2013/04/06

ひふみ投信の「ひよこ塾」セミナーに参加してきました

ひふみ投信の「ひよこ塾」というセミナーに行ってきました。

主催はひふみ投信を直販で運営しているレオス・キャピタルワークス。「ひよこ塾」というセミナー名から連想できるように、対象者は「これからひふみ投信に投資してみようかな」という人がメイン。セミナーでは、レオスについて、ひふみ投信の仕組みや特徴、運用の方法、などを説明してもらえました。

説明を担当いただいたのは、取締役・マーケティング部長の方と運用部のシニアアナリストの方のお二人でした。

運用チームの方がアサインされたのは、なんと私がした事前の質問を見てとのこと。申込時に「投資する自分のお金がどのように使われているか(運用をどうしているのか)知りたい」と書いていました。

当日の参加者は私含めて2名。全員で4名だったので、質問もたくさんでき、色々と勉強になるセミナーでした。以下、当日のメモを見つつ、「ひよこ塾」セミナー内容を整理しておきます。なお、書いている順番は一部セミナーでの説明順番と変えています。

■ひふみ投信の投資哲学

投資哲学は3つあって、

1.当ファンドの信託財産を長期的に成長させるために、世界経済、社会が変化し続けることを前提として、その変化に対して先見性を持って柔軟に対応します。

2.また市場動向も常に変化し続けますが、特定の運用手法やスタイルにこだわらず、企業の価値と現在の市場価値との差(割安であること)やその企業の価値が時間とともに増加することに着目して、長期的な選別投資をします。

3.人間は本来、社会に対して付加価値を創りだすことができますが、企業においても経営者や従業員をはじめとした多様な関係者(ステークホルダー)が各企業における独自の価値を創造し得ることを信じ、その企業の価値変化の可能性を、豊かな想像力を持って判断します。

引用:ひふみ投信情報 運用について|レオス・キャピタルワークス株式会社

■ひふみ投信の特徴

特徴は次の5つとのこと。
  • 最小のコスト負担(信託報酬は業界最安水準)
  • 信託報酬還元方式(長期保有を支援)
  • 直販によるコミュニケーション
  • ゼロからの投資支援(毎月こつこつ積立)
  • レオス独自の運用哲学

1つ目の最小のコスト負担について、買い付け時と解約時のコストはゼロ、つまり、買付手数料と信託財産保留額が無い。コストは信託報酬のみで1,029%(税込)。

2つ目の信託報酬還元方式について、これは長期で保有するお客にメリットがある商品設計。具体的には、
  • 5年以上保有で信託報酬の0.2%還元
  • 10年以上保有で信託報酬の0.4%還元
と、還元分をひふみ投信の買付資金に充てるというもの。つまり、実質信託報酬が、5年以上で0.829%、10年以上で0.629%(税込)になるというもの。日本のアクティブ投信の場合は、通常は信託報酬は1.3~2%程度と1.029%でも低い上に、長期保有のインセンティブがあるのは共感できます。

例:100万円分のひふみ投信を保有した場合の信託報酬還元
引用:ひふみ投信とは|レオス・キャピタルワークス株式会社


■ひふみ投信の運用の考え方

ひふみ投信では、国内中小株を中心に組み入れている。市場価値が割安と考えられる銘柄を選定して長期投資へ。

方針として、「守りながら増やす」考え方。ひふみ投信で特徴的なのは保有資産に占める現金比率を0%~50%で調整している点。今後の相場見通しで構成比を変えているそう。


引用:ひふみ投信情報 運用について|レオス・キャピタルワークス株式会社

どういうことかと言うと、今後は株価下落の想定では現金比率を上げる(株式比率を下げる)、上昇想定で現金比率を下げる(株式比率を上げる)。リスク資産である株式の割合を調整するという考え方。つまり、下がりそうだと判断したら現金を増やしマイナスを最小限に、上がりそうだと判断したらリスク資産である株式を増やして収益を取る。なお、過去に現金がMaxの50%になったのは2回あったとのこと。

