2016/09/10

2016年8月にブログで注目を集めた本 (月間クリック数ランキング)


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このブログでは、訪問いただいた方に役に立つと思ってもらえる本を紹介しています。読んだ本の書評を書いたり、エントリーの参考情報として本の内容を引用しています。

今回のエントリーでは、2016年8月の1ヶ月で、クリックが多かった本をご紹介します (5冊) 。順番はクリック数の多かったものです。



プロの知的生産術 - BCG 前日本代表が教える情報活用の秘訣 (内田和成)




著書はコンサルタントの内田和成氏です。キーワードは、アウトプットと差別化です。

  • 情報収集や整理 (インプット) のために、何のためにその情報が必要なのか、どう情報活用するかの目的 (アウトプット) を明確にする
  • アウトプットは他者との差別化を意識する

1つ目のアウトプットについて、目的が明確であれば、どんな情報をどこまで集めればよいかが判断できます。目的があれば、それに至る手段も見えてきます。

常に 「何のために情報が必要なのか」 というアウトプットを意識して、情報に接することが本書を通じて強調されています。

2つ目の差別化について、本書で強調されている 「アナログ」 を取り入れることです。

情報収集や整理のプロセスを、情報収集、加工/分析、発信という3つに分解した時に、どこでアナログを取り入れるかが差別化につながると言います。

情報を扱うプロセスにおいて、デジタルかアナログかで、単純にどちらが優れているかではありません。人と違うことをするという差別化の視点でアナログが重要になります。

3つのプロセスの全てをアナログでやることは現実的ではありません。3つのうちどれか1つでもアナログを入れると独自性が生まれます。

例えば、例えば、それぞれ次のようなやり方です。

  • 情報収集:ネット検索ではなく、現場に行ったり人に直接聞き一次情報を手に入れる。自分で体験する
  • 加工/分析:ノートに手書きでまとめる、付箋で整理する
  • 発信:直接の対話、プレゼンでスライドよりもトークを重視する

書評のエントリーはこちらです。

書評: プロの知的生産術 - BCG 前日本代表が教える情報活用の秘訣 (内田和成)



How Google Works - 私たちの働き方とマネジメント (エリック・シュミット / ジョナサン・ローゼンバーグ / アラン・イーグル / ラリー・ペイジ)




これまでのグーグルの組織論、人という観点からグーグルがどのようにマネジメントをしているかが紹介されています。この本の内容を簡単に表現すると、次のようになります。

グーグルが求める人材である 「スマート・クリエイティブ」 を同社がいかに大切にしているか、彼ら/彼女らが持つ能力を最大限に発揮するためにどういう環境や仕組みをつくり上げてきたのか。

グーグルの企業文化、採用を非常に重視していること、人事や組織のあり方。スマートクリエティブに自由と権限を与え絶え間ないイノベーションをいかに実現するか。

書かれていたことで印象的だったものは、

  • リーダーシップ:自らの職務あるいは組織でリーダーシップを発揮した経験のほか、正式なリーダーに任命されていなくてもチームの成功に貢献した実績が含まれる。(正式な) リーダーという立場ではなくても、リーダーシップを持って行動できるかどうか
  • ラーニングアニマル:スマート・クリエイティブになるために必要なのは常に新しいことを貪欲に学ぶこと。特に失敗をした時に、そこから何を学ぶか。何を単に学ぶだけというわけではなく、学んだことを 「次」 に活かす。「学ぶ → 学習内容を活かして成果を出す → 学ぶ → … 」 、というサイクルを回し続ける
  • プロジェクト管理:経験則から導かれたプロジェクト管理として、リソースを 「70対20対10」 に振り分ける。70をコアビジネス、20を成長プロジェクト、10を新規プロジェクト

グーグルについて、特にマネジメントやカルチャーのことをよく理解できる一冊です。



なぜ、あの会社は儲かるのか? - ビジネスモデル編 (山田英夫)




様々な企業のビジネスモデルが紹介され、興味深く読めます。

他の類似本と違うのは、単にビジネスモデルを紹介しているだけで終わっていないことです。ビジネスモデルの事例紹介 → 仕組みの一般化 → 他業界にある同様のモデル紹介となっています。具体化 → 抽象化と縦に考え、抽象化 → (他の) 具体化と横展開されているのです。

