできん。だんだん習熟してくるとボスキャラのクッパにたどり着けるようになる。だけど、本当にクッパを倒せるまでに何度も死ぬことになる。そこで挫折しそうになるのをこらえて挑戦を続けて、やっとクッパをやっつけてピーチ姫を助けることができる。次の2面はまた一段と難しくなっとる。そこで何度も何度も失敗するけど、努力と訓練でスキルを上げてクリアしてゆく。
いまのお前は1面で苦労している段階や。それでいかにも俺に助けてもらいたそうな顔をしているけど、プライドがあって言い出せんのだろう。最初に言っとくけど、俺は助けてやらん。お前の今の困難はおれも経験したし、助けてやるのは簡単やぞ。だけど、ここで助けてたらお前のためにならん。
『そこの土管から3面にワープできるぞ』と教えるのは簡単やけど、いまのお前の実力では3面にいったら瞬殺やぞ。だから、1面、2面で『必ず経験しておくべき失敗をして』、そのうえでクリアしていって、やっと3面のボスキャラに対抗できる実力が身に付く。ここで俺がお前を助けて3面に行かせてやったら、そこで致命的な失敗をする。だから、ここは逃げちゃいかん。お前の勝負どころやぞ。
書籍「僕たちがスタートアップした理由」より引用
自分自身の考え方の1つに、これまでの「今」の積み重ねが今の自分をつくっている、いかに毎日きちんと生活するか、を大切にしたいというものがあります。過去の積み重ねが今で、今を重ねていくことで未来になる、全ての「今」を積み重ねたのが自分の人生であり、常に「今」というこの瞬間をいかに生きるかが大事、という考え方です。
マリオは様々な制約の中で、敵と戦ったり時には逃げながらもピーチ姫救出というゴールに向かっていきます。自分にできることは何か。2013年の後半も、チャレンジし勝負していきたいと思っています。
※ 関連エントリー
リスクテイク→変化→成長という方程式
刺激と反応の間には「選択の自由」がある
人生はスーパーマリオ
インテージを退職しました
転職して1ヶ月を振り返る
父親になるということ
投稿日 2013/06/23
最終更新日
ビッグデータの正体 - 情報の産業革命が世界のすべてを変える という本をご紹介します。
本書で興味深かったのは、ビッグデータがもたらす3つのパラダイムシフトです。
因果関係よりも相関関係:ビッグデータがもたらす3つのパラダイムシフト
ビッグデータの正体 - 情報の産業革命が世界のすべてを変える という本をご紹介します。
ビクター・マイヤー = ショーンベルガー, ケネス・クキエ (講談社) 2013-05-21
ビッグデータがもたらす3つのパラダイムシフト
本書で興味深かったのは、ビッグデータがもたらす3つのパラダイムシフトです。
- 限りなく全てのデータを扱う。N = 全数
- 量さえあれば精度は重要ではない
- 因果関係ではなく相関関係が重要になる
投稿日 2013/06/23
最終更新日
ウンチと健康について真面目に書いてみる
健康のために食べるものに気を使う方は多いと思います。バランスの良い食事を心がけたり、カロリーや栄養素を考慮した食べ方、などなど。
その一方で、食べた物がどう出てくるかにはあまり注意が向けられていません。ウンチってむしろ目を背けたくなる存在ですよね。関心があるのは出てくる頻度が少なくなる便秘くらいかもしれません。
便は自分の健康状態を知らせる体からの「便り」である。
そう言うのは「大便通 知っているようで知らない大腸・便・腸内細菌」の著者である辯野善巳氏。この本を読むとうんちは自分の食べたもの・腸内の「通信簿」のようなものだと、あらためて考えることができました。
その一方で、食べた物がどう出てくるかにはあまり注意が向けられていません。ウンチってむしろ目を背けたくなる存在ですよね。関心があるのは出てくる頻度が少なくなる便秘くらいかもしれません。
便は自分の健康状態を知らせる体からの「便り」である。
そう言うのは「大便通 知っているようで知らない大腸・便・腸内細菌」の著者である辯野善巳氏。この本を読むとうんちは自分の食べたもの・腸内の「通信簿」のようなものだと、あらためて考えることができました。
投稿日 2013/06/22
最終更新日
