2016/10/08

書評: ピアノがうまくなるにはワケがある - 努力よりコツ! (角聖子)


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ピアノがうまくなるにはワケがある - 努力よりコツ!という本をご紹介します。



本書の内容紹介は次のように書かれています。

練習してもうまくならない?!

そして「続いている人」「続かなかった人」。せっかく夢を持ってはじめたのに、多くの人が壁にぶつかって辞めてしまう。その原因は、ささいな、しかし重大な「勘違い」にあった。

ピアノの奥の深さを見直すことで、ピアノがうまくなり楽しみが湧いてきる。本書には、演奏の心構えから練習法まで、著者の長年の演奏活動と教師としてのノウハウが、惜しげもなく展開されている。まずは続けること。それからわかる、大人のピアノの楽しみ。

ピアノへの挫折感を持たずに続けていくために必要だと書かれているのは、練習のプロセスを楽しみながら、小さな成果を積み重ねていくことです。

■ 音楽を感じて練習のプロセスを楽しむ

練習のプロセスを楽しむとは、音楽を感じながら、音の響きを意識しながら弾くことです。本書のはじめのほうで強調されているのは、譜面の中にある歌を見つけることでした。ピアノを演奏するという音楽そのものを楽しむことが、ピアノを続けていくためには大切であるという考え方です。

ピアノ演奏の「技術」についても、技術はあくまで音楽を奏でるための手段であることを忘れてはいけません。本書を読んであらためて気付かされました。

著者はピアノを学習する人のほとんどは、手段であるはずの技術の習得が目的化してしまっていると言います。ピアノ演奏の技術を覚えてから音楽を楽しもう、ではなく、音楽を大切にしながら弾くことを始めよう、という意識転換が大切なのです。

とはいえ、ピアノをやり始めたばかりの段階では、弾くのに精一杯で音楽を楽しむ余裕がありません。楽譜から音階を読み取り、まだ鍵盤の位置感覚がつかめておらず、おぼつかない指で演奏する状態だからです。

音楽を楽しむためにヒントになったのは、演奏中に少しでもいいので表情をつけ、音楽を意識しながら弾くとよい、という指摘でした。本書からの引用です。

大人は鍵盤に指を置くことだけに気がいきがちですが、ほんの少しでもいいから表情を考え、音楽を意識する習慣をつけてみましょう。音楽を弾くことを習慣化すれば、指がきちんと辿れてから、表情をつけるという二つの段階を踏むことなく済みます。

まず、弾けてから表情をつけるという段階を踏んでいくと、いざ、表情をつける段になって、最初からやりなおさなければならないような錯覚に陥ります。とても弾きにくく感じてしまうんですね。表情をつけるという新しい奏法が加わったような錯覚を起こすからです。

そうなると、表情付けなどはせず、ただ、機械的に指を動かすほうが楽ということになりますが、これでは、伸び悩んでしまいます。一定の到達点から先にすすめなくなるのは、たいていが音楽を無視した過程を辿っていることによるものです。

■ 小さな成果を積み重ねる

本書で言いたいことを一言で表現すれば、ピアノへの挫折感を持たずに続けていくために、練習のプロセスを楽しみながら、小さな成果を積み重ねていくことです。

小さな成果を積み重ねるためには、一つ一つの着実な成功体験がよいです。

曲の中の1つのパートが弾けるようになる、初級レベルの曲を自分のものにする、などです。発表会や人に聴いてもらう時に、演奏する曲を選ぶのは難易度を基準にするのはやめます。その時の自分のレベルにあった曲で余裕を持って演奏できるもの、音楽をいかに表現できるかで判断できるとよいです。

■ 参考になったピアノの弾き方 / 意識の持ち方

自分がピアノを再開して感じたのは、習っていた小学生当時のピアノ演奏の感覚が失っていたことでした。本書からは、参考になることが多く書かれていました。

  • 脱力が全ての基本。余分な力が入っていると良い演奏はできない。効果的な練習は、あえて弱い音で弾くこと
  • 手首はやわらかくやや高めに構える。演奏で「間」を取る時は、手首を少しだけふわっと持ち上げる感覚で
  • 初めての曲には、まずは弾かずに誌面を眺める習慣を。その後に、片手練習、パート練習と少しずつ。弾けないパートを闇雲に練習するのではなく、なぜ間違うのかの原因追求をする
  • ブラインドタッチのために、演奏での鍵盤の指の位置を目で覚えるのではなく、耳と指で覚える意識を持つとよい。なお、ブラインドタッチとは、手元を絶対に見てはいけない弾き方ではなく、あくまでも視線が指先に釘付けになる状態から自由になること

★  ★  ★

本書からは、ピアノの日々の練習で参考になることが多く学べました。単にテクニック的なことではなく、ピアノを弾く時の考え方や意識の持ち方、心構えです。




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