2014/08/02

お客さま自身が変わったのではなく、アンケートのバイアス

日経に、ライフネット生命保険会長兼CEOである出口治明氏の記事がありました。

スマホ普及で契約数は激減?ネット生保の想定外:日本経済新聞

以下、記事の中から引用です。
6年間経営をやってきて骨身にしみたことは「世の中は何が起こるか分からない。変化に対応するのが経営の神髄」というごく当たり前の事実だった。

開業時に当社のウェブサイトに来てくださったお客さまにアンケートを取ったところ、6割を超えるお客さまが「セールスパーソンと相談しなくても自分で保険は選べる」と答えてくださった。僕は意を強くして、この割合が7割、8割と上がっていくに違いないと信じていた。

ところが、昨秋のアンケートでは、その比率が2割以上低下していたのである。このようなお客さまの変化(保守化)は、何故生じたのだろうか。

「セールスパーソンと相談しなくても自分で保険は選べる」と考える人が、開業当時はライフネット生命HP訪問者の6割で、「僕は意を強くして、この割合が7割、8割と上がっていくに違いないと信じていた」と、もっと多くなるのではという見方だったとのこと。

ところが、現実は逆のトレンドで、開業時に6割だったものが、昨年は4割まで低下したようです。

これ、アンケートそのものにカラクリがあるのではないかと思いました。



6割→4割に低下したのは、アンケート対象者層が当時と今で変わったからではないかなと。

ポイントは、アンケート対象者がライフネット生命サイト訪問者にあります。6年前の開業時と2013年では、訪問者そのものが変わっているはずだからです。具体的には、
  • 開業時:ライフネット生命の知名度も低く、訪問者はネット生保に関心高いアーリーアダプター層が中心。この層は「セールスパーソンと相談しなくても自分で保険は選べる」と考える人が多かった
  • 現在:知名度も上がりマジョリティ層も訪問するように。マジョリティには「セールスパーソンと相談して決めたい」と考える人がアーリーアダプターよりも多かった
のではないかと思います。

関心の高いコアな層を中心にアンケートをした開業当時では6割、それが分母にはコア層以外も含まれるようになった結果が4割。つまりアンケート回答者にバイアス(偏り)があった。これが6年間で「セールスパーソンと相談しなくても自分で保険は選べる」と考える人が6→4割に減った要因だと思います。

これは何を意味するかと言うと、ライフネット生命の知名度が上がり、生保に対して保守的な層も潜在顧客として取り込めるようになってきたこと、彼ら/彼女らには従来とは異なるアプローチで契約を取りに行くやり方が必要ではないかということ。これがアンケートからのインサイトです。

世の中全体を分母にとれば、「セールスパーソンと相談して決めたい」割合は当時も今もそれほど大きな変化はしていないのではという気もします。


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