投稿日 2013/06/16
最終更新日
眼鏡型コンピュータの次はインターネットコンタクトレンズ
投稿日 2013/06/15
最終更新日
書評「続ける」技術
「続ける」技術という本がおもしろかったのでご紹介。
タイトルの通り、何かの行動を続けるためにはどうすればよいかが書かれています。内容はシンプルで、論理的でわかりやすい内容でした。実際に自分が続けたいこと・習慣にしたいことに使ってみて、応用もしやすいです。
■ターゲット行動とライバル行動
本書では「続けたい行動」をターゲット行動と呼び、2つに分けます。やりたいことなのか、やめたいことなのか。やりたいことの例は、英語の勉強をする、ランニングなどの運動をする、など自分にとってプラスになるであろうこと。後者のやめたいことの例は、ついついTVを見てしまうのをやめる、ダイエットのために甘いものを食べない、禁煙をする、などなど。
タイトルの通り、何かの行動を続けるためにはどうすればよいかが書かれています。内容はシンプルで、論理的でわかりやすい内容でした。実際に自分が続けたいこと・習慣にしたいことに使ってみて、応用もしやすいです。
■ターゲット行動とライバル行動
本書では「続けたい行動」をターゲット行動と呼び、2つに分けます。やりたいことなのか、やめたいことなのか。やりたいことの例は、英語の勉強をする、ランニングなどの運動をする、など自分にとってプラスになるであろうこと。後者のやめたいことの例は、ついついTVを見てしまうのをやめる、ダイエットのために甘いものを食べない、禁煙をする、などなど。
投稿日 2013/06/09
最終更新日
自動車 × インターネットという有望フロンティア
投稿日 2013/06/08
最終更新日
データ分析だけだとまだ五合目くらい
Facebookの広告配信サービスは関心があります。例えば、
■自社データ+外部データの統合
上記3つのうち、特に興味深いのが2つ目のFacebook Custom Audiencesです。広告主側で持っている自社データ(顧客リスト等)と、広告主から見た外部データ(FBデータ)をつなぎ合わせる。自社+外部データの両方を使うことで、よりユーザーのことがわかり広告配信に活用していくというもの。
自社で保有する顧客リスト・購買データ・自社サイト閲覧行動などのデータをマーケティングに活用するのがこれまで主流であったものが、そこに外部データも紐付けていくのが今後の方向性だと思っています。
外部データというのは、例えば自社以外のサイトでの閲覧履歴、リアル店舗での購買情報などです。自社以外でのオンライン情報だけではなく、オフラインでの顧客情報を集約し紐付け、一元管理する。1つに統合したデータベースをマーケティングに活用する。もちろんマーケティングにとどまらず企業のあらゆる活動にも生かせます。
■データ分析の先
自社+外部データを統合してデータを見ていくというのがビッグデータ時代の潮流になると思っています。
データの活用の仕組みをつくるために気をつけたいと思っているのが、手段と目的を混合しないこと。自社+外部データの活用で言うと、データを統合して一元化するというのは手段です。統合されたデータを使って何をするのかという目的が大事。
本来データを使ってマーケなどに活かすというのは、始めに目的があり、そのためにどんなデータが必要なのか、そのデータはどうやって集めてくるか/保存するか、どう使えばよいのか(集計ツールなど)、という順番です。
それがビッグデータと言われるようなユーザーのアクセスログだったり、デバイスの利用ログが自然発生的に大量に集まってくると、データ使用目的を明確にする前に、すでに目の前にはデータが存在することになります。集まったデータの山を見て「何をしようか」と考える。
料理で例えると、膨大な食材が用意されているけど、それを使ってどんな料理/メニューをつくるかを考えるのはこれから、という状況。もっと言うと、大量データの中には使えないデータも多くあったりするので、食材の中には石・砂・葉っぱのような食べられないものも実は混ざっている、という感じ。
