2013/02/22

「経験値を積む」と「レベルアップ」は別もので考える

子どもの頃にハマったのがロールプレイングゲーム(RPG)でした。

ドラクエやファイナルファンタジーの定番シリーズくらいですが、考えながらストーリーを進めていくのが好きでした。アクションとか格闘ゲームとはまた違ったおもしろさがRPGにはあったんですよね。

RPGで欠かせないのがレベル上げでした。ゲームも終盤になると、ストーリーを進めるよりもレベルアップにかける時間のほうが長くなっていたように思います。いわゆる敵を倒しての経験値稼ぎです。同じような敵に似たような戦闘シーン。

今思うと完全な単純作業でよく飽きもせずにやってたなと。当時よく思っていたのが、お金払うからレベルアップさせてほしい、ということでした。もしくはロボットが代わりにレベル上げをしてくれるとか。単純な経験値稼ぎだけの時間がもったいないなと思っていました。

ゲームの世界のレベル上げは、敵を倒す⇒経験値を獲得⇒経験値が蓄積するとレベルアップ、という仕組みです。これを繰り返すことでキャラクターは能力が上がっていきます。

現実の世界でもこの流れは基本的には同じだと思っています。新しいことを経験する⇒成長する(レベルアップ)。ただし、重要なのは「⇒」の部分。何かを経験したからといって単純に成長できるかというと、実はそこには結構大事なことがあるよね、というのが今回のエントリー内容です。

■経験を積むこととレベルアップは別もの

仕事を通じてまわり(特に自分より下のメンバー)を見ていると、同じくらいの経験をしてもその後の成長に違いがあることに気づきます。何が異なるかと言うと、経験を次に活かしているかどうか。もう少し掘り下げると、経験を応用し横展開しているかどうかにあります。

経験値を積むというのは、自分の行動・情報・得られた結果・失敗等々から学ぶということです。意識的に経験することもあれば、無意識で蓄積されていくこともあるでしょう。これらの経験したことはどれも具体的な事例です。経験値を積むとは体験という具体例を自分の中に蓄積していくこと。

ゲームの世界では、経験値を獲得⇒レベルアップのように表面上は見えますが、実際の私たちの世界では少し違うと思います。レベルアップをするためには具体例の蓄積だけでは不十分なのです。

レベルアップとは、蓄積した具体例を抽象化すること、経験したことを一般化することだと思っています。表面的ではなく本質理解ができるか。

経験を積むこととレベルアップは単純に延長線上でつながっているのではなく、間に壁があって、抽象化することで初めて乗り越えられるイメージです。具体⇒抽象化して初めて次に活かすことができるのです。

レベルアップも2つ段階があると思っていて、
  1. 経験した具体的なことを抽象化できた時
  2. 抽象化したことを他のケースで活かせた時(応用/横展開)
「経験値を積むこと」と「レベルアップ」は別ものとして捉え、経験したことを意識的にレベルアップにつなげるようにしたいと思っています。

■レベルアップの仕方

例えば、失敗について考えてみます。失敗は誰にでもいつでも起こりえるものです。もちろん、失敗のないような工夫・対策は必要ですが、それでも失敗はゼロにはできません。もっと言うと、失敗がないのはチャレンジをしていない状態です。

失敗をすると、それだけでも色々と学べます。失敗のリカバリー中はそれどころではないのですが、経験値としては貯まる。失敗をして分かれ道になるのが、失敗からの教訓を得られているかどうか(原因究明・今後の対策)、そして、失敗から学んだことを次や他の事例で活かせるかどうか。

ここに失敗からのレベルアップがあると思っていて、失敗という1つの具体的な経験から、教訓として抽象化できるか(レベルアップ①)、教訓を他に応用できるか(レベルアップ②)。

では、どうすれば経験した具体を抽象化できるか。失敗を例に考えると、まずは事実・原因究明です。何が起こったのかとそこからWhy?を繰り返していく。Whyを考え続けることで事象の本質を突き詰めていきます。

次にやることは教訓は何かを考えることです。So what?と問い、起こった事象と原因について要するにどういうことかを考える。So whatを繰り返すことで1つずつ抽象化していくイメージです。

同時にやりたいのが、横展開の意識を持ち他に応用できないかを考えること。何が汎用性があり、何が特殊なのかの見極め。上記のレベルアップ①をやりつつ②の用意も準備しておくのです。

■成長が早い人

先ほど、同じくらいの経験をしてもその後の成長に違いがあると書きました。レベルアップのスピードの違いは、具体⇒抽象化⇒応用(横展開)の早さにあるように思います。

成長が早い人は少ない具体的経験からの学びや示唆を抽象化できている。そして一般化できた教訓をすぐに他の状況で応用できているんですよね。サイクルをまわすのが早い。本人は意識的にそうしているのか、無意識にできているのかはわかりませんが、意識的にやっている人が努力家タイプで、無意識でやれてしまう人が天才タイプ。

まれにいるのが、別々の経験から得られた学び(抽象)を組み合わせて、横展開できる人です。見ていてすごいなと思うし、とても刺激になります。半分くらいは自分もうかうかしていられないという危機感にもつながるんですよね。

★  ★  ★

最後に今回のエントリーで言いたかったことを整理しておきます。
  • 「経験値を積むこと」と「レベルアップ」は別もので考える。レベルアップは2段階あり、①経験からの具体を抽象化する、②抽象化したことを応用・横展開する
  • レベルアップの方法は、具体的な経験からWhy?とSo what?を繰り返し抽象化する。何が普遍的か特殊は何かを見極め、他にも応用できないかの横展開を意識しておくと良い
  • 成長が早い人は「具体⇒抽象化⇒応用」サイクルの早い。本当にすごい人は異なる具体からの抽象を組み合わせて応用できている


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多田 翼 (書いた人)