2016/11/24

仕事で考えに煮詰まったときは黄色信号。仕事で 「悩む」 のではなく 「考える」 ための3つの方法


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イシューからはじめよ - 知的生産の 「シンプルな本質」 という本に、知的生産においては決して悩んではいけない、悩むのではなく 「考えること」 の重要性が指摘されています。


「悩む」 と 「考える」 の違い


これは大切な視点です。以下は本書からの引用です。

「〈 考える 〉と〈 悩む 〉、この2つの違いは何だろう?」
僕はよく若い人にこう問いかける。あなたならどう答えるだろうか?

僕の考えるこの2つの違いは、次のようなものだ。
「悩む」 = 「答えが出ない」 という前提のもとに、「考えるフリ」 をすること
「考える」 = 「答えが出る」 という前提のもとに、建設的に考えを組み立てること
この2つ、似た顔をしているが実はまったく違うものだ。

(中略)

特に仕事 (研究も含む) において悩むというのはバカげたことだ。仕事とは何かを生み出すためにあるもので、変化を生まないとわかっている活動に時間を使うのはムダ以外の何ものでもない。これを明確に意識しておかないと 「悩む」 ことを 「考える」 ことだと勘違いして、あっという間に貴重な時間を失ってしまう。

僕は自分の周りで働く若い人には 「悩んでいると気づいたら、すぐに休め。悩んでいる自分を察知できるようになろう」 と言っている。「君たちの賢い頭で10分以上真剣に考えて埒 (らち) が明かないのであれば、そのことについて考えることは一度止めたほうがいい。それはもう悩んでいる可能性が高い」 というわけだ。

一見つまらないことのように思えるかもしれないが、 「悩む」 と 「考える」 の違いを意識することは、知的生産に関わる人にとってはとても重要だ。ビジネス・研究ですべきは 「考える」 ことであり、あくまで 「答えが出る」 という前提に立っていなければならない。

「悩まない」 というのは、僕が仕事上でもっとも大事にしている信念だ。


「悩む」 のではなく 「考える」 ために


自分が進めている仕事で煮詰まったときに、考え込んでしまうことがあります。

この時に、自分の認識としては 「考えている」 であっても、客観的に見れば、あるいは後から自分を振り返ってみると 「悩んでいた」 とすると、その時間は生産的ではありません。

安宅氏が強調するように、「悩む」 のではなく 「考える」 ためにはどうすればよいのでしょうか?

私自身がよく使っている方法としてご紹介したいのは、次の3つです。

  • 紙に書く
  • 長く考えるよりも、短く何度も考える
  • 人にぶつけてみる

以下、それぞれについて詳しく見ていきます。


1. 紙に書く


頭の中で充分に考えていても、自分はどこまでがわかっていて、何がわかっていないのかが整理できていない場合があります。

何がわかっていないのかがクリアになっていないと、考えていることに答えを出すための 「問い」 が設定できません。問いが立てられない状況では、答えを出すという観点ではそれ以上は進みません。「考える」 では 「悩んでいる」 のです。

これを防ぐために有効な方法は、紙に書き出してみることです。紙でなくてもパソコンのテキストファイル、スマホのメモアプリでもよいです。紙でも電子ファイルでも、今の頭の中を一度、文字に落としてみます。

書き方の形式も自分に合った方法でよいです。文字の箇条書き、図も使う、図だけで整理する、マインドマップ、色々なやり方があります。

文字や図にする過程で、自分の頭が整理され、わかっていること / わかっていないことが明確になります。時には書いているプロセスで問いが明確になり、考えていることの答えが見えることもあるでしょう。


2. 長く考えるよりも、短く何度も考える


長く考えるよりも、短く何度も考えるほうが、経験的に良いと言えます。

前述の引用でもあったように、1つのことを10分、長くても20分考えても答えが得られず何も進まないときは、考え続けるのを止めるべきです。

長時間考え続けるよりも、短時間の思考を時と場所を変えて何度も繰り返したほうがいいです。短時間とは、1分や長くても5分程度です。


3. 人にぶつけてみる


それでも答えが思いつかない場合は、他人の力を借りるとよいです。

上司や同僚など、自分が考えている (もしくは悩む状態になりそうな) ことについて、背景や目的がある程度で情報共有されている人が望ましいです。一方で、立場が全く違う人にぶつけるのも、自分が思いもよらなかったヒントが得られることもあります。

人にぶつけてみることのメリットは、自分が考えていて答えが得られないことを相手に説明することを、自分の頭の中で整理することができる点です。これは1つ目の 「紙に書く」 と同じです。

他のメリットは、相手から自分が持っていなかった情報や、視点 (= 論点や問いの立て方) など、生産的なフィードバックがもらえる可能性があります。これらと自分の頭にある情報を組み合わせ、より良い答えが得られることが期待できます。



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多田 翼 (書いた人)


外資系 IT 会社にて 「シニア マーケティングリサーチ マネージャー」 (LinkedIn) 。

1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身。学生時代は京都。家族4人で東京23区内に在住、2人の子どもの父親。気分転換は毎朝1時間のランニング。

書いている内容は、所属組織や会社の正式見解ではなく個人の見解です。