2017/10/05

事象・問題・課題を明確に区別しよう


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今回のエントリーは、特にビジネスで、事象・問題・課題を区別する重要性について書いています。


事象・問題・課題


それぞれ次のようになります。

  • 事象:起こった結果。表面的なこと
  • 問題:事象の原因
  • 課題:その問題を本当に解決すべき場合に、やるべきこと

3つを具体例に当てはめてみます。

運営するサイトやアプリの月間での利用頻度が減っているとします。月間利用者 (MAU) は変わっていませんが、一人あたりの利用頻度が直近の数ヶ月で減少傾向にありました。

このケースでは、事象・問題・課題は次のようになります。

  • 事象:MAU は減っていないが、一人あたり利用頻度が減少
  • 問題:利用者をライトとヘビーユーザーに分けると、ヘビーユーザーの利用が顕著に減っていた (優良顧客の利用頻度が減少) 。考えられる原因は、ヘビーユーザーがよく利用していた機能をアップデートしたが、ヘビーユーザーの使い勝手を悪くしたこと
  • 課題:利用頻度が減ってしまった従来のヘビーユーザーに、以前のように使ってもらえるためにはどうすればよいか。単純にその機能を元に戻すのではなく、あらためてユーザー理解をし、ニーズを満たすものを提供する


事象と問題を区別する


今回のエントリーの趣旨は、事象・問題・課題の3つを区別して考えることの大切さです。事象から問題点を見つけ、問題と課題を分けて考えることです。

まずは事象と問題を区別することについてです。

先ほどの例に当てはめると、一人あたり利用頻度が減少しているのは、何かの原因があっての結果にすぎません。表面的な起こった事象だけを見るだけでは、有効な対応をすることはできません。事象ではなく、起こった原因を正しく把握する必要があります。

事象を引き起こす問題は、1つとは限りません。2つ以上ある場合に、どう対応するかです。

問題の優先順位の付け方は、事象へのインパクトの大きさ、対応して結果が出るまでの即効性の2つで考えるとよいでしょう。最も優先度の高い問題は、対応すれば効果が大きく、かつ結果が出るのが早いものです。


問題と課題を区別する


次に、問題と課題を区別することについてです。

本当に解決すべき問題が把握できれば、その問題をどうやって解決すべきかを考えます。問題を解決するためにやることが課題です。

先ほどの例では問題と課題を次のように設定しました。

  • 問題:ヘビーユーザーの利用頻度が減ったのは、よく利用されていた機能の変更 (改悪) と判断
  • 課題:利用頻度が減ってしまった従来のヘビーユーザーに、以前のように使ってもらえる施策を優先する。課題解決の方針は、ユーザーを理解し、まだ捉えていなかったニーズを満たす機能を開発し提供する

問題と課題を区別する理由は、問題だけでは、具体的に自分たちが何をやるべきか、やらないことは何かが明確ではないからです。問題点を見つけただけでは、事象を起こした原因の目処はついたものの、何をやって問題を解決するかまでには至っていません。

解決するためにやるべきことが課題です。問題特定と課題設定はセットであるべきであると同時に、2つは意識して区別するとよいです。

課題をアクションプランに落とし込み、プランに沿って実行します。


戦略の視点で3つを考える


戦略という視点で、事象・問題・課題の3つを見てみます。

戦略を考える際にポイントになるのは、目的・戦略・戦術です。ビジネスには達成すべき目的があります。目的を達成するために何をやるか・やらないかを明確にしたものが戦略です。戦略から具体的にやることに落とし込んだものが戦術です。

目的は why 、戦略は what であり、戦術は how です。3つを並べると、目的 (why) - 戦略 (what) - 戦術 (how) です。

戦略の視点で事象・問題・課題を捉えれば、次のようになります。

  • 事象と問題:目的 (why)
  • 課題:戦略 (what)
  • アクションプラン: 戦術 (how)

事象から問題を設定し、本当に解決すべきかどうかを考えるのが目的に当たります。目的を達成するためにやることとやらないことを明確にすることが戦略です。これが課題です。

事象・問題・課題を区別することは、戦略策定においても有効な視点です。

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多田 翼 (書いた人)


外資系 IT 会社にてマーケティングリサーチ マネージャー (LinkedIn) 。

1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身。学生時代は京都。家族4人で東京23区内に在住、2人の子どもの父親。気分転換は毎朝 8km のランニングとピアノ。

書いている内容は、所属組織や会社の正式見解ではなく個人の見解です。