これからのビッグデータの時代で求められるのは、あらゆる食材をどう使うかを考えること、考えるだけではなく実際に料理をつくってみる、つくった料理を他のメニューとどう合わせるか、何よりその料理を実際に売れるものにすることです。食材を集めて終わりではなく、どう活用するかが問われる。
データの利用に話を戻すと、データを集計し分析だけで終わるのではなく、むしろ大事なのはその先。分析結果のSo whatは何なのか、それをどう活用するのか、そして、実際に施策として次の行動を起こす。ここまでやって初めてデータを分析する価値があるし、ここが難しくもありデータを扱う醍醐味でもあると思います。
※参考情報
FacebookのAPAC責任者が語るマーケ論~実名IDがもたらす古き良きバー体験 -INTERNET Watch
- Facebook Exchage:ユーザーのサイト閲覧履歴に基づいて広告を掲載するリターゲティング広告
- Facebook Custom Audiences:広告主が事前に用意した顧客リストに基づき、自社のFacebook広告を顧客に配信する。購入頻度に応じて広告を配信したりできる
- Facebook Lookalike Audiences:ターゲットにしたい顧客と似ているユーザーに広告を配信する
■自社データ+外部データの統合
上記3つのうち、特に興味深いのが2つ目のFacebook Custom Audiencesです。広告主側で持っている自社データ(顧客リスト等)と、広告主から見た外部データ(FBデータ)をつなぎ合わせる。自社+外部データの両方を使うことで、よりユーザーのことがわかり広告配信に活用していくというもの。
自社で保有する顧客リスト・購買データ・自社サイト閲覧行動などのデータをマーケティングに活用するのがこれまで主流であったものが、そこに外部データも紐付けていくのが今後の方向性だと思っています。
外部データというのは、例えば自社以外のサイトでの閲覧履歴、リアル店舗での購買情報などです。自社以外でのオンライン情報だけではなく、オフラインでの顧客情報を集約し紐付け、一元管理する。1つに統合したデータベースをマーケティングに活用する。もちろんマーケティングにとどまらず企業のあらゆる活動にも生かせます。
■データ分析の先
自社+外部データを統合してデータを見ていくというのがビッグデータ時代の潮流になると思っています。
データの活用の仕組みをつくるために気をつけたいと思っているのが、手段と目的を混合しないこと。自社+外部データの活用で言うと、データを統合して一元化するというのは手段です。統合されたデータを使って何をするのかという目的が大事。
本来データを使ってマーケなどに活かすというのは、始めに目的があり、そのためにどんなデータが必要なのか、そのデータはどうやって集めてくるか/保存するか、どう使えばよいのか(集計ツールなど)、という順番です。
それがビッグデータと言われるようなユーザーのアクセスログだったり、デバイスの利用ログが自然発生的に大量に集まってくると、データ使用目的を明確にする前に、すでに目の前にはデータが存在することになります。集まったデータの山を見て「何をしようか」と考える。
料理で例えると、膨大な食材が用意されているけど、それを使ってどんな料理/メニューをつくるかを考えるのはこれから、という状況。もっと言うと、大量データの中には使えないデータも多くあったりするので、食材の中には石・砂・葉っぱのような食べられないものも実は混ざっている、という感じ。
これからのビッグデータの時代で求められるのは、あらゆる食材をどう使うかを考えること、考えるだけではなく実際に料理をつくってみる、つくった料理を他のメニューとどう合わせるか、何よりその料理を実際に売れるものにすることです。食材を集めて終わりではなく、どう活用するかが問われる。
データの利用に話を戻すと、データを集計し分析だけで終わるのではなく、むしろ大事なのはその先。分析結果のSo whatは何なのか、それをどう活用するのか、そして、実際に施策として次の行動を起こす。ここまでやって初めてデータを分析する価値があるし、ここが難しくもありデータを扱う醍醐味でもあると思います。
※参考情報
