投稿日 2020/05/21

ビジネスでは 「成果物 ≠ 提供価値」 に注意しよう (マーケティングから説明) 




今回は、マーケティングの話です。

提供価値について掘り下げて考えていきます。


この記事でわかること


  • 提供価値への認識のズレ
  • 本質的な提供価値まで掘り下げる重要性
  • 「自分の成果物」 と 「相手への提供価値」 を分けて考えよう


この記事でわかるのは、お客に価値を提供するときの注意点とポイントです。

記事の前半では、テレビ局とスポンサーを例に、提供価値とは何かを掘り下げています。

後半では、そこからの応用で個人に当てはめ、ビジネスパーソンとして学べることを深掘りしています。

ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事やキャリアへの参考にしてみてください。


テレビ局の提供価値


コンテンツのつくり方 (髙瀬敦也) という本に興味深いことが書かれていました。





民放テレビ局にとっての提供価値とは何かという話です。

以下は、この本からの引用です。

無料メディアが何で儲けるかと言えば 「広告」 です。

となると、無料メディアにとってのお客さんは広告出稿してくれる 「広告主」 と思いがちですが、違います。「広告主」 は番組を買っているわけではありません。広告主が欲しいのは 「消費者」 です。「自社の商品を消費してくれる消費者」 を買うのです。

ですから、無料メディアは 「広告主の商品を買ってくれる消費者」 を集める必要があります。番組 (コンテンツ) は、商品となる 「たくさんの消費者」 を集めてくるための 「道具」 です。

テレビを観ている人のことをよく 「視聴者」 と言いますが、この言葉は無料マスメディアのスキームにおいては間違いです。コンテンツを提供する相手は 「視聴者」 ではなく 「生活者」 であり、理想としては 「生活者」 の中にいる 「消費者」 になってくれるであろう人たちです。

有料メディアのコンテンツは 「ユーザー」 に向けてつくることになります。無料メディアのコンテンツは、広告主が欲しがる 「消費者やマーケット」 に向けてつくることになります。

(引用: コンテンツのつくり方 (髙瀬敦也) )

引用した内容を整理してみましょう。ケイパビリティ (能力) 、提供物、提供価値の3つで当てはめてみます。


民法テレビ局からの価値提供の構造
  • 能力: 番組放送、広告を流す仕組み
  • (スポンサーへの) 提供物: テレビ CM 枠
  • 提供価値: 広告主にとっての顧客 (消費者) になるであろう生活者


ここで重要なのは、能力、提供物、提供価値を分けて考えることです。

この考え方は、個人のレベルにも当てはまります。


ビジネスパーソンへの応用


民法テレビ局からスポンサー (広告主) への価値提供の構造を、個人のレベルに落とし、ビジネスパーソンに一般化して当てはめてみます。

顧客を、自分が働いている会社 (所属している会社) と見立てます。


ビジネスパーソンへの横展開 (価値提供の構造)
  • 能力: 専門スキル (例えばマーケティング)
  • 提供物: マーケティング戦略と実行プラン
  • 提供価値: ブランドの持続的な成長と収益化


ビジネスパーソンにとって自分の顧客を 「働いている会社」 とみなすと、顧客 (= 会社) にとって本当に価値があるのは収益化のところです。

自分の成果物であり提供物のマーケティング戦略や実行プランは、そのための手段にすぎません。相手 (会社) にとってはまだ価値にはなっていないのです。

ここに、提供価値への認識にズレが生じます。

このズレをもう少し掘り下げてみましょう。


提供価値への認識のズレ


提供する側と受ける側には、価値への認識のズレが生じます。

提供者側 (ビジネスパーソン) にとっては、自分が作った成果物を価値だと思ってしまいがちです。しかし、今見たように受け手にとっては、成果物というのはまだ価値にはなっていません。

つまり、「提供物 ≠ 提供価値」 なのです。

ここから言えるのは、何が相手にとって本質的な価値なのかを見極める重要性です。

重要性について、もう少し掘り下げます。


本質的な提供価値まで掘り下げる意味


では、提供価値を表面的な成果物ではなく、本質的なところまで掘り下げる意味は何でしょうか?

提供価値とは、自分が相手から選ばれる理由です。

ここからマーケティングのそもそもの話につながります。というのは、私のマーケティングの一言をの定義が、「マーケティングとは顧客から選ばれる理由をつくる活動全般」 だからです。

選ばれる理由という提供価値をつくっていく、すなわち自分が選ばれ、そして選ばれ続けるというのは、その相手や組織・会社で、自分が生き残り続けられるということです。

これが、自分が提供する本質的な相手の価値は何かを掘り下げて理解しておくことの重要性です。

そのためには、成果物や提供物と、相手への提供価値を分けて考えましょう。

今回の記事でお伝えしたかったメッセージは、「自分の能力」 、「自分の成果物」 、「相手への提供価値」 を分けて考えようです。


まとめ


今回は、提供価値についてでした。

最後に今回の記事のまとめです。


1.
民法テレビ局からの価値提供の構造
  • 能力: 番組放送、広告を流す仕組み
  • (スポンサーへの) 提供物: テレビ CM 枠
  • 提供価値: 広告主にとっての顧客 (消費者) になるであろう生活者


2.
ビジネスパーソンへの当てはめ (価値提供の構造)
  • 能力: 例えばマーケティングの専門スキル
  • 提供物: マーケティング戦略と実行プラン
  • 提供価値: ブランドの持続的な成長と収益化


3.
提供する側と受ける側には、価値への認識のズレが生じる。提供者側は、自分が作った成果物を価値だと思ってしまいがち。しかし受け手にとっては、成果物はまだ価値にはなっていない。


4.
提供価値とは、自分が相手から選ばれる理由。
自分が選ばれ、そして選ばれ続けるために、「自分の能力」 、「自分の成果物」 、「相手への提供価値」 を分けて考えよう。





コンテンツのつくり方 (髙瀬敦也)

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書いている人 (多田 翼)

Aqxis 合同会社の代表 (会社概要はこちら) 。Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立し現職。ベンチャーから一部上場企業の事業戦略やマーケティングのコンサルティングに従事。

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1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身、学生時代は京都。現在は東京23区内に在住。気分転換は毎朝の1時間のランニング。