2016/09/22

大局観を持つための視点は 「多 / 長 / 根」


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経営の教科書 - 社長が押さえておくべき30の基礎科目という本に、「大局観をいかにして磨くか」 というテーマが書かれています。


多・長・根


大局的な視点でものごとを見るには 「多・長・根」 という3つがキーワードだとします。

  • 多:複数の視点から全体像を把握する
  • 長:短期ではなく長期のスケールで考える
  • 根:本質に立ち返る

以下は本書からの引用です。

経営者として 「大局観」 を身につけたい、とはよく聞く言葉である。理念やビジョンを考えるときも、あるいは情熱をより強固なものにするためにも、さらにはリーダーとして多くの社員を率いていくにも、人間力や人格においても、大局観は大きな意味を持ってくるというイメージがあるからだろう。事実、そうだと私も思う。

私は、自ら大局観を忘れることのないよう、自戒のツールとして使ってきた言葉がある。それが 「多・長・根」 だ。これは陰陽学の思想を私が覚えやすくまとめた言葉である。安岡正篤氏の本にもときどき出てくる、中国3000年の知恵が凝縮された考え方である。

「多」 は多面的・複眼的に物事を見ること、「長」 は短期ではなく長期で見通すこと、そして 「根」 は枝葉末節ではなく根本に注意を向けること、という意味である。大局観を持って正しい判断をするためのエッセンスだが、これが実に奥深い。

今回のエントリーでは、多、長、根について掘り下げて考えてみます。


多:複数の視点から全体像を把握する


物事には表と裏があります。メリットや良い面だけを見るのではなく、裏にあるデメリットやマイナス面も把握しておくとよいです。表と裏の2つの視点から見て全体像が見えてきます。

「群盲象を評す」 という寓話は、全体像ではなく一部しか見ずに正しい判断ができないことを教えてくれます。

盲人達が、それぞれゾウの鼻や牙など別々の一部分だけを触り、その感想について語り合う話です。触った部位により感想が異なり、それぞれが自分が正しいと主張して対立が深まってしまいます。その後、各人の言っていることが同じ物 (象) の別の部分であると気づき対立が解消する、という寓話です。

象に触れた時の各自の答えは、象の鼻を触った者は 「蛇」 、耳を触った者は 「扇」 、牙を触った者は 「槍」 、足を触った者は 「木」 、体を触った者は 「壁」 、尻尾を触った者は 「ロープ」 でした。

寓話が示唆するのは、物事を正しく理解し、本質を知るためには複数の視点から全体像を把握することが大事ということです。


長:短期ではなく長期のスケールで考える


目の前の利益やメリットだけではなくその先を考えることは、視野を広げるために有効です。

例えば何かを決める時に、目の前のことだけを考えるだけで Go の判断をするのではなく、もっと先の1年後や、2年、5年を考えても妥当な決断かという視点です。

仕事に限らず、プライベートでも何かを買う時も 「長」 の視点で考えるトレーニングができます。値段の高い物やサービスを買うか決める時に、本当にそれは必要なのか、それとも単に気持ちが高ぶっているだけで欲しいだけなのか、を自分に問いかけます。今という短期ではなく長期の視点で考え判断すると良いです。


根:本質に立ち返る


どうやって事の本質を見抜くか、木を見て森を見ずの状態にならないようにするためにはどうすればよいのでしょうか。

Why? と So what? という2つ問いかけが有効です。

目の前の情報やデータを鵜呑みにしない姿勢、あえて一歩引いて、本当にそうなのかを天の邪鬼になってみます。Why? を繰り返して深掘りし、So what? から 「要するにどういうことなのか」 を問うことで整理しまとめ、思考を一般化/抽象化します。


まとめ


大局観を持っておくための 「多・長・根」 は、一朝一夕にできるようになるのは難しいかもしれません。だからこそ、日常生活でも意識をしておきたい3つの視点です。

  • 多:複眼で捉える
  • 長:短期ではなく長期スケールで見る
  • 根:物事の本質を問う



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多田 翼 (書いた人)


外資系 IT 会社にてマーケティングリサーチ マネージャー (LinkedIn) 。

1981年 (昭和56年) 生まれ。名古屋出身。学生時代は京都。家族4人で東京23区内に在住、2人の子どもの父親。気分転換は毎朝 8km のランニングとピアノ。

書いている内容は、所属組織や会社の正式見解ではなく個人の見解です。