2015/11/03

本当の顧客は「顧客の奥にいる顧客」




少し前のことですが、2才の娘の予防注射のため、かかりつけの小児科に行ってきました。

注射前の診察では機嫌よく先生に診てもらいました。これから注射をするのがなんとなくわかると、前に痛かったのを思い出すのか怖がり始めました。

注射された瞬間こそ反応しないのですが、針が刺さった直後に大泣きをします(注射の瞬間から泣くまでに数秒のタイムラグがあります)。注射が終わった後は5分程度泣きつづけますが、抱っこをし痛かったことの娘の気持ちを受け止めるようにすると、その後は機嫌も直っていきます。

娘にとっては、普段は出さないような大きな声で泣くので、相当痛いのでしょう。大人でも予防注射では針が刺さった時は痛みを感じるので、小さい子どもにとってはなおさらです。

ところで、医者と娘を、医療行為サービス提供者と顧客と見ると、両者の関係は通常のサービス提供者と顧客の関係ではないことに気づきます。

顧客である娘は、提供されるサービスを怖がり、サービス中(注射中)は泣いて痛がります。顧客が嫌がり望まないことを、サービス提供者は無理やり実施する。子どもが注射を嫌がるのは普通ですが、あらためて考えると、興味深い提供者と顧客の関係です。

一方で、娘の親である私は、子どもの予防注射をしてもらうことに価値を感じています。将来、娘が病気に罹る可能性を下げてくれると期待できるからです。

そう考えると、注射をしてくれる小児科の本当の顧客は、娘(子ども)ではなく親だと言えます。

一般化すれば、医療サービス提供者の顧客は、患者だけではなく、その背後にいる患者の家族です。B to C (患者) ではなく、B to C (患者) to C (家族) が成り立ちます。価値を届ける相手は「顧客の奥にいる顧客」でもあるのです。

この考え方は色々と応用が効きそうです。自分が提供するものは何で、それは目の前の相手にとってどんないいこと(価値)があるのか。のみならず、その相手の先にいる相手にも価値を届けられているか。それはどんな価値なのか。

娘の予防注射は、自分にとっても考えさせられる日常の一コマでした。


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