2016/11/05

言っただけでは伝わらない。相手が自分ごと化できる伝え方と書き方


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メールを送って仕事の依頼を伝えたつもりが、こちらの意図が正しく伝わっていたなかった。仕事をされている方であれば一度は経験があることです。


コミュニケーションの目的とは


書籍 ユニ・チャーム SAPS経営の原点 - 創業者高原慶一朗の経営哲学 に、コミュニケーションの目的は、情報をただ 「伝えること」 ではなく、伝えたいことを 「共有すること」 と書かれています。

情報の送り手がコミュニケートすることは手段にすぎず、真の目的は受け手が夢を共有することなのだということです。

主語は送り手ではなく、あくまでも 「受け手」 です。経営者がいかにそれを受け止めたかが、重要なのです。

そして、次のような説明も併せて紹介されています。

  • Said ≠ Heard (言ったからといって、聞いてもらえたわけではない)
  • Heard ≠ Listened (”聞いて” もらえたからといって、”聴いて” もらえたわけではない)
  • Listened ≠ Understood (聴いてもらえたからといって、理解してもらえたわけではない)
  • Understood ≠ Agreed (理解してもらえたからといって、賛成してもらえたわけではない)
  • Agreed ≠ Convinced (賛成してもらえたからといって、納得し行動しようと思ってもらえたわけではない)


受け手が自分ごと化できる内容か


伝えたいことが受け手に伝わるかは、受け手がいかにその内容が 「自分ごと化」 されるかです。自分ごと化され、その情報が自分にどれだけ関係あると思ってもらえるかです。

受け手が自分ごと化できるかは、中身に自分にとってのベネフィットがあるかどうかです。

ベネフィットには2種類あります。その情報を得ることでトクをするというメリット (ゼロ → プラス) と、それを知らないと損をするというデメリット (マイナス → ゼロ) です。


メールに 「相手が知りたいこと」 が書かれているか


冒頭でメールの例を挙げました。

メールを書く際にもこちらの言いたいことを書くという視点だけでは、受け手が自分ごと化してくれるかは十分ではありません。言いたいことだけではなく、 「相手が知りたいこと」 の2つが満たされている必要があります。

相手が知りたいことを書くには、相手の立場で文章構成をつくれるか、相手のメリットやデメリットを防げるなどのベネフィットが入っているかがポイントです。


「考えるプロセス」 と 「書くプロセス」 を分ける


ロジカルな文章を、どうやって書けばよいかがわかりやすく説明されているのが 入門 - 考える技術・書く技術 という本です。

この本で強調されているのは 「考えるプロセス」 と 「書くプロセス」 を分けて考えることです。

もしあなたの報告書がわかりにくければ、その原因のほとんどは書く前の段階、すなわち、伝えるべき考えを明快に表現するという 「考えるプロセス」 にあるのです。

具体的にどのようなメッセージを伝えようとしているのか。なぜそう言えるのか。そのような考えが明快に表現され構成されていて初めて、わかりやすい説得力のある文章となります。


わかりやすい文章を書くための 「OPQ 分析」


わかりやすい文章を書くために紹介されている考え方が 「OPQ 分析」 です。文章を書き始める前に、次の3つを考えます。

  • Objective: 読み手が目指している望ましい状況
  • Problem: 現状と Objective とのギャップ
  • Question: Problem を解消するための読み手の疑問

自分の書く文章のメインメッセージは、3つ目の読み手の疑問に答える内容になります。

OPG 分析を具体的な例で考えてみます。自分が営業職で、上司である部長に営業提案企画の文章を書くケースです。

  • Objective: 営業部長にとって 「四半期目標として設定された売上目標を達成する」
  • Problem: 期初は順調だったが売上にブレーキがかかり、目標達成が難しい状況に
  • Question: 売上目標を達成するためにはどうすればよいか?

この OPQ 分析から、あなたの企画書の主メッセージは 「売上目標を達成するためには、XX をすべきである」 となります。読み手である部長の Question に対する答えと、その根拠や具体的な実行イメージを書きます。

OPG で文章を書くポイントは、読み手にとっての Objective, Problem, Question と、書き手の Answer (主メッセージ) に一貫性があるかどうかです。

本書で徹底されているスタンスは、読み手の関心や疑問に向かって書くことです。自分本位に書くことではないのです。




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多田 翼 (書いた人)