2010/08/22

春夏連覇の興南高校と「もしドラ」に共通する組織マネジメント

今年の甲子園は沖縄の興南高校が県勢初の夏の甲子園制覇、そして松坂大輔擁する98年の横浜高校以来の春夏連覇で幕を閉じました。

昨日の決勝戦は興南の強力なバッティングが目立ちましたが、個人的には我喜屋監督の存在も忘れてはいけないなと思っています。同監督の組織マネジメントついて、日経ビジネス2010.6.14号が記事で取り上げていました。記事のタイトルは「組織マネジメント  企業流改革で日本一に」。勝つ組織を短期間で作り上げる秘訣を、監督の語録から探っていくというものです。


■我喜屋監督の組織マネジメント

我喜屋監督の組織マネジメントのベースには、興南高校卒業後の社会人野球選手や監督以外にも、サラリーマンとしての職務の経験があるようです。

記事では、同監督の指導方針には企業でよく用いられるPDCAサイクルを実施していると書かれています。具体的には、選手は計画をきちんと立て自分が取った行動を省みること、次への行動の見直しを個々の選手に求めると言います。野球部の寮にも、企業ノウハウを導入しています。07年に監督を引き受けて最初に行ったのは、寮の整理・整頓で、ここにも企業の5S(整理・整頓・清潔・清掃・しつけ)の考え方が取り入れられています。

練習に対する取り組み姿勢もおもしろいと思いました。監督曰く、「練習の中身により意味を持たせろ」と指導するそうです。どういうことかと言うと、練習のための練習ではなく、全てで本番を意識するのです。例えば、実際の試合状況ではアウトカウントやランナーの有無、あるいは点差により守備体型も変わるように、選手たちはあらゆる状況を想定しながら「試合」に取り組みます。生徒たちには「うちに練習はない」と言い聞かせているそうです。


■権限委譲で生徒たちの自主性を引き出す

もう一つおもしろかったのは、5つの委員会です。これは部内カイゼン活動の柱となる委員会で、(1)環境委員会、(2)節約委員会、(3)学力向上委員会、(4)情報委員会、(5)時間委員会、の5つです。野球部部員はいずれかの委員会に所属し、リーダー役の部員の下で自発的に活動すると言います。例えば、情報委員会の部員は他校の練習試合から情報を分析しますが、我喜屋監督は、その作業に口を出さないと言います。

これを読んで思ったのが、「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」(以下、もしドラ)で出てきた「チーム制」の取り組みです。

もしドラでは試合にあり練習にはない3つの要素として、「競争・結果・責任」を挙げています。これらを同時に取り入れるために、部員を3つのチームに分けて互いに競わせました。その後ストーリーでは、主人公のみなみはチーム制の練習の中にさらに細かく「責任」を与える取り組みをしています。具体的には、チームごとにリーダーを決めそれぞれの管理運営はそのリーダーに任せること、チームごとに攻撃担当・守備担当・走塁担当を決め、各分野において成果に責任を持たせることです。

これにより生徒たちは主体的な行動をするようになり、互いに切磋琢磨を繰り返しながら創意工夫を重ねていく様子が描かれています。


■我喜屋監督の思い

日経ビジネスの記事では、我喜屋監督は「一流の野球選手より企業が欲しがる人材を育てたい」と言っています。監督の今の楽しみの一つは、卒業生徒たちの野球以外での活躍の便りを聞くことだそうです。

最後に、記事にあった監督の言葉で最も印象的だったものをそのまま引用しておきます。
「野球のスコアボードは9回で終わるけど、人生のスコアボードはずっと続きます」




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