
Free Image on Pixabay
最近、読んだ本が エッセイ脳 - 800字から始まる文章読本 、レポートの組み立て方 でした。
それぞれ、エッセイとレポートをどう書けばよいかについて書かれた本です。文章そのものをどう書けばよいかのヒントがたくさんあり、エッセーやレポート以外にも応用ができる示唆に富む2冊でした。
「レポートの組み立て方」は書かれたのが1990年です。20年以上経った今でも通用する内容で、考え方や文章の工夫の仕方など、得るものも多かったです。
「エッセイ脳」の主題
「エッセイ脳」で最も印象に残った内容が、著者の考えるエッセイの基本要件でした。
- 「自分の書きたいこと」を、
- 「他者が読みたくなるように」書く
当たり前のような内容ですが、あらためて考えさせられる内容でした。実際に2つを成立させるのは簡単ではありません。特に後者、読み手が読みたくなる内容を書くことです。
著者によれば、他者が読みたくなるような文章は分解ができると書かれています。
- 読みやすい文章
- 興味の持てる内容(題材)
「レポートの組み立て方」の主題
もう1冊の「レポートの組み立て方」。著者が示す良いレポート(文章)とは、
- 事実と意見が区別されている。事実が客観的に書かれ、意見は根拠(事実)に基づいている
- 主題という最も言いたいことが明確である
- 読み手にとってわかりやすく書かれている
1つ目の事実と意見の区別は、本書では何回も出てきます。
レポートにおいては、事実部分が主体であり事実だけで完結してもいい場合もあると著者は言います。事実という土台があり、その上に事実に基づく意見が乗っていること、事実と意見は区別されていること、これらがレポートに求められる基本要件です。
読み手の立場で書くコツ
エッセイ脳とレポートの組み立て方の2冊で共通しているのは、「読み手の立場で書くこと」です。
文章は読まれることが前提で(自分だけの日記など書いて終わりのものは除く)、読む人は自分ではない他者です。読み手にとってわかりやすい文章・相手が読みたくなる文章が書けるかが、良い文章に必要不可欠な要素です。
読み手の立場で文章を書くのは、メールとか企画書などあらゆる文章に当てはまります。
では、どうすれば読み手の視点で書けるのでしょうか。「レポートの組み立て方」にはヒントが書かれていました。
- 読み手は誰かを考える
- 読み手の予備知識はどれくらいか
- 読み手の読む目的・何を期待して読むのか。最も知りたいことが書かれているか
1つ1つを明らかにしていき、読み手が読みたくなる文章に近づきます。
もちろん自分と読み手は別人であり、あくまで読み手視点に立とうとしたものなので、抜け/漏れなど見落とした視点はあるでしょう。それでも相手視点で考えて書かれた文章とそうでないものは、内容の質に違いがあります。
この3点は文章以外にもプレゼンとか、上司への相談・報告にも当てはまります。
読み手を聴き手(オーディエンス)とすればプレゼンだし、上司と置き換えればホウレンソウにも使えます。もっと言うとコミュニケーション全般に適応できる普遍的なポイントです。本書ではレポートの書き方としての指南ですが、応用範囲は広いです。
良い文章構造を「木」で考えてみる
今回の2冊を読みながら思ったのは、文章構造は木に例えることができるということでした。
文章の要素として必要なのは、主題、事実、論点、意見の4つです。それぞれ木に当てはめると、
- 幹:主題(キーメッセージ)。自分が一番伝えたい&読み手が最も知りたいこと
- 根:事実・意見の根拠
- 枝:論点(問い)
- 葉:意見・自分の考え
幹という主題が中心に太くあり、事実が根っこで支え土台になっています。
主題から各論点が構成され、問いに対する自分の意見・考えの葉っぱがたくさん生えています。新しい意見やアイデアは若葉としてどんどん生まれてきます。4つの構成要素がうまくからみ合って木は成長していくイメージです。
最後に
「エッセイ脳」で書かれていたエッセイの基本要件は「自分の書きたいこと」を「他者が読みたくなるように」書くことでした。自分視点と相手視点の両立です。
自分の書きたいことは、木で例えた4つの構成要素(主題・事実・論点・意見)で整理してみましょう。他者が読みたくなるように相手視点で文章を考えるために、読み手の立場になるポイントは3つです。
- 読み手は誰か
- 読み手の予備知識は
- 読み手の読む目的・期待は。最も知りたいことが書かれているか
仕事での日々のメール、報告書や企画書、プロジェクトメンバーやクライアントとのホウレンソウ、そしてこうして書いているブログにも応用できることが エッセイ脳 - 800字から始まる文章読本 、レポートの組み立て方 には書かれていました。