FacebookのAPAC責任者が語るマーケ論~実名IDがもたらす古き良きバー体験 -INTERNET Watch
投稿日 2013/06/02
最終更新日
Web広告の「反応者ターゲティング」というパラダイムシフト
ブラウザでウェブを閲覧をする仕組みは「往復はがき」で考えると理解しやすいと思っています。仕組みとしては、
■Web広告とTVCMの違い
ウェブページの多くには広告が表示されていますが、ウェブ広告が画期的だったのはコンテンツサーバーと広告サーバーが別々になったことでした。往復はがきの例えで言うと、ユーザーははがきを2通用意し、コンテンツ情報が入っているサーバー宛と広告情報が入っているサーバー宛にそれぞれ送っています。
なぜこれが画期的かの理由は、コンテンツは同じ情報なのに広告はユーザーごとに適切なものに変えられるからです。例えばこのブログエントリーを見ているユーザーに表示されるコンテンツ(ブログ記事)は同じですが、広告内容はPCだと上部/スマホは下部に表示される内容はユーザーごとに違うのです。
これができるのは、コンテンツサーバーとアドサーバーが別々で運用されているから。この仕組はアドネットワークサーバーでも第三者配信サーバーでも基本的には変わらないものです。
一方のTVでは、番組とCMの放送配信局は同じなので、同じ番組を見ている視聴者には誰もが同じCMを見ることになります(例:サッカー日本代表の試合で、ハーフタイム中に流れるCMはみんなが同じものを見る)。
もしTVもWebと同じ仕組になれば、番組は同じものを見るけれど、車が趣味のAさんの家のTV1には車のCMが、来年小学生になる子どもを持つBさんの家のTV2にはランドセルのCMが、みたいなことができるようになるわけです。同じ世帯でもリビングのテレビと寝室のテレビでも違うCMを流すこともできます。
Webの世界では、(発展途上であるものの)広告配信のユーザーごとの最適化ができています。Web広告配信の最適化には様々な手法があって、
■反応者ターゲットという考え方
「ビッグデータ時代の新マーケティング思考」という本で強調されていたのは、ターゲティングの考え方が変わる、ということでした。
従来のターゲットの考え方は、年齢や性別のデモグラ・価値観などのサイコグラフィック・行動特性などのユーザー情報からターゲットを「事前に想定する」ことでした。こういうユーザー層がターゲットになりそうと事前にしっかりと絞り込むイメージです。ターゲットを絞り、そこに向けて広告を配信する。
一方で本書で強調されていたのが「反応した人がターゲット」という考え方。ざっくりとターゲットは想定はするものの、広告をまずは配信してみて、それに反応した人たちをターゲットにするという従来とは逆の考え方、パラダイムシフトです。
反応者をターゲットにする考え方で重要になってくるのが、反応者をどう捉えるかになります。
反応者をどうグループ分けをするか。デモグラ、ジオグラ(エリア)、サイコ(心理的属性)、ビヘイビア(行動)、などに加え、ニーズで分けられるかもポイントだと思います。反応者はなぜ反応したのか、その裏にはそれぞれのニーズがあり、ニーズごとにグルーピングができるかどうか。
従来のターゲティングはターゲットを事前に想定することにウェイトを置いていたことに対して、反応者ターゲティングでは実際に反応した人をターゲットとして、その後に反応者をどれだけ分析できるかにウェイトが置かれます。PDCAで言うと、従来型はPに比重が、反応者ターゲットではまずDをやってCとAに比重があるイメージ。
■反応者ターゲットで問われる「データ活用」
反応者ターゲットの考え方はおもしろいものだと思いました。従来のターゲットの考え方は狙うことに集中しているので、撃った後のことはあまり重視されていませんでした。というかそもそも撃った後にどうなったかが知る術がなかったのです。例えばTVCMをやっても、誰が見て、その人たちにどれくらいのCM効果があったのか、つまり事前想定ターゲットが正しかったのかの検証ができなかった。CM出稿と配信後の売上という、最初と最後しかわからなかったのです。