同じビジネスモデルでも違う業界に適用されているので、そのモデルの本質的な仕組みを理解できます。書かれている内容がきっかけや刺激になり、そのビジネスモデルを自分の業界や、自分の仕事に活かせないかと考えてみると発想が広がるでしょう。

この本の関連エントリーです。本書で取り上げられていたビジネスモデルのうち、最も印象的だったコマツ建機の KOMTRAX (コムトラックス) について取り上げています。

KOMTRAX:コマツ建機の美しいビジネスモデル



究極の身体 (高岡英夫)




運動や体の本で、今まで読んだ中で最もおすすめの一冊です。人の身体構造や運動のメカニズムについて独自理論が、興味深く読めます。

本書の究極の身体の定義は 「人体の中で眠っている四足動物、あるいは魚類の構造までをも見事に利用しきって生まれる身体」 です。

人間の進化は、魚類 → 爬虫類 → 哺乳類 → 人間と経てきており、人間の身体には、魚類、爬虫類や哺乳類などの四足動物の構造を受け継いでいると著者の高岡英夫氏は言います。

究極の身体は 「魚類運動=脊椎を使った動作」 「四足動物の運動=脊椎の体幹主導動作+4本足主導の動作」 の両方を使えます。

著者の問題意識は、究極の身体を持っているにもかかわらず、現在の人類の多くはその身体資源を使いきれていないことです。究極の身体を実現するために印象的だったことは、

  • 究極の身体に不可欠なことは重心の意識。そのために筋肉の脱力が必要
  • 身体の中にセンター (軸) を構築する。センターは、身体の重力線とほぼ一致するところを通る身体意識
  • 究極の身体の立ち方は、吊り人形のように頭部の糸で身体を吊り上げ、そこからゆっくり下ろして足を接地させたような立ち方 (緩重垂立) 。体重を支えるギリギリのところまで力を抜いたプラプラの状態

身体動作や運動構造に興味のある方は、おもしろく読める本です。書評エントリーはこちらです。

書籍 「究極の身体」 がおもしろい



脳には妙なクセがある (池谷裕二)




脳の最先端の研究結果がわかりやすく紹介されています。著者は脳研究者である池谷裕二氏です。

様々な脳の 「クセ」 が書かれています。

印象的だったのは、脳と身体の関係でした。 例えば、楽しいという気持ちと笑顔の関係です。楽しいから笑うという順番が一般的な理解です。

しかし、研究からわかってきたのは、笑顔をつくるから楽しいという逆の順番でした。

その研究によると、笑顔の表情をつくるとドーパミン系の神経活動が変化をするとのことでした。ドーパミンは快楽に関係した神経伝達物質なので、笑顔をつくることで楽しくなるのです。

笑顔の他にも、恐怖や嫌悪の表情をすることで、脳には実際に恐怖/嫌悪の感情が生まれるとのことでした。

顔の表情だけでなく、姿勢にも当てはまるようです。

本書にある実験が紹介されていました。姿勢が自己評価に与える影響を調べるため、背筋を伸ばした姿勢と背中を丸めた姿勢で、被験者に自己評価をしてもらったところ、姿勢を正したほうが自信を持てる結果が出たとのことでした。

身体行動が先で、それに伴う感情が形成される脳の働きは、興味深い話です。

本書では、他に以下のようなトピックが扱われています。

  • 「行きつけの店」 にしか通わない理由
  • 何事も始めたら 「半分」 は終わったもの?
  • 脳はなぜか 「数値」 が苦手
  • 「心の痛み」 も 「体の痛み」 も感じるのは同じ部位
  • 歳をとると、より幸せを感じるようになる理由
  • 「今日はツイテる!?」 は思い込みではなかった!
  • 脳は 「自分をできるヤツ」 だと思い込んでいる

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多田 翼 (書いた人)


外資系 IT 会社にて 「シニア マーケティングリサーチ マネージャー」 (LinkedIn) 。

1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身。学生時代は京都。家族4人で東京23区内に在住、2人の子どもの父親。気分転換は毎朝1時間のランニング。

書いている内容は、所属組織や会社の正式見解ではなく個人の見解です。