2016/09/08

書評: 食べない生き方 (森美智代)


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食べない生き方 という本をご紹介します。



著者と読者へのメッセージ


著者の森美智代氏は針灸師です。驚くのは、著者の食事です。1日に食べるのは、青汁1杯のみ 50 kcal の食生活を17年間継続しています (2013年時点) 。それでいて、針灸師として難病の患者をのべ5万人以上治療しているそうです。

本書では、著者と同じ1日に青汁1杯のみの食生活を薦めているわけではありません。著者が全体を通して言いたいことは 「現代の食生活を見直しましょう」 です。


少食はどう身体に良いのか


現代人の多くは、自分の胃腸の消化吸収の能力を超えて食べ過ぎていると著者は言います。腸が食べ物が消化しきれないうちにさらに食べてしまい、便が常に残っている状態です。

残り続けるために、長年かけて腸壁のあいだに溜まる宿便になります。宿便の中身は常に入れ替わるようですが、消化吸収能力を超えた過食が続く限り、いつまでも宿便はなくならないとのことです。

宿便が溜まったままだと腸の働きが落ち、病気になりやすい体になってしまうそうです。

断食、少食、生菜食にすると、体は浄化モードになるようです。体中のゴミが一気に出ようと動き始め、皮膚、腸、尿だけではなく、耳、目、鼻、息からも老廃物が噴出するとのことでした。その最たるものが宿便です。

著者は、宿便をなくすには少食や断食が効果的であると言います。そして、宿便が出ると、様々な病気が好転するとも言います。具体的には、風邪、胃痛、胃弱、腹痛、便秘、頭痛、疲れ、凝りであり、アレルギー、虚弱、冷え性などの体質も改善するとのことです。


なぜ1日青汁1杯で生きられるのか


興味深かったのは、1日に青汁だけの50キロカロリーの摂取で、なぜ日常生活を普通に送れるかでした。

著者は針灸師で、毎日、朝から晩までほとんど立ちっぱなしで患者さんの治療にあたっています。それでいて、体調は良好で体重は 60kg を何年も維持しているそうです (身長は 154cm ) 。

著者のことは非常にめずらしいケースとして医学的な研究対象になっているようですが、超少食でも生活できる理由ははっきりとはわかっていないようでした。

書かれていたのは、著者の基礎代謝が一般的な成人女性の半分よりも低いこと、著者の腸内では腸内細菌が食物繊維を分解してタンパク質を作る働きが一般の人よりも活発であること、そして、腸内のアンモニアからアミノ酸を作り出していることがわかったそうです。つまり、著者の体内では、普通の人であれば利用しないものも、腸内細菌によって再利用し生命活動を維持しているのでは、ということでした。


私が少食になったきっかけ


私自身、著者ほどではないものの、ここ1, 2年ほどは、少食にしています。きっかけは Withings という体重計で毎日、体重と体脂肪を測るようになったことでした。




少食で健康を実感


始めは腹八分目を心がけていました。食事量をそれまでよりも減らして、少しずつ体重と体脂肪が減りました。それとともに、自分の体が調子が良いと感じるようになりました。

その後、減らす → 健康を感じる、というサイクルが続き、今では1日の食事は朝と昼の2回です (夜に飲み会などがある場合は、昼を食べないことが多いです) 。2回しか食べず、1回の食事量も他の人よりも少ないです。正確に測ったことはありませんが、1日の摂取カロリーは、自分が消費するカロリー (基礎代謝: 1300 kcal + 運動による代謝: 600-700 kcal) よりも少ないはずです。

それでも、ここ数ヶ月は体重は 53kg - 54kg、体脂肪率は 10% 台と一定の水準を保ち、毎朝の 6km のランニングにも支障はきたしていません。病気も特にせず会社も風邪で休むこともなく、睡眠もよく取れ、自分の身体が健康であることを実感できています。著者ほどの超少食ではありませんが、少食のほうが健康でいられると感じるのは、自分の経験からもそうです。



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多田 翼 (書いた人)


外資系 IT 会社にてマーケティングリサーチ マネージャー (LinkedIn) 。

1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身。学生時代は京都。家族4人で東京23区内に在住、2人の子どもの父親。気分転換は毎朝 8km のランニングとピアノ。

書いている内容は、所属組織や会社の正式見解ではなく個人の見解です。