■運用プロセス

銘柄の組み入れ判断プロセスは以下の4ステップ。このあたりから個人的に興味のある内容でした。事前質問の「投資する自分のお金がどのように使われているか(運用をどうしているのか)知りたい」部分。
  • 候補銘柄のスクリーニング:Reos Scoring Model (RSM)という独自のモデルで機械的に候補となる企業を選定
  • 企業面談:候補企業と面談。電話や会って直接話を聞く。事業内容・業績・今後の見通しなど。この時に社長の「熱意」など、事前調査での数字ではわからない情報も重視している
  • レポート作成:「この企業は良い」と担当者が判断したら、面談内容や各種定量/定性分析結果をレポートに。チームに提出
  • 投資判断のディスカッション:提出レポートをもとにチーム(13年4月現在で6名)でディスカッション。運用の方曰く「チームでよく話し合う。ディスカッションの場が多い」
ちなみに、最初のスクリーニングで出てきた独自モデル「Reos Scoring Model (RSM)」でやっているのは、機械的に「業績が良いのに株価が割安な企業」の選定。全上場企業について1~10にランク付けをする。モデルへの使用データは、PER・PBR・ROE、業績、株価や出来高など。モデルは常に改善をかけるようにしているそう。

運用の方が説明で強調されていたのは、企業面談のプロセスを重視している点。直接の対話や現場調査をし、「足で稼ぐ調査をしている」。見るポイントとしては、
  • 経営の質:経営者・経営理念・企業文化・経営戦略
  • 商品戦略:マーケティング・販売チャネル・プロダクトミックス
  • 企業の歴史:過去から現在、足元の些細な変化
  • 競争力の源泉を把握:他社が真似できない価値
いかにその候補企業の本質を見い出せるかどうかが腕の見せ所。

■運用チームの方のお話

ここからは、セミナー終了後に個別に運用担当者の方とお話しした内容。セミナーが終わって1時間近く話をさせていただきました(感謝です)。

お話をうかがって印象的だったのは、運用をするにあたって「自分の目で色んなことを見るようにしている」。例えば、会社から帰る時はあえて最寄り駅ではなく2駅分くらい歩くことで街の「変化の兆し」を直に感じるようにしているとのこと。

というのも、ちょっとした変化や気になることは景気の兆候が変わるサインだったりし、そこで得られる情報・仮説を企業面談でぶつけたりしているそうです。こうした変化は各種統計データに表れるもっと前の段階で、この時点でいかに察知できるか。

他にも具体例としては、1週間に1度、同じ人に靴磨きをしてもらっていること。その人はある百貨店の前で靴磨きを何十年もやっている方で、会話を通じて世の中の変化をつかむようにしている。定点観測。

最近ではロイヤルホスト社長から「肉料理が良く売れるようになってきている。景気が上向き?」との話を聞いて、実際にファンドマネージャーの藤野さんと行ってみたとのことでした。確かお店では肉料理がよく注文されていた(自分たちも肉料理を満喫されたエピソードも)。

自分の目で直接見るというスタンスは共感しました。現場を見る大切さだと思っていて、マーケティングやリサーチでも、データだけではなく実際にお店や消費者を見たり、サービスを直接使ってみるなど、体感が大事だから。

ひふみ投信の哲学の1つ目に、「・・世界経済、社会が変化し続けることを前提として、その変化に対して先見性を持って柔軟に対応」とあり、自分の目で色々と見ることで先見性をつかもうと日々努力されている印象でした。自分で見て触れて感じたことから、世の中の変化というインサイトを見つけるイメージ。

運用の方との話では、お互いの投資の考え方・方法や実際に何に投資しているか、など率直な話ができて良かったです。共通意見としては、投資を続けることで世の中の見え方が変わること。世界のニュースが自分(の投資)につながるようになり、「2Dだった世界が3Dになる」「人生はこんなにもカラフルなのかと思った」とおっしゃっていたのが印象的でした。私もその通りだと思っていて、日々入ってくるニュースが自分事化するんですよね。ニュースの背景(Why)や影響(So what)をつい考えたくなる。

今回の「ひよこ塾」セミナーでは、レオスやひふみ投信についての概要説明だけではなく、実際に運用を担当されているチームの「中の人」と話せたのが収穫でした。具体的な運用イメージが少し見えたし、「投資信託」という仕組みをリアルに学ぶことができました。アサインいただいたのにあらためて感謝です。


※資産運用・投資の過去エントリー
今年こそ資産運用:本気で取り組みたいので戦略的に考えてみた|思考の整理日記
今年こそ資産運用(実行編):運用方針とか投資商品をご紹介|思考の整理日記


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