反応者ターゲットでは、広告は誰が反応したのか、AとBの広告のどちらのクリエイティブに反応が良かったのか、反応した人の行動特性までわかります(クッキーが削除されないことという前提がありますが)。そうすると、まずはやってみて、反応者がわかり、その人達に対してどういう対応をして、という感じで次のアクションにどんどん進む、つなげていくことが可能になります。
データ分析の醍醐味は単に分析して終わりではなく、分析結果から次への示唆、ネクストステップにどう活かすかです。反応者ターゲットの考え方では、反応者した人というターゲットの発見から始まり、反応者をどう括るか、グルーピングした各反応者群にどんなアクションを取るのか、など、一歩踏み込んだデータ活用が期待できます。そうしなければ進化はないのではと思っています。
- 往信はがきを送付:PCから、ウェブページのコンテンツ情報があるサーバーに閲覧したいというリクエストを送る
- 返信はがきの住所を確認:サーバーはユーザー情報(IPアドレス/ドメイン/ブラウザ種類等)を確認する
- 返信はがきが届く:ユーザーのブラウザにコンテンツ情報が表示される
■Web広告とTVCMの違い
ウェブページの多くには広告が表示されていますが、ウェブ広告が画期的だったのはコンテンツサーバーと広告サーバーが別々になったことでした。往復はがきの例えで言うと、ユーザーははがきを2通用意し、コンテンツ情報が入っているサーバー宛と広告情報が入っているサーバー宛にそれぞれ送っています。
なぜこれが画期的かの理由は、コンテンツは同じ情報なのに広告はユーザーごとに適切なものに変えられるからです。例えばこのブログエントリーを見ているユーザーに表示されるコンテンツ(ブログ記事)は同じですが、広告内容はPCだと上部/スマホは下部に表示される内容はユーザーごとに違うのです。
これができるのは、コンテンツサーバーとアドサーバーが別々で運用されているから。この仕組はアドネットワークサーバーでも第三者配信サーバーでも基本的には変わらないものです。
一方のTVでは、番組とCMの放送配信局は同じなので、同じ番組を見ている視聴者には誰もが同じCMを見ることになります(例:サッカー日本代表の試合で、ハーフタイム中に流れるCMはみんなが同じものを見る)。
もしTVもWebと同じ仕組になれば、番組は同じものを見るけれど、車が趣味のAさんの家のTV1には車のCMが、来年小学生になる子どもを持つBさんの家のTV2にはランドセルのCMが、みたいなことができるようになるわけです。同じ世帯でもリビングのテレビと寝室のテレビでも違うCMを流すこともできます。
Webの世界では、(発展途上であるものの)広告配信のユーザーごとの最適化ができています。Web広告配信の最適化には様々な手法があって、
- 行動ターゲティング:ユーザーにクッキーファイルを配り(正確には利用ブラウザに配る)、クッキー内に記録されるブラウザ情報・閲覧履歴や検索ワード・ユーザーIDなどを参照し広告を配信する
- リターゲティング:特定のサイトに訪問したユーザーに、別のサイトで関連する広告を出す。例えば、商品サイトを訪れたユーザーに、別のニュースサイトに訪れた時にもその商品の広告を出す
- リターゲティング拡張:↑の応用みたいなもので、リターゲティングの対象となったユーザーと似た人を選び出し、広告を出す。商品サイトに訪れたユーザーとウェブ行動が似ているユーザーは、「(まだ商品サイトには訪問していないけど)恐らく同じような関心を持っているよね」というロジック。商品サイト未訪問者なので見込み新規ユーザーに広告が出せる
- オーディエンスターゲティング:サードパーティクッキーなどの広告主の持つ情報以外の外部データも活用し、より精緻にターゲティングを行い広告を配信する
■反応者ターゲットという考え方
「ビッグデータ時代の新マーケティング思考」という本で強調されていたのは、ターゲティングの考え方が変わる、ということでした。
従来のターゲットの考え方は、年齢や性別のデモグラ・価値観などのサイコグラフィック・行動特性などのユーザー情報からターゲットを「事前に想定する」ことでした。こういうユーザー層がターゲットになりそうと事前にしっかりと絞り込むイメージです。ターゲットを絞り、そこに向けて広告を配信する。
一方で本書で強調されていたのが「反応した人がターゲット」という考え方。ざっくりとターゲットは想定はするものの、広告をまずは配信してみて、それに反応した人たちをターゲットにするという従来とは逆の考え方、パラダイムシフトです。
反応者をターゲットにする考え方で重要になってくるのが、反応者をどう捉えるかになります。
反応者をどうグループ分けをするか。デモグラ、ジオグラ(エリア)、サイコ(心理的属性)、ビヘイビア(行動)、などに加え、ニーズで分けられるかもポイントだと思います。反応者はなぜ反応したのか、その裏にはそれぞれのニーズがあり、ニーズごとにグルーピングができるかどうか。
従来のターゲティングはターゲットを事前に想定することにウェイトを置いていたことに対して、反応者ターゲティングでは実際に反応した人をターゲットとして、その後に反応者をどれだけ分析できるかにウェイトが置かれます。PDCAで言うと、従来型はPに比重が、反応者ターゲットではまずDをやってCとAに比重があるイメージ。
■反応者ターゲットで問われる「データ活用」
反応者ターゲットの考え方はおもしろいものだと思いました。従来のターゲットの考え方は狙うことに集中しているので、撃った後のことはあまり重視されていませんでした。というかそもそも撃った後にどうなったかが知る術がなかったのです。例えばTVCMをやっても、誰が見て、その人たちにどれくらいのCM効果があったのか、つまり事前想定ターゲットが正しかったのかの検証ができなかった。CM出稿と配信後の売上という、最初と最後しかわからなかったのです。
反応者ターゲットでは、広告は誰が反応したのか、AとBの広告のどちらのクリエイティブに反応が良かったのか、反応した人の行動特性までわかります(クッキーが削除されないことという前提がありますが)。そうすると、まずはやってみて、反応者がわかり、その人達に対してどういう対応をして、という感じで次のアクションにどんどん進む、つなげていくことが可能になります。
データ分析の醍醐味は単に分析して終わりではなく、分析結果から次への示唆、ネクストステップにどう活かすかです。反応者ターゲットの考え方では、反応者した人というターゲットの発見から始まり、反応者をどう括るか、グルーピングした各反応者群にどんなアクションを取るのか、など、一歩踏み込んだデータ活用が期待できます。そうしなければ進化はないのではと思っています。
横山 隆治,海老根 智仁,鹿毛 比呂志 ソフトバンククリエイティブ 2012-10-31
投稿日 2013/06/01
最終更新日
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前々回のエントリーでは、転職して1ヶ月後の状況を振り返ってみました。思ったポイントは3つあって、
参考:転職して1ヶ月を振り返る
今回のエントリーでは1つ目の「とにかく自分から行動」について、もう少し考えてみます。
Do を重視する PDCA サイクル。自分の気持ちを信じてさっと行動するために
Free Image on Pixabay
前々回のエントリーでは、転職して1ヶ月後の状況を振り返ってみました。思ったポイントは3つあって、
- とにかく自分から行動
- 比較優位を意識する
- 自分のやりたいことは何か
参考:転職して1ヶ月を振り返る
今回のエントリーでは1つ目の「とにかく自分から行動」について、もう少し考えてみます。
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多田 翼 (運営者)
書いている人 (多田 翼)
Aqxis 代表 (会社 HP はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。
ブログ以外にマーケティングレターを毎週1万字で配信しています。音声配信は Podcast, Spotify, Amazon music, stand.fm からどうぞ。
名古屋出身、学生時代は京都。気分転換は朝